マスクを卒業するときの、あの一抹の不安。ビールをたくさん味わった翌朝、どんなにむくんでいても、黒マスクを装着すればごまかせた。ぼんやりした顎のラインだって、マスクを着ければ目くらましできた。さまざまな形状悩みを隠蔽してきたマスク人生を経て、敬愛するケヴィン・オークイン先生の本を読み直し、コントゥアリングに精を出した期間もありました。
でもね、画伯ばりのシェーディングとハイライト、時間と手間がかかるんですよ。ええ、もちろん技術も追いつかない。朝に弱いダメ人間、光と影の仕込みに、生来の不器用なエネルギーを割く余裕は日ごとに縮こまり、もうどうでもいいやと諦めたころにソレと出合いました。
伝説のロスタロットと同じ成分が入ってます
マキアージュの下地です。グリーンを帯びた薄い藍色を目にしたとき、アッと思い出したんです、一世を風靡したロスタロット フェースラインエフェクターを。
曇りガラスのあのボトル、何本買い足して「完食」したか。ひし形の容器の側面からみずみずしいジェルを最後の最後まで指先で掬い取り、リンパを流しながらフェイスラインになじませたか。むくみをオフ、スッキリした印象に導く救世主として、鏡の前のスタメンを守ってきた精鋭が、生産終了になってしまって数年が過ぎました。ディスコンのニュースを聞いたときは、膝から崩れ落ちましたよね。余生、どうしたらいいのって。
資生堂の栄光の歴史は、ここにバトンタッチされていたんです。この新作下地の爽やかな薄緑のチューブを手にしたとき、旧友に再会したような興奮に震えたのですが、その理由はロスタロットと同様に脂肪分解・燃焼成分として期待できるカフェインが配合されている、と聞いたから。あの優勝成分を下地に入れてしまうというとは! その発想に、まずは拍手を送りたい。
毛穴悩みもお任せあれ
下地にあったら嬉しいな、というフォーミュラが他にもぬかりなく搭載されています。毛穴の引き締めに働きかけるグリシルグリシンもイン。毛穴を目立たせません。独自の高ツヤ油分と陰影をコントロールする特殊なパールも配合されていて、顔立ちに合わせて光を効果的に集めるというマジックのようなワザも備えています。そこで何が生まれるか。そう、光があれば影があるわけですよね。光を集結させるのと同時に、影の面積も増やしてくれる。だから、光と影のコントラストが文字通りドラマティックに演出できるんです。奥行きが生まれることで表情が引き締まり、小顔印象へとアプローチ。
また、パール入りの下地って聞くと、「あの人、テカッてる」イメージに陥る不安、ないですか? 大丈夫。資生堂自慢のうるさらセンサーパウダー/コート成分が、皮脂と水分量を適切にコントロール。テカらせず、しかもグリセリン配合なので保湿も充分、肌をカサつかせない。そう、この商品は単なる下地ではない。美容液としての機能も備えているんです。
どんな剤型のファンデーションでもOK。「追い下地」でツヤ爆誕
リキッドでも、パウダーでも、クッションでも。手持ちのどんな剤型のファンデーションにマッチングできる点にも注目してほしい。私はリキッドファンデーションのプライマーとして使用していますが、これ1本でも上品なツヤと立体感が生まれて「メリハリ仕込み」は十分。見た目はパステルの浅葱色ですが、肌の上で馴染ませるとすーっと青みがフェードアウトして、毛穴や色ムラをカバーしながら透明感とツヤだけが残ります。
Cゾーンに重ねれば、透明感あふれるツヤがトッピングできるわけですよ。これぞ「追い光」ワザ。
隠しているのにトリックを見破らせない、しかもスキンケアまでかなえてしまう。「小顔下地美容液」という新しいジャンル、脇役にさせておくにはもったいない新定番です。