2018.03.11

外から冷えと戦うには?

寒ければ着ればいい? そんな簡単なことでは解決しないのが現代の冷え症。温めのポイントを知り、今日から実践して冷えない体を手に入れよう

1 厚着=冷えない、は間違い

締めつけない
「おなかや足を温めるのに、ガードルやブーツなど、体を締めつけてしまうものはNG。ギュッと締めることで血行不良を起こして冷え体質につながってしまいます」(山口先生)
 ここ数年のゆるダボシルエットやスニーカーのトレンドは、冷えに悩む女子にはありがたかった!
「またむくみ予防に、寝るときまで加圧ソックスをはくと、やはり血行不良となり冷え体質の原因に。寝るときに足が冷えるようならレッグウォーマーを活用して」(山口先生)

おなかを温める
「内臓の冷えを解消するのにもっとも効果的なのが腹巻き。血流が集中するおなかを物理的に温める効果もありますが、血流がよくなることで副交感神経が優位になり、心地よさを感じ、さらにリラックスできるようになります」(山口先生)
 夏場であればシルクやコットン、冬場はシルクとウールの混紡など、天然素材のものを選ぶのがコツ。「ソフトにフワッと保温するのが理想ですが、極寒地の場合はおなかにカイロをプラスして」(山口先生)

首・手首・足首を温める
「たとえ薄着でも、ある部分を温めることで冷えない体にすることができます。それが首・手首・足首の3カ所。ここは皮膚が薄いため、部分的に温めても全身が温まります。逆にここを冷やせば、全身の冷えにつながるので気をつけて」(小林先生)
 マフラーやスカーフ、レッグウォーマーを取り入れるのがよさそう。「就寝時はもちろん、冷房を使う季節になったら、オフィスでも首にスカーフなどを巻くと、夏場の冷えを軽減できます」(山口先生)

着こみすぎて汗をかくと、体が放熱するためさらに冷えてしまう。着こみすぎは考えもの。

2 日常生活で体を鍛える

意識した動きで筋肉量をアップ
 実は筋肉量が減ることで冷えやすくなる、という事実をご存じだろうか?
「熱を作るためには筋肉が必要。しかし、年齢とともに筋肉量が減ったり、無理なダイエットでエネルギー不足になったりすると熱が生み出せない体に。最近は冷えによる低体温が問題になっていますが、これも大きくは筋肉量が少ないのが原因。定期的な運動がベストですが、普段の生活でも、エスカレーターではなく階段を使う、スピードアップして歩く、何も持たずにその場足踏みをするなどを意識することで筋肉を使うことはできます」(小林先生)
 立ち仕事やデスクワークなど、日常的に同じ姿勢が続く人には、「体が冷えてガチガチのときに行いたいのが“おじぎ体操”。気をつけの姿勢で立ったら、90度おじぎをするように体を曲げます。これを20回ほど繰り返すだけ。おじぎをすることで腹圧が上がり、下腹部にうっ滞していた血液が全身に流れ出し、冷えを解消します。これを10日間行なっただけでも深部体温が0.6度アップした人もいるほど効果てきめんです」(山口先生)

ムキムキにならなくていい。体温を作れるだけの筋肉があれば、それだけで代謝が上がる。

3 体を温める入浴方法を知る

38~40℃の心地よい温度の湯船に浸かって
 毎日クタクタに疲れ、睡眠時間確保のためパスしがちなお風呂。しかし、「体を洗うだけのシャワー入浴は、その日の“冷え”を取ることができず、冷えを溜め込み、結果冷え体質を作ってしまいます」(山口先生)
 冷えた体を温めるには、温浴効果で温まった血液を全身に巡らせる入浴が効果的。心地よさで副交感神経が優位になると入眠を助ける作用も。
「どんなに疲れていても入浴を毎日の習慣に。38~40℃ぐらいのぬるめの湯船に20~30分浸かり、じんわりと汗ばむくらいが理想です。逆に熱めのお湯は交感神経を活性化するだけでなく、体の表面しか温まらないので夜は避けたほうがベター。5分湯船に浸かり、冷たいシャワーをかけて3分休み、また5分湯船に浸かるという、温冷を繰り返す入浴法もおすすめ」(小林先生)
 また、体を温めるのにおなじみの足湯は入り方に注意が必要。
「足湯をすると足先が温められて血管が拡張。しかし、これを引き締めないと熱が放出され余計冷えてしまいます。足湯後は必ず冷やして」(山口先生)

足湯で温まったら、仕上げに冷水をかけ血管を引き締めないと、冷えにつながることに。