小田切ヒロの解体美書 第9回 ― 紅葉風アイカラーにダイヤモンドのようなきらめきを ―

ほんのりスモーキーなオレンジレッドとミモザイエロー。まなざしをスタイリッシュに締めるカーキと洗練されたきらめきを放つシルバーの4色をセットした秋色のカルテット。ミネラルならではのしっとりとしたテクスチャーでまぶたにピタッと密着。美発色でありながらクレンジングオイルいらずで石けんオフ。

ミネラルクラッシィシャドー メープルガーランド〈限定色〉¥4,400/エトヴォス

まなざしに一粒ダイヤをまとえば誰でも洒落顔

ヒロ 秋が来ると思わずオレンジ系のアイシャドウパレットを手に取ってしまいがちなんだけど、惹かれる半面、そろそろマンネリしてきたかもしれないって気持ちも否めなくて。そんな矢先に出合ったのが、エトヴォスの「ミネラルクラッシィシャドー」の限定色。メープルガーランドっていうパレットで、秋の紅葉を思わせるトーンのスモーキーなハーモニーなんだけど、素晴らしいのはひとつだけ質感が異なるシルバーをセットしていることなの。

――このラメ、シンプルに見えますが、そんなにすごいんですか?

ヒロ こういう暖色系のパレットの大多数が肌なじみのいいゴールド系のカラーをセットしているんだけど、ここにはあえて肌の上で主張するシルバーが選ばれているの。それでね、このシルバーが鉱山から発掘されたダイヤモンドみたいにリュクスな輝きを放つのに、どこかシックな発色で絶妙なの! 秋色のグラデーションをつくったまぶたに、アクセサリー感覚でまとってほしい。

――このパレットの使いこなし方を教えてください。

ヒロ アイメイクのメインカラーはいろんなカラーコーディネートを楽しんでほしいから、絶対にこうじゃなきゃダメ!っていうのはないんだよね。でも、オススメを提案するなら、上まぶたのアイホールにレッド、下まぶた全体にイエローをなじませる、まさに"紅葉感”のある配色かな。このとき、チップじゃなくて指でわーってなじませてボワーッてにじませてあげると”高揚感”も爆誕。その後、カーキを上まぶたの目尻側のキワ3分の1にライン状に入れると、凛とした印象も欲張れてさらによきかと思われます。

――ベースが整ったところで、そろそろ”鉱山ダイヤモンドカラー”のお出ましですか?

ヒロ そうよ〜♡ただし、ダイヤモンドのテンションに浮かれてジャラジャラジャラってつけるのは絶対にNG。できる限り引き算していかにミニマムに落とし込むかがセンスの見せどころなの。具体的に説明するわね! チップ、もしくは小指の先端にシルバーを取って、目頭と黒目の下に一粒ダイヤモンドを置くイメージでちょんって点置き! 不思議なもので、ピンポイントなのにこれだけで途端にこなれた印象になれちゃうのよね。ちなみに、一粒でも十分存在感を発揮してくれるけど、二、三粒入れるとより効果的よ!

――自分で言うのもなんですがグッと垢抜けた気がします。ファッションでもトレンドの異素材ミックスのニュアンス、いいのかも。

ヒロ 気づいちゃった? 異素材ミックスってファッションでもビューティでも去年からキテるんだけど、今年は極端に相反する素材を組み合わせるほうが洗練されて見えるんだよね。「ダイヤモンド、目立ってるよ」みたいに肌浮きウェルカムなマインドが断然気分。

小田切ヒロ
ヘアメイクアップアーティスト。ラ・ドンナ所属。圧倒的なセンスとコスメティクスへの審美眼、オリジナリティあふれるテクニックで大人気。トレンドを刷新するYouTubeチャンネル「HIRO BEAUTY CHANNEL」も話題。エンビロンの「フォーカスヴァイブランスプラス セリエンスナイトセラム」で肌のハリ上昇中。

SOURCE:SPUR 2021年12月号「小田切ヒロの解体美書」
interview & text: Rina Ishibashi illustration: Shuji Kobayashi

FEATURE
HELLO...!