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自由なルールで作られる、【キャンメイク】のキャラ立ちネーム

可愛くてリーズナブルだけど、高品質。大人も気軽に遊べるコスメが揃う「キャンメイク」は、ファッショントレンドに合わせてメイクアップも常にアップデートしていきたい、私たちの強い味方だ。今回は3人の名付け親が登場し、それぞれの製品の名付けを解説。

名前の付け方、テイスト、文字数も、すべては名付け親次第

キャンメイク

「キャンメイク」は、1つの製品を1人の担当者が手掛ける、いわば“マンツーマン体制”。製品を企画してから世に送り出すまでの約1年間、色の調整、パッケージのデザイン、製品や色の名付けなどすべての作業を1人が一貫して担当する。

全体的に自由度が高く、製品名や色名に関しても、ブランドとしての細かいルールはない。各製品の担当者が自由な発想で、名付けを行っているという。その方法について、アイメイク製品を担当しているM.TさんとM.Fさん、チーク・リップ・ベースメイク製品を担当しているN.Tさんにお話を聞かせてもらった。

「私の場合は、まずは製品や色の特徴をとにかく思い付くだけノートに書き出し、さらにそれに関連する言葉、類義語、英語などに派生していきます。
スイーツやカフェメニューの名前、美容以外のジャンルのものからヒントを得ることも多いので、いろんな会社のHPを検索したり、SNSを見たり。そのようにして集めた言葉を組み合わせて、色名を作っていきます。過去に手掛けた製品で蓄積してきた言葉を掘り起こすこともあるので、ノートは大切に保管しています」(M.Tさん)

「私もノートに書く派です。書いていると、ふっと思い付く! っていう人、けっこう多いですよね。それから、日常生活でいいなと思う言葉やフレーズがあったら、携帯電話のメモにストックしたり」(N.Tさん)

最近はSNSや店頭などでも、コスメを色番号ではなく色名で呼ぶユーザーが増えてきて、それがハッシュタグや口コミに繋がってくる。だからこそ3人とも、思わず拡散したくなる名前を目指しているという。

「色名と同じく、製品名も覚えやすさ、親しみやすさを重視しています。そのために決めたマイルールは、①一度聞いたら忘れられないインパクト、②簡単で覚えやすい文字数、③聞き心地の良い音感。このルールを軸に、製品の特徴を組み込みながら、3つ以内の単語で発音しやすさや聞いたときの印象も確認しながら名前を考えます。
例えば、するんと落とせるマスカラは『オフするんマスカラ』。まつ毛ケアが毎日のルーティーンになるようにと願って作ったまつ毛美容液は『ラッシュルーティーン』と名付けました」(M.Fさん)

「プランプ+ぷっくり」から生まれた、可愛くてわかりやすいNEWワード

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マット、パール、ラメの3つの質感の涙袋が作れる。血色感のある影色も絶妙。(左から)キャンメイク プランぷくコーデアイズ 01『アプリコットプランぷく』、02『サクラプランぷく』 各¥792/井田ラボラトリーズ

涙袋用の画期的なアイシャドウ、「プランぷくコーデアイズ」。質感違いの3パターンの涙袋メイクができるコーデ力はもちろん、「プランぷく」というユニークな語感も注目の的に。こちらを手掛けたのはM.Tさん。

「涙袋をぷっくり見せる製品です、ということが伝わる製品名を付けたくて。最初は涙袋を意味する英語の『アイバッグ』を使おうかと思ったのですが、キャンメイクには既に『アイバッグコンシーラー』という製品がありますし、そもそも『アイバッグ=涙袋』って、一般のユーザーさんにはさほど認知度が高くないのかも、と考えました。
そこで、ぷっくりを意味する英語の『プランプ』と、『ぷっくり』という言葉を頭の中で繰り返しつぶやいていたら……『あっ、プランぷくって可愛いかも!』と思い付いたんです。響きも可愛いし、丸みのある膨らんでいる様子がイメージできるし、ちょっとダサい? と感じるような可愛さも、また愛おしい」(M.Tさん)

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(左から)キャンメイク プランぷくコーデアイズ 01『アプリコットプランぷく』、02『サクラプランぷく』

2つの色の名前にも『プランぷく』が使われている。
「『プランぷく』は私が作った造語で、キャンメイクでしか使えない唯一無二の言葉。それに色のイメージを表す言葉を組み合わせて、『アプリコットプランぷく』と『サクラプランぷく』に。次のシーズンにも『ぷく』な新色が発売予定です!」(M.Tさん)

昭和ロマンな香りが漂う、甘く切ない恋物語を色の名前に

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ラメやパールがたっぷりで、魔法のようにキラキラ。ラメ飛びやヨレにも強く、クリアな輝きと透け感のある発色をキープ。(左から)キャンメイク アイカラーマジシャン 01『思い出の喫茶店』、02『約束』、03『真夜中の長電話』、04『淡い予感』、05『昨日のやきもち』(限定色)、06『強がり』 各¥748/井田ラボラトリーズ

「恋の魔法をかけるアイテムになったらいいな」。そんな想いが込められたリキッドアイシャドウ、「アイカラーマジシャン」は、M.Fさん作。そのコンセプトに沿って色名にも恋をテーマにした名前が付けられている。
これまでのキャンメイクの製品の色名は、カタカナや横文字が多く使われ、色をイメージしやすい色名が多かったが、今回はあえて「日本語×抽象的な名前」に挑戦。

「いつもとは違った角度から新しい色名を付けたくて、製品の調色をしている段階から、色名もジワジワと考えていきました。1つ1つの色名にストーリーがあるけど、使う人が自分なりの想像を膨らませる余地があるような、抽象的な色名にこだわりました」(M.Fさん)

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(左から)キャンメイク アイカラーマジシャン01『思い出の喫茶店』、02『約束』、03『真夜中の長電話』、04『淡い予感』、05『昨日のやきもち』(限定色)、06『強がり』

定番5色+限定1色の色名は、ほんのり昭和レトロな雰囲気が、今っぽくて新鮮。M.Fさんのお母さん世代が好きなミュージシャンの歌を聞いて、歌詞や世界観を参考にすることもあったという。

01『思い出の喫茶店』
「想いを寄せる相手と会った、昔ながらの喫茶店。セピア色の素敵な思い出を、暖かみのあるブラウンカラーに重ねて」

02『約束』
「小さな約束を交わして芽生えた恋心。儚げな淡いピンクから、そんな恋心を連想しました」

03『真夜中の長電話』
「ゴールドのパールがキラめくボルドーが、星屑をちりばめた夜空のよう。時間を忘れて何時間も話してしまった夜の景色です」

04『淡い予感』
「もしかして私たち、両想いかも? と少しずつ生まれ始めた淡い予感。肌なじみがよく、可愛らしさもあるコーラルに付けた名前です」

05『昨日のやきもち』(限定色)
「ピンクにもブルーにもなりきれない、ライラックパープル。恋が上手くいくと思っていた矢先に、やきもちをやく場面に遭遇してしまった……というストーリー」

06『強がり』
「好きだけど、好きじゃない……! そんな強がりな気持ちを映した、大人っぽさと少女っぽさが混在するピンクブラウン」

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好きなカラーを選んで、自分専用パレットに。パレットには最大4色までセットでき、2色+ブラシの組み合わせも可能。一段目:キャンメイクマイトーンクチュール GT02『フルーツポンチ』、GT03『アイシーライラック』 二段目:PT02『カスタード』、PT03『みかんスムージー』 三段目:MT01『モモチャイティー』、MT02『サクラミルク』、MT03『ベリー』、MT04『アッシュ』各¥396 パレットにセットした製品:マイトーンクチュール GT01『クリスタルダズル』、PT01『ピュアエンジェル』 各¥396、ジャストフォーミーパレット ¥385、バディーデュオブラシ ¥275/井田ラボラトリーズ

N.Tさんが手掛けた「マイトーンクチュール」は、自分の好きなカラーを専用のパレットにセットできる、新しいスタイルのフェイスカラー。この冬に発売される新製品で、ハイライト、チーク、シェーディングに使える10色が揃う。

「これまでのチークは花の名前をモチーフにした色名が主流だったのですが、今回はあえて縛りをなくし、できるだけ短く、かつ色を連想しやすい可愛い名前を考えました。

3つの質感があるのも特徴。パールがたくさん入ったグロッシータイプ(GT)は、『クリスタルダズル』、『フルーツポンチ』、『アイシーライラック』と、キラキラ&シュワシュワとした輝き、氷のような冷たさをイメージさせる色名に。実は『クリスタルダズル』は10色の中でも苦労した名前で、名前の候補を20個以上も出して、やっと決まったんです。

パールタイプ(PT)は、内側からにじみ出るようなツヤを演出します。『ピュアエンジェル』は色を作っている段階から、無垢さ、愛らしさ、エンジェルやキューピットなど、ピュアさを表現できる名前を付けようと決めていました。『カスタード』はお花の名前も候補にありましたが、周囲の推しもあってこの色名に。『みかんスムージー』は、オレンジ色の「みかん」に、響きも可愛くてオシャレな「スムージー」を組み合わせました。

ふんわり色付くマットタイプ(MT)は、4色のラインナップ。最近トレンドのチャイカラーと呼ばれる色を狙って作った『モモチャイティー』は、チャイっぽいけど桃色な血色感も感じる有能カラー。『サクラミルク』はミルク感のある柔らかいピンクに合う色名にしました。旬の淡発色の『ベリー』と、シェーディングに使える『アッシュ』は、色がエッジィなので、名前はわかりやすくシンプルに」(N.Tさん)

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このように「マイトーンクチュール」は、イメージ的な色名と、色をダイレクトに表現した色名が混在しているが、すべての色がシンプルな色名で統一されている製品もある。色名に遊びがある製品とない製品、その違いは何なのだろうか?

「厳密なルールはないのですが、私が担当しているアイメイク製品では、アイブロウ、マスカラ、アイライナーは、『ナチュラルブラウン』、『アッシュブラウン』など、色そのものをシンプルに表現する色名にしています。アイブロウはブラウン系のバリエーションの中から、自分の髪色と合った色が欲しいというニーズが多いので、選ぶときの指針になるように。マスカラやリキッドアイライナーは衛生管理上、店頭にテスター製品を常時設置することができないので、色名だけでずばり好みの色が選べるように、色に忠実な名前を心がけています」(M.Tさん)

可愛くて遊び心たっぷりだけど、どこまでもユーザー目線。それが、プチプラコスメの中でもズバ抜けて支持される秘訣なのかも。今後の新製品にも期待して!

エディターが名付けに挑戦!

商品

マイトーンクチュール
PT01 『ピュアエンジェル』

ネーミング案

『ピンクソルギ』

着想源

「ソルギ」は韓国の伝統的なスイーツ。花の形にアレンジされているソルギを見て、その美しさと精巧さに感銘を受け、いつかこのコーナーに使いたいと思っていたんです。今がまさにその時!

採点

大変よくできました

コメント

知らない人も「ソルギ」って何だろうと、調べたくなる音(単語)を採用している点がとってもいいなと思いました! 
見た目が可愛いソルギと商品の可愛い色みがぴったりだなと思います!

大変よくできました

M.Tさんプロフィール画像
キャンメイク 商品企画M.Tさん

「プランぷくコーデアイズ」をはじめ、これまで担当した製品は20種類以上。大ヒット中の「プティパレットアイズ」も手掛ける。推し色名は、「パーフェクトスタイリストアイズ」21『ストロベリーミルクモカ』。残念ながら廃盤になってしまったが、SNSでは色名を名指しして、復活を求める声も。

M.Fさんプロフィール画像
キャンメイク 商品企画M.Fさん

「アイカラーマジシャン」を担当。推し色名は「パーフェクトスタイリストアイズ」の23『アーモンドカヌレ』。カヌレを知ったきっかけは、漫画の中でイケメン経営者がヒロインにカヌレを渡した場面。「なんてオシャレな響きで、なんて美味しそうな食べ物なんだろう!」と感動し、いつか色名に使おうと温めていた。

N.Tさんプロフィール画像
キャンメイク 商品企画N.Tさん

「マイトーンクチュール」を担当。今年、キャンメイクから久々に発売されたリップ製品、「むちぷるティント」も手掛ける。9月に発売された「メロウデューリップマスク」は、製品名がなかなか決定せず、夢にも出てくるほど専心。とろけるような使用感とべたつかない快適性、高いトリートメント効果を持つ製品にふさわしい、魅力的な製品名に。

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