【身体をめぐるおすすめの本20選】心と身体を尊重するきっかけをくれた本を12名に聞いた

健やかな心と身体でいたいけれど、そうはいられないときもある。ありのままの自分の心と身体に向き合い、「こうあるべき」にはとらわれずに尊重するために、本の力を借りてみるのも良いかもしれない。さまざまな分野から自分を大切にすることを伝えてくれる12名の方々に、影響を受けたり気づきを得た本をご紹介いただいた。

健やかな心と身体でいたいけれど、そうはいられないときもある。ありのままの自分の心と身体に向き合い、「こうあるべき」にはとらわれずに尊重するために、本の力を借りてみるのも良いかもしれない。さまざまな分野から自分を大切にすることを伝えてくれる12名の方々に、影響を受けたり気づきを得た本をご紹介いただいた。

●三宅香帆さん推薦

この社会の中で“どう身体を愛すか”を考える本『「ありのまま」の身体 -メディアが描く私の見た目-』

『ありのままの身体 メディアが描く私の見た目』藤嶋陽子(著)/青土社

『「ありのまま」の身体 -メディアが描く私の見た目-』藤嶋陽子(著)/青土社

推薦者:三宅香帆さん

「美容誌を読んでいても、コスメの新商品を眺めていても、美容系インフルエンサーの言葉を聞いていても、なぜか昨今『不自然に見えないまま、美しくなるのが一番いい』という価値観がしばしば登場する。つまり、自然の状態——素肌や身体が美しいことが最も重視されている。これはなぜなのだろう? 本書で文化社会学の研究者が明らかにするのは、私たちの身体や容姿をめぐる社会の構造である。ボディ・ポジティブやプラスサイズという思想も広まっているが、果たしてこの超消費社会のなかで『ありのまま』を私たちはいかに愛していけるのだろう?  研究書でありながら、どこかエッセイのようにも読める、身体をめぐる言葉たちがここに」

身体を持つ意味に思いを巡らす本『ファットガールをめぐる13の物語』

『ファットガールをめぐる13の物語』モナ・アワド(著)/書肆侃侃房

『ファットガールをめぐる13の物語』モナ・アワド(著)/書肆侃侃房

推薦者:三宅香帆さん

「ダイエットをテーマとした連作短編小説集。太っている、ということについてこんなふうに細かく丁寧に描いてくれた小説を私はほかに知らない。服装や食べ物の描写が細かくて、わかる、と言いたくなる場面があなたにもきっとたくさんあるはずだ。私が好きな一文を紹介しよう。『宇宙はわたしたちに冷たい。理由はわかっている。だからマックフルーリーのおかわりを買って、しばらく自分たちがどれだけ太っているか話し合う』……。本書の一文だ。なんて素敵で切なくてだけど力強い一文なんだろう。カロリーオーバーであっても、それでも食べたくなるものがある。宇宙はいつも自分たちに冷たくて、優しくはない。しかしその優しくなさを乗り越えるために、私たちは身体を持っている。だから自分を甘やかして、カロリーオーバーのマックフルーリーを飲むのだ」

三宅香帆プロフィール画像
文芸評論家三宅香帆

京都市立芸術大学非常勤講師。1994年高知県生まれ。京都大学人間・環境学研究科博士前期課程修了。天狼院書店京都支店長、リクルート社を経て独立。小説や古典文学やエンタメなど幅広い分野で、批評や解説を手がける。著書『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』『文芸オタクの私が教える バズる文章教室』『「話が面白い人」は何をどう読んでいるのか』等多数。

●みたらし加奈さん推薦

つらい記憶に向き合うヒントをくれる本『赤ずきんとオオカミのトラウマ・ケア: 自分を愛する力を取り戻す〔心理教育〕の本』

『赤ずきんとオオカミのトラウマ・ケア: 自分を愛する力を取り戻す〔心理教育〕の本』白川美也子(著)/アスク・ヒューマン・ケア

『赤ずきんとオオカミのトラウマ・ケア: 自分を愛する力を取り戻す〔心理教育〕の本』白川美也子(著)/アスク・ヒューマン・ケア

推薦者:みたらし加奈さん

「一般的に“つらい出来事”として漠然と語られるトラウマを、より解像度高く理解できるよう導いてくれる本です。赤ずきんの物語を手がかりに、怖い体験がどのように心に残り続けるのかを説明し、自分を大切にする工夫や安心を取り戻す方法を示してくれています。読み進めることで、これまで避けてきた過去の自分とも少しずつ向き合えるようになり、家族や支援者にとっても寄り添うヒントとなる一冊です」

性と向き合い、自分と相手を大切にするための本『RESPECT 男の子が知っておきたいセックスのすべて』

『RESPECT 男の子が知っておきたいセックスのすべて』インティ・シャベス・ペレス(著)/現代書館

『RESPECT 男の子が知っておきたいセックスのすべて』インティ・シャベス・ペレス(著)みっつん(訳)重見大介(医療監修)/現代書館

推薦者:みたらし加奈さん

「性の知識を伝えるだけでなく“自分と相手を大切にする”という姿勢を自然に教えてくれる一冊。日本では多くの人がネットやアダルトコンテンツから偏った情報を得てしまう現状があります。本書は、身体や心の変化、多様なセクシュアリティについてわかりやすく触れ、異性だけではなく同性同士の関係についても丁寧に取り上げています。男性ジェンダーとして育つ子どもたちにとって、性を“強さ”や“経験”で測るのではなく、リスペクトを基盤に学ぶことはとても大切。自分の性と向き合い、相手との関係をよりよく育むための一冊だと思います」

みたらし加奈プロフィール画像
臨床心理士・公認心理師みたらし加奈

大学院卒業後、総合病院の精神科に勤務。その後、私設カウンセリングルーム勤務などの経歴を経て「神泉こころカウンセリング」を設立。 メディアにてコメンテーターとして活動しながら、SNSを通して精神疾患やLGBTQの認知を広める発信、講演会を行なう。 また、専門家と共に性被害や性的同意に関する情報を発信するメディア『mimosas(ミモザ)』の代表副理事も務める。

「神泉こころカウンセリング」はこちら

●ゆっきゅんさん推薦

「こういうもの」と断定されることなく、安心できる本『慣れろ、おちょくれ、踏み外せ 性と身体をめぐるクィアな対話』

『慣れろ、おちょくれ、踏み外せ 性と身体をめぐるクィアな対話』森山至貴(著)能町みねこ(著)/朝日出版社

『慣れろ、おちょくれ、踏み外せ 性と身体をめぐるクィアな対話』森山至貴(著)能町みね子(著)/朝日出版社

推薦者:ゆっきゅんさん

「森山至貴さんと能町みね子さんの二人が、クィアについて、性別について、トランスについて、家族について、マイノリティとマジョリティについてなどのテーマをそれぞれの言葉で探りながら、迷いながら議論している本です。私は自分にとってセンシティブな話題を語るのは、時間や文字数がかかるというか、疲れるというか。誤解も理解もされたくないので、あんまり頑張れないところがあります。けれどこの本には短く安易な断定はなく、『でもこうでもあるし、こうでもあるよね』という部分が捨象されることなく語られるので、そういうものだよねと安心できます。“クィアな時間”というものについて初めて考えるきっかけにもなりました」

正しくはなくとも生きていること、その人生にただ耳を傾ける人がいることに救われる『薬を食う女たち』

『薬を食う女たち』五所純子著/河出書房新社

『薬を食う女たち』五所純子(著)/河出書房新社

推薦者:ゆっきゅんさん

「睡眠薬、覚醒剤、大麻やMDMAなど、薬物とさまざまな関係を持つ女性たちを取材したルポ連載『ドラッグ・フェミニズム』を元に書かれたものです。ルポルタージュのようで、短編集のようで、ノンフィクションのようで、フィクションのようでもある。彼女たちが語った、決して正しくはないその半生を、著者はときにその身体の感覚を反映するような文体で文学に昇華し、読者を引き込みますが、語りはどれもふと終わります。そこに教訓はなく、分析もなく、解説などない。生きてゆく彼女たちに結末はまだ、もちろんありません。私は読み進めることで、著者の傾聴の姿勢と矜持に救われるように思いました」

ゆっきゅんプロフィール画像
ゆっきゅん

1995年、岡山県生まれ。サントラ系アヴァンポップユニット「電影と少年CQ」のメンバー。2021年よりセルフプロデュースでのソロ活動「DIVA Project」を本格始動。でんぱ組.inc、WEST.などへの作詞提供、コラム執筆や映画祭主催など、溢れるJ-POP歌姫愛と自由な審美眼で活躍の幅を広げている。新作EP『OVER THE AURORA』配信中。

●平井莉生さん推薦

コミュニケーションにおいて手が持つ意味を考える本『手の倫理』

『手の倫理』伊藤亜沙(著)/講談社

『手の倫理』伊藤亜紗(著)/講談社

推薦者:平井莉生さん

「美学者の伊藤亜紗さんが体育や介助、セックスなど様々な角度から触覚について掘り下げた一冊。“さわる”と“ふれる”の違いを考えたことはあるでしょうか。自分の身体にさわる、相手の身体にふれる。日頃何気なく行なっているその行為がどんな意味をはらんでいるのか、改めて向き合わされる読書体験でした。これまで自分はどういう意識で手を用いてきただろうか。適切な手の使い方ができていただろうか。無意識なその触れ方の裏にはどんな気持ちがあっただろうか。この本を読んだ後には、手の持つ情報の解像度が上がり、コミュニケーションにも良い影響を与えているように感じます。手は雄弁です。これからも読み返し、そのことを忘れないようにしたいと思います」

自分の人生の舵をどう取っていくか思いを巡らせる本『燕は戻ってこない』

『燕は戻ってこない』桐生夏生(著)/集英社文芸ステーション

『燕は戻ってこない』桐野夏生(著)/集英社文庫

推薦者:平井莉生さん

「代理母出産をテーマにした小説です。現代における妊娠・出産、代理母という生殖医療にまつわる社会的な課題が丁寧に描かれ、個人的な問題やアイデンティティについても考えさせられる一冊。自分の身体や性、生殖に関する健康と権利であるSRHR(セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ)が疎かにされているように感じるこの社会で、自分自身がどう人生の舵を取っていくべきなのか。産むのか産まないのか、どう産むのか。瀬戸際を生きる30代中盤の身として、正解がないのはわかっていますが、考えることは尽きません。この小説を読んでももちろん何か問題が解決するわけではないけれど、なぜか清々しい気持ちになれた読後感でした」

平井莉生プロフィール画像
編集者平井莉生

1989年、東京都生まれ。大学在学中より編集アシスタントに従事し、伊藤総研株式会社で編集・ライターとして仕事をスタート。2015年10月、独立。雑誌、ウェブ、広告のコンテンツ、コピー制作、イベント企画などを行う。2023年に初の著書『女性たちの声は、ヒットチャートの外に ~音楽と生きる女性30名の“今”と“姿勢”を探るインタビュー集』を出版。

●池田裕美枝さん推薦

自分の身体や生き方との向き合い方に正解も間違いもないと感じられる本『新装版 わたしが・棄てた・女』

『わたしが・棄てた・女』遠藤周作/講談社

『新装版 わたしが・棄てた・女』遠藤周作(著)/講談社

推薦者:池田裕美枝さん

「性的同意について『同意なのか、愛なのか』考えていたときに、その思考を深めてくれた本。性的同意とは、“私という個人”と“あなたという個人”が全く別個の存在であり、互いを尊重しあうコミュニケーションを経た上で成り立つとされます。けれど私たちの社会では、“個の尊厳”という感覚はそれほど単純ではないのかもしれません。この小説では、いつも自分より他者を思いやり、自らを犠牲にした行動を取りながらも朗らかに生きる女性と、知力も財力もあり女性の人権を説く華やかな女性が、対比的に描かれるシーンがあり、考えさせられます。私たちが生身の人間として自分の身体や生き方に向き合うことに、正解も間違いもないということを深めてくれる一冊です」

池田裕美枝プロフィール画像
医療法人心鹿会 海と空クリニック京都駅前 院長・同志社女子大学嘱託講師・神戸市立医療センター中央市民病院女性外来担当池田裕美枝

京都大学医学部卒業、医学博士。総合内科研修のち、産婦人科に転向。三菱京都病院、洛和会音羽病院、神戸市立医療センター中央市民病院、京都大学医学部附属病院などを経て現職。『専門医からのアドバイス 内診台がなくてもできる女性診療』監修。

「医療法人心鹿会 海と空クリニック京都駅前」詳細はこちら

●CRAZY COCOさん推薦

何気ない日常を大切にしたくなる本『あした死ぬかもよ? 人生最後の日に笑って死ねる27の質問』

『明日死ぬかもよ?』ひすいこうたろう(著)/ディスカヴァー・トゥエンティワン

『あした死ぬかもよ? 人生最後の日に笑って死ねる27の質問』ひすいこたろう(著)/ディスカヴァー・トゥエンティワン

推薦者:CRAZY COCOさん

「私が一番好きな本。今の人生に葛藤や不安がある人に、最高の生き方を始めるために読んで欲しい。明日死ぬかもと思えば、嫌なことや無駄なことに時間を使わなくなるし、『本当にやりたいこと』が見えてくる。例えば『今日が人生最後の日なら誰に会いたい?何を伝えたい?』と考えるだけで、日常が特別な一日に変わって、今ある幸せに気付ける。“死”を意識してみることで、普通の一日や人との関わりが宝物みたいに感じられることに気付かされるはず」

自分なりの“幸せ”へのコンパスを見つけられる本『精神科医が見つけた 3つの幸福 最新科学から最高の人生をつくる方法』

『精神科医が見つけた 3つの幸福 最新科学から最高の人生をつくる方法』樺沢紫苑(著)/飛鳥新社

『精神科医が見つけた 3つの幸福 最新科学から最高の人生をつくる方法』樺沢紫苑(著)/飛鳥新社

推薦者:CRAZY COCOさん

「“幸せ”の正体が論理的にわかる。『ポジティブに生きよう』とか『毎日に感謝しよう』というふわっとしたことではなく、精神科医が研究やデータをもとに書いた、科学的な裏付けと根拠のある実用書なのが良い。特別な道具や環境は必要なく、『健康・人間関係・成長』の3つを点検すれば、迷ったときに方向性が見えると教えてくれる、まさに人生のコンパスになる本。『幸せって運とか環境じゃなく、日々の選択で作れるんだ!』と気付ける」

CRAZY COCOプロフィール画像
お笑い芸人CRAZY COCO

1986年生まれ、大阪府出身。キャビンアテンダントとして外資系航空会社に4年半務め、退職後に芸人活動を開始。2021年にアマチュアながら『女芸人No.1決定戦 THE W』の準決勝に進出。2022年3月より吉本興業所属。「東京CAと関西CAの違い」「オツボネCA」など経歴を生かしたネタ動画がSNSやYouTubeで注目される。バラエティ番組に出演する他、2本のレギュラー番組に出演中。

●星野概念さん推薦

心身ともに自ら整う大切さを感じる本『共鳴するからだ——空間身体学をひらく』

『共鳴するからだ: 空間身体学をひらく』片山洋次郎(著)、田畑浩良(著)、藤本靖(著)/晶文社

『共鳴するからだ——空間身体学をひらく』片山洋次郎(著)、田畑浩良(著)、藤本靖(著)/晶文社

推薦者:星野概念さん

「身体を専門とされる、傑出した方々による書籍。心身は切り離すことは当然できないし、強い施術よりも自分で整っていく形の方が本質的で長持ちするのは、心も身体も共通しているように思います。それを感じ続けさせてくれる書籍です」

セルフケア法を動画も交えて学べる本『神田橋條治が教える 心身養生のための経絡・ツボ療法』

『神田橋條治が教える 心身養生のための経絡・ツボ療法』神田橋條治(著)/アスク・ヒューマン・ケア

『神田橋條治が教える 心身養生のための経絡・ツボ療法』神田橋條治(著)/創元社

推薦者:星野概念さん

「心身への思いの馳せ方について、自分が大きな影響を受けたのが、精神科医の神田橋條治さんです。様々なご著書がありますが、養生のためのシリーズは専門職でなくても感じられることが多いのではないでしょうか。特にこの本は、動画も見られるようになっているので、より一層かと思います」

星野概念プロフィール画像
精神科医など星野概念

精神科医として働くかたわら、執筆や音楽活動も行う。一貫して、対話や養生、人がのびのびとできることについて考えている。いくつかの場所での連載や寄稿のほか、著作は『ないようである、かもしれない~発酵ラブな精神科医の妄言』、『こころをそのまま感じられたら』など。

●紺野ぶるまさん推薦

人間関係にモヤモヤする自分に寄り添ってくれる本『どうしても嫌いな人 すーちゃんの決心』

『どうしても嫌いなひと』益田ミリ(著)/幻冬舎

『どうしても嫌いな人 すーちゃんの決心』益田ミリ(著)/幻冬舎

推薦者:紺野ぶるまさん

「大人になってからの“嫌いな人”って根深いですよね。しかも学生の頃とは違って、クラス替えも卒業もないのだからとてもしんどい。いじわるされているのにヘラヘラしちゃったり、嫌いな人と仲良くしてる人をイヤに思ったり。家に帰ってもそんなことばかり考えている自分にイライラしたりしますよね。この本を開けば、そんな自分に寄り添ってくれる“すーちゃん”という理解者がいます! 読み終わったあとはきっと、視界が明るくなっているはずです」

自分の弱さとの付き合い方を学べる本『自分の最高を引き出す考え方』

『自分の最高を引き出す考え方』布施 努(著)/日本能率協会マネジメントセンター

『自分の最高を引き出す考え方』布施努(著)/日本能率協会マネジメントセンター

推薦者:紺野ぶるまさん

 「ここぞという勝負のとき、いつも緊張に負けてきました。どんなに準備をしていても、周りの人と自分を比べて、始まる前から諦めてしまう節がありました。ずっと自覚してきたそんな弱さとの付き合い方を、ロジカルに教えてくれたのがこの本です。他人を気にしてしまう思考までもプラスに変え、良いパフォーマンスをするのに役立っています。スポーツ心理学博士という“勝たせるプロ”が書いた説得力大の一冊。どんなお仕事にも通ずる内容です」

紺野ぶるまプロフィール画像
お笑い芸人紺野ぶるま

1986年生まれ、東京都出身。昨年開催の『女芸人No.1決定戦 THE W 2024』では準優勝を果たした。執筆活動も行なっており、著書は『下ネタ論』『特等席とトマトと満月と』など。

●中島沙希さん推薦

ありのままの自分を愛そうと思える本『私は私のままで生きることにした』

『私は私のままで生きることにした』キム・スヒョン(著)吉川南(訳)/ワニブックス

『私は私のままで生きることにした』キム・スヒョン(著)吉川南(訳)/ワニブックス

推薦者:中島沙希さん

「自分で経験することの大切さを教えてくれた本です。読むことで自分と向き合い、一緒に落ち込んでくれて、背中を押してくれる。自分らしく生きるってすごく難しいことだけど、この本を読み終わる頃には“ありのままの自分を愛する”という実感が芽生えるエッセイです」

中島沙希プロフィール画像
モデル中島沙希

1995年福岡県生まれ。モデルとして国内外で活躍。プラットフォーム「EF.」にてエシカルライフをテーマに発信し、マルシェやワークショップの開催もしている。読書は主にエッセイを好み、直感でタイトル買いすることが多い。

●一ノ瀬メイさん推薦

相手の心身を尊重したコミュニケーションの取り方を探れる本『愛を伝える5つの方法』

『愛を伝える5つの方法』ゲーリー・チャップマン(著)ディフォーレスト千恵(訳)/いのちのことば社

『愛を伝える5つの方法』ゲーリー・チャップマン(著)ディフォーレスト千恵(訳)/いのちのことば社

推薦者:一ノ瀬メイさん

「いくら努力しても愛が伝わらないのは、相手が受け取りやすい伝え方をできていないからかも?という新たな気づきをくれた本です。人は誰しも、“5つの愛の言語”を持っているのだそう。『肯定的な言葉』『贈り物』『共に過ごす時間』『サービス精神』『ボディタッチ』から成る“5つの愛の言語”には、人によって理解しやすいものも、理解しにくいものもある。私はパートナーや友人と同じタイミングで読んで、お互いのラブランゲージを言い当て合ったりして、楽しみながらコミュニケーションを深めました。自分や周りの大切な人を理解し、お互いの心と身体を大切にする上で役に立っています」

一ノ瀬メイプロフィール画像
パラリンピアン・モデル・講演家・俳優一ノ瀬メイ

イギリス人の父と日本人の母の間に生まれ、生まれながらに右腕が短い。1歳半で水泳を始める。2016年リオデジャネイロ・パラリンピックにて、8種目に出場。2021年に9つの日本記録保持者として現役引退を表明した。現在はモデル、講演家、俳優として活躍を広げるとともに、「社会が障害を作っているならば、社会が障害をなくすこともできる」という想いに基づいた活動を継続している。

●枝優花さん推薦

健やかでいるために、“イマココ”に集中する大切さを知る本『禅とジブリ』

『禅とジブリ』鈴木敏夫(著)/淡交社

『禅とジブリ』鈴木敏夫(著)/淡交社

推薦者:枝優花さん

「『生きることとは遊びなのだ』という鈴木敏夫さんの言葉が心を軽くしてくれた。仕事だ、プライベートだと切り替えるから疲れる。仕事もプライベートも全て含め人生であり、全てが遊びなのだ。仕事だから真面目にコツコツ頑張らなければならないわけではない。お金を稼ぐことも働くことも、もっとプライベートのように遊び楽しんで良いのだと、自分に許可を出すことが解放なのだと思う。また鈴木さんは、過去をすっかり忘れ去って次作へ向き合い、毎度新鮮な気持ちで今を生きているのだそう。ジブリ作品を通して語られる『“イマココ”に身体や心があるということが、何よりも精神の健やかさを生み出すのではないか』という考えは、自分にも活きている。読み終わったとき、視界が少しクリアになって心が豊かになる」

枝優花プロフィール画像
映画監督・脚本家・写真家枝優花

2017年初長編作品『少女邂逅』を監督。主演に穂志もえかとモトーラ世理奈を迎え、MOOSICLAB2017では観客賞を受賞。劇場公開し高い評価を得る。バルセロナアジア映画祭にて最優秀監督賞を受賞。2019年には、日本映画批評家大賞の新人監督賞受賞。また写真家として、様々なアーティスト写真や広告を担当している。

●JOY HIKARIさん推薦

結婚や子どもなど人生の選択肢に悩む仲間に救われる本『ママにはならないことにしました』

『ママにはならないことにしました』チェ・ジウン(著)/晶文社

『ママにはならないことにしました』チェ・ジウン(著)オ・ヨンア(訳)/晶文社 

推薦者:JOY HIKARIさん

「20代半ば、結婚や子どもについて、答えのないとてつもない悩みの渦に巻き込まれました。私って子供をそもそも好きだっけ? 今の環境や社会情勢で育てられる自信はある? 持病のことはどうする? などなど。私と同じように悩んだ17名の女性たちの17通りの考えを知れて、本当に救われました。100か0かでは語れない、身体と心と人生の選択なので、この本で答えが決められるわけではない。けれど、仲間がいると思える心強い一冊です」

食を通して身体をいたわりたくなる本『アーユルヴェーダ治療院のデトックスレシピ』

『アーユルヴェーダ治療院のデトックスレシピ』川島 一恵(著)若山 曜子(著)/KADOKAWA

『アーユルヴェーダ治療院のデトックスレシピ』川島一恵(著)若山曜子(著)/KADOKAWA

推薦者:JOY HIKARIさん

「わたしがアーユルヴェーダに興味を持った頃から憧れている、スリランカの宿泊治療施設『バーベリンリゾート』で実際に食べられている食事メニューが再現できるレシピブック。いつか行きたいな〜と妄想を膨らませながら、身体の声を聞き、整えていく食事のおもしろさを体験。この世に魔法はないけれど、魔法のような人間の知恵や身体力を信じたくなります。パラパラとページをめくっているだけでいい香りがしてくる気がしますよ」

JOY HIKARIプロフィール画像
イラストレーター・グラフィックデザイナーJOY HIKARI

大阪府出身。オイルパステルや色鉛筆、時にはiPadを用いてイラストを描く。SNSやYouTubeなどを通して日常や制作の様子を発信し、生きることと作ることの両方を織り交ぜて表現活動をしている。10月には東京で個展「近くにある光」を開催。