IGARASHI(以下G)今年の夏は本当に暑かったね〜。
YOKOMIZO(以下Y)そうこう言ってる間に、8月ももう終わり! ほんのり過ごしやすくなってきて嬉しいような、夏が終わるのがさみしいような。秋の気配がし始めると、フレグランスが恋しくなります。

G フレグランスといえば、イギリスの老舗・ペンハリガンが素敵。日本では「ルナ」が人気だけど、実は隠れた名品もたくさんある!
Y 英国貴族的な品の良さはダントツね。それでいて、個性的な香りからエッセンシャルオイルのような癒し系まで、豊富なラインアップもさすが。
G メンズもあまりマスキュリンすぎなくていいの。私、もともとスパイシー系が好きだから、ペンハリガンのメンズはよくつけてます。

Y 一番好きな香りは?
G 今の気分は「ブラステッド ヒース」。断崖に波しぶきザッパーン!みたいな、ソルティな香り。
Y これ、調香師はアルベルト・モリヤスなんだ!?
G そうなの。モリヤスさんにしては甘さ控えめ。海を思わせる香りはたくさんあるけど、これは賑やかなビーチというより、北ヨーロッパの厳しい海のようなイメージ。私、旅行が好きだけど、今はあまり行く時間もないから、旅に出たような気分を感じさせてくれる香りに惹かれるわ。今年は海にも行けなかったし〜。
Y え、行ってなかったっけ?
G あれ仕事だから! 海だけど、海じゃない!
Y 失礼しました(笑)。

G トレードルートコレクションの「ロタール」もいいな〜。
Y ウッディだけどちょっとマイルド、かつ爽やかさもあるね。
G 貿易船をイメージした香りなんですって。あぁ、船に乗ってどこかに行きたい……。
Y たしかに、広い空と海が目に浮かぶ〜。


G あと、これも不思議で好きなの、「ヴァーラ」。インドのマハラジャのサマーガーデンをイメージした香りで、エキゾチックなのに、ねっとりしてなくて、モダン。
Y オリエンタル系なら「マラバー」もいいよ。東インドへのスパイス・ルートをめぐる旅をイメージした香り。こっちの方がさらに甘めかな。
G でも、アールグレイが効いていて、どこかフレッシュ。
Y 女っぽいけど、しつこくないでしょ。クセになる甘さです。

Y「サボイ スチーム」も好きだな〜。
G これ、私の好きな、ペンハリガンの初代フレグランス「ハマン ブーケ」を現代風、かつ女性的にしたやつね。アンサーソング的な?
Y シュッと纏った瞬間はフレッシュなんだけど、だんだん甘さがたってくるの。ターキッシュバスから着想を得ているというだけあって、ローズのスチームミストバスに入ってるみたい。
G ボトルもかわいい!
Y このリボンはトルコのタオルをイメージしてるんだって。清潔感のある見た目と、香りの色っぽさのギャップがまた、いいわ。
G なんか、2本とも女らしいセレクトだね。

Y 実は、今もう1本しっくりきている香りもかなり女性的。「ザ リベンジ オブ レディ ブランシュ オードパルファム」。
G ブランシュ夫人の復讐!?
Y イギリスの上流階級のファミリーの物語を香りで表現した、ポートレートコレクションの中の1本です。社交界の中心にいるブランシュ夫人は献身的で魅力的。でも実は、浮気している夫を殺したいほど憎んでいるという設定。
G そのキャラをイメージした香りって、すごいわ。
Y パウダリックで上品なんだけど、どこかクールかつパワフルな印象。さらに色っぽさと、知性も感じさせる。
G めちゃめちゃ深いですね〜。
Y 大人にしかつけこなせないでしょ。でも、セクシーで奔放な、愛人クララの香り「クランデスティン クララ」も好きよ。

G いつも、そんな女性的な香りつけてたっけ?
Y いや、普段はスパイシー系とかハーブ系が多いんだけど。今はなんだかこういう気分。無意識に女らしさを欲してるのかな〜。
G 足りないものを補ってくれるのが、香りの力ですから!
Y えっ!? 香りに旅行気分を求める人と、女らしさを求める人。つまり、二人とも仕事ばっかりしていました、平成最後の夏。……ってことで、よろしい?
エディターIGARASHI
SPUR編集長。おしゃれスナップ、モデル連載コラム、美容専門誌などを経て現職。趣味は相撲観戦、SPURおやつ部員。
エディターYOKOMIZO
ビューティエディター。バレエとサーフィンと南国が好きです。紫外線と上手に付き合うことが永遠の課題。