シンガーや女優としての活躍だけでなく、実業家としても頭角を現しているリアーナ。40色という幅広いカラーレンジのファンデーションを誇るメイクアップブランド「Fenty Beauty by Rihanna」、多彩なボディタイプにフィットするランジェリーを揃える「SAVAGE X FENTY」を成功させ、今や多様性賛美の時代のトップランナーに君臨している。
多様性時代にマッチしたプロダクトを次々と生み出し、実業家としての手腕にも注目が集まる、シンガーのリアーナ。Photo:Getty Images
そんな彼女が、 LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン グループ（以下、LVMH）の後押しの元、ラグジュアリーファッションの世界に本格参入。「女性は地球における原動力。デリケートでありながら防弾チョッキのように丈夫な側面も持つ、多面的で複雑な生き物です。フェンティはすべての女性を対象にしています。誰かに頼りたくなる日、活動的な日、そして両方の思いを抱えるほとんどの日。そんな複雑な内面を包み込み、祝福するような幅広いラインナップを作ることが必要でした」という理念のもと、ラグジュアリーメゾン「FENTY」を立ち上げた。
ラグジュアリーメゾン「FENTY」を立ち上げたリアーナ。ブランドを代表するビッグショルダーのジャケットをまとって。Photo:GettyImages
そんな中、「FENTY」のビジュアルに起用されたモデルが、Instagramに投稿した写真が話題に。そのモデルとは、顔に傷跡を持つ南スーダンの難民キャンプで生まれたモデルAweng Mayen Chuol。お転婆だった彼女は、幼少期に木を登ったり鶏を追いかけたりして顔に傷を作ったが、彼女が育った文化圏では傷は「大人になった証であり、美しいもの」とされていた。しかし、7歳でオーストラリアに引っ越してからというもの、一転して彼女の傷は「醜いもの」とされ、一時はマスクで隠して生活することを余儀なくされていたのだそう。リアーナ率いる「FENTY」は、そんな過去を持つ彼女の顔の傷を修正することなく、美しい個性と捉えてビジュアルに起用。その姿勢が、世界中のファンから絶賛されたのだ。
リアーナ率いるラグジュアリーメゾン「FENTY」のモデルに起用された、Aweng Mayen Chuol。彼女の傷跡を補正せず、美しく捉えたビジュアルが、世界中で絶賛された。Photo:Instagram@awengchuol
リアーナがモデルの顔の傷を隠さなかったことからもわかるように、いまファッション界では、ハリウッド的な価値観では「欠点」とされていたものを、新しい美として捉え直す機運が高まっている。最近の例で言うと、「GUCCI Beauty」のリップスティックの広告に、すきっ歯がキュートな米パンクバンドSurfbortのDani Millerが起用されたのも記憶に新しいところ。このムーブメントにのれば、長年のコンプレックスも、ハイモードな美や個性として再発見できるにちがいない。
リップの広角にすきっ歯のパンクロッカーを起用して話題になった「GUCCI Beauty」。Photo:Instagram＠guccibeauty
リアーナプロデュースのランジェリーに共感の嵐
すきっ歯のモデルを起用したGUCCI Beautyの新リップをチェック！
