大人のカラーまつ毛には
増毛ベースが欠かせない
ヒロ 「カラーマスカラってサッと塗るだけでオシャレに見えるわ～」って思っている皆さま、それは半分アタリで半分ハズレです！
タカシバ えっ、どういうこと？
ヒロ 大人のまつ毛って、毛量が少なかったり毛がまばらだったりするでしょ。そんな状態でカラーマスカラを塗っても、まつ毛の貧相さが際立つだけなの。まつ毛がきちんと元気に生え揃っていれば、カラーマスカラをそのままラフに塗ってもキマるんだけどね。
マブニ カラーマスカラ、この冬も使おうと思ってたのに……。
ヒロ だったら、大人がシャレて見えるカラーマスカラの使い方をお勉強しないとね。まずは仕込みから。要はカラーマスカラを塗る前にまつ毛を増毛しておけばいいので、エテュセの黒いマスカラベースで疑似増毛しちゃいます。繊維がたっぷりで、スカスカまつ毛も瞬時にフサッフサに。
白浮きせず、リアルな増毛感をかなえる黒いマスカラ下地。すぐに乾き、今っぽい絶妙カールまつ毛もしっかりキープ。
マブニ このエテュセのベース、少し前まで赤いパッケージでしたよね。リニューアル前からヒロさんが溺愛している名品。
ヒロ そう、とにかく使いやすくて。この細いブラシでスッスッとまつ毛をなでるように繊維をフィックスさせて毛量を均一に整えたら、カラーマスカラの出番です！
マブニ どんな色がいいのかな。今年は暖色系がよしとか、こんな色は古く見えるとか、トレンドの傾向はあるんでしょうか？
ヒロ まぁ、色は赤でも青でもなんでもありなんですが、注意すべきは発色の鮮やかさです。黒マスカラに重ねても濁らず、しっかりカラー感が出るものがおすすめ。
マブニ むしろ大人は黒ニュアンスのカラーマスカラを選びがちですが、高発色がマストなんですね。
ヒロ はい。カラー感がきちんと出るほうが断然シャレて見えますからね。スリーのマスカラは、まさに発色抜群。特にこのハイトーンのカッパーブラウンがステキ。誰でも似合う、あか抜ける！
見たままの鮮やかな色が楽しめる、貴重なカラーマスカラ。まつ毛を繊細にコーティングして、長さもアップ。
マブニ ちなみに、カーラーは使いますか？ 今さらまつ毛をくるんと巻き上げるような時代遅れなことはしないとしても……。
ヒロ ベースを塗る前にホットカーラーでまつ毛の根本を軽く上げる程度で十分ですよ。加えて仕上げにもホットカーラーで毛流れを整えるようにすると、マスカラがピタッとフィックスします。
タカシバ このハリウッドアイズのホットカーラー、私もずっと使ってるよ。手放せない！
すぐに適温になり、ヒーター部分の角度も絶妙。ヒロさんのメイクボックスの常備品であり、紛失に備えて常に数本をストックしているほどの重要アイテム。
ヒロ ところで、マスカラが目の下に落ちてパンダ目になっている人、いまだにいますけど、あれはマスカラが悪いんじゃないんです。本人のテクニック不足が原因。
タカシバ えっ、そうなの？
ヒロ はい。まつ毛は水分や油分を含みやすいので、あらかじめティッシュや綿棒でぬぐっておくこと。さらにマスカラベースの前に、パウダーを仕込んでおくとパーフェクト。こんなふうにアディクションのスクリューブラシをナーズの透明パウダーの上にコロコロと転がして（イラスト参照）、ごく薄くまつ毛にのせるだけ。まつ毛をコートしているパウダーが油分や水分をぐんぐん吸着するので、時間がたってもにじみません。蒸れ崩れ防止にも！
数あるスクリューブラシの中でも しっかり毛量があり、ほどよく硬めでまつ毛をさばきやすい。マスカラの仕上げの、ダマつき防止にも。
ヒロさん定番のプレストパウダー。肌にはもちろん、マスカラのにじみ防止にも利用。無色透明なので、まつ毛の印象を弱めることなく、余分な油分や水分を吸着。
（イラスト右から）
スタイリスト タカシバ
ヒロさんおすすめのホットカーラーを年単位で愛用。普通のカーラーより、まつ毛ダメージも少ないよう。
ヘアメイクアップアーティスト 小田切ヒロ〈LA DONNA〉
最近のマスカラは処方が素晴らしく、にじみ落ちはほぼゼロ。「にじむ人は、自分のテクを見直すべき」
ライター マブニ
まつ毛にパウダーを仕込むテク、すごくよかった！過剰な皮脂にも蒸れにも負けず、パンダ目と決別。
SOURCE：SPUR2021年1月号「小田切ヒロの美人は化け学」
illustration: Hitoshi Kuroki 〈vision track〉 text: Kozue Mabuni
