2017.05.21

女は“美血道”を極めるべし!

 冷えをはじめ、肌の色ツヤや肩こり、果てはイライラまで、すべてに「血」が関係しているらしいことは、誰もが経験上なんとなく感じているもの。でも、それは本当なのだろうか?
「体調が悪いといつもより気分が滅入るのは、心と体が結びつき、血流が影響している証拠。すべての悩みは血流にあるのです」と説くのは、堀江さん。血流というと、サラサラと流れる血を思い浮かべるけれど、堀江さんいわく、「ほとんどの女性は血の量が足りず流れているといってもチョロチョロ状態。目指すべきは“血流たっぷり”です」

 そもそも血液は全身に酸素や栄養を運び、老廃物を回収する働きをする。血が足りず、チョロチョロとしか流れていなければ、さまざまな機能に支障をきたすのは当たり前。そして体のすみずみまで血を巡らせるために注目したいのが毛細血管だ。
「全身の血管の99%は毛細血管。しかし、加齢や生活習慣によって毛細血管の量は減少します。これこそがさまざまな不調の原因。取り入れた栄養が血となり肉となるために届けられる現場こそが毛細血管ですから、毛細血管を増やすケアを取り入れて」と言うのは、根来先生。また、血管力と肌の関係を研究し続ける花王の次田博士も、「血管力が低い人は、肌の状態が不調なだけでなく、ストレス度や冷え、血行、睡眠の質、疲れやすさなど体調悩みがあることも確認」と証言。

 あらゆる不調の打破に不可欠なのは「血」であることはもはや疑う余地はない。今こそ“美血道”を極め、真の快適を手に入れよう。

それぞれのエキスパートが証言

毛細血管に注目!

運び屋である毛細血管の劣化は全身機能の衰えに直結!

根来秀行先生
医師、医学博士、ハーバード大学
医学部・パリ大学医学部客員教授

内科学、抗加齢医学、睡眠医学など最先端の臨床・研究分野で国際的に活躍中。『「毛細血管」は増やすが勝ち!』(集英社)など著書多数。

「毛細血管を介した血液循環の働きは、酸素を届け、老廃物を回収するだけにとどまらず、免疫物質を必要な部位に届けたり、ホルモンを運んだりと多岐にわたります。そんな毛細血管は自律神経に支配されているのですが、加齢や生活習慣によって自律神経が乱れると毛細血管も劣化。すると、血液循環によるさまざまな恩恵を受けられなくなって不調につながります」

血流に注目!

心と体の悩みは血流が関係しています

堀江昭佳さん
漢方薬剤師、国際中医師、不妊カウンセラー

出雲大社の参道にある大正13年創業の老舗漢方薬局4 代目。婦人科のスペシャリスト。『血流がすべて解決する』(サンマーク出版)の著者。

「東洋医療では古来健康、特に婦人科系疾患には血流が大切だというのは常識でした。実際、10年間で5万件以上の女性のお悩み相談を受けた経験から、血流をよくすることで、心と体の悩みは一挙に解決できると断言します。しかし現代女性の9割の方は血の量そのものが足りず、血が流れない状態。だからこそ、まずは血を増やす生活を始めることが大切です」

血管力に注目!

血管力が低い人ほど肌荒れ、乾燥悩みが深刻

次田哲也博士
花王 スキンケア研究所
上席主任研究員

スキンケア、ファンデーションの臨床効果実験・評価に精通し、20年の研究歴から、肌の状態やスキンケア法をわかりやすくアドバイス。

「血管は、外部環境の変化に応じて血流を調整する力を持っています。花王はこれを“血管力”とし研究を深化。冷水に手をつけたあとの皮膚温回復を夏と冬の各1回ずつ計測し、肌との相関関係を調べた結果、血管力が高い人に比べ、低い人は肌が乾燥し、肌荒れを起こしやすいことがわかりました。また、血管力が低い人には体調の悩みのある人も多かったのです」

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着たい服はどこにある?
トレンドも買い物のチャンネルも無限にある今。ファッション好きの「着たい服はどこにある?」という疑問に、SPURが全力で答えます。うっとりする可愛さと力強さをあわせ持つスタイル「POWER ROMANCE」。大人の女性にこそ必要な「包容力のある服」。ファッションプロの口コミにより、知られざるヴィンテージ店やオンラインショップを網羅した「欲しい服は、ここにある」。大ボリュームでお届けする「“まんぷく”春靴ジャーナル」。さらにファッショナブルにお届けするのが「中島健人は甘くない」。一方、甘い誘惑を仕掛けるなら「口説けるチョコレート」は必読。はじまりから終わりまで、華やぐ気持ちで満たされるSPUR3月号です!

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