ちょっとしたひと手間で、仕上がりが何倍にも、いや何十倍にも心に響いた経験、ありませんか? 例えば、料理。この季節はおでんの大根に目がないのですが、火を通すまえに隠し包丁を入れるだけで、うまみがしみしみになる。大好きな揚げ出し豆腐も、最初にキッチンペーパーで水気を丁寧に取っておくと、頬張った瞬間の「美味しい!」の音量が、段違いに変わります。
そう、仕込みって、大切。ベースメイクアップも同じです。下地はケチってはいけない、大人なら、なおのこと。ベース創りは、リレーにも例えられます。リキッドファンデーションの近年の処方技術進化は目覚ましい、だけど前走者の仕事がお粗末ならば、どんなに素晴らしいランナーでも真価は発揮できません。
なぜこんな話をするかって? 半月前に究極の美肌リレーをかなえるペアに出合ってしまったからなんです。この2週間、ずっとずーっと、このペアリング。もう別れられないかもしれません。
もともと素肌がきれい、な人になる
名前をルミナス メイクアップベースと言います。RMKの渾身の作です。ずばり、肌になじませるだけで、完璧に保湿スキンケアを施したような、ぱっと明るい端麗肌になれてしまう。押しは強くありません。ギラギラとアピールする差し出がましさもありません。小さな声で美をささやくような光沢肌。いわゆるパール増し増し・目くらまし系ではなく、微細ゴールドパールをほんの少し配合して、輝きを上品な印象の範囲内に「寸止め」させた光計算。
特筆したいのが、この下地を塗ることで肌が白く劇的に発光するわけじゃないんですよ、という点。トーンアップ、という言葉は、この下地の魅力を表現するには、ちょっと違う。YUKIさん曰く、この下地がもたらすのは「ブライトアップ」なんですね。その人自身がもつ輝きを、内側からオイデオイデと呼び戻すような感覚。ああ、こういうアプローチも時代に適っていると思うのです。褒めても褒めても、褒め足りない!
ここまで興奮気味に書いてきて今アッと気づいたのですが、この下地をなじませた直後のグロウ肌こそ、クワイエット・ラグジュアリースキンと名付けたい。饒舌でなくていい、そこに佇むだけでその人だけの美しさを物語る、心地よい余白と気配のある「素肌」が手に入るのだから。
そして、テクスチャー。必要以上に軽やかで、肌で上滑りしてしまうプライマー、出回ってますよね。理想の質感を追い求め、妥協しなかったのは、さすがのクリエイティブディレクター・YUKIさん。上質な乳液みたいにストレスなく伸び広がるのに、肌の上でお利口に留まり、ほんのりシックな光を放つんです。
白浮きしない、粉っぽさもない。その秘密は夢の「半透明」パウダー
SPFは22。普段の生活環境では問題のない値です。ただしベースアイテムのジレンマは、紫外線防御剤との闘いの歴史でもありました。UV防御剤を投入すると、シールド力と引き換えに白っぽく、かつ過剰にパウダリーな質感も引き受けなくてはならない。みずみずしい仕上がりを追求するために、泣く泣く紫外線防御剤機能を諦めるケースだって、他ブランドではありました。
そんなトレードオフに負けず、立ち上がったのがRMK。オイルのコンビネーションを研究し、2種類のオイルの均衡を見出すことで美ツヤにリーチ。白浮き対策には、パールの配合をギリギリまで攻めました。
もうひとつの本作の主役が、「ミミックヌードスキンパウダー」。アミノ酸系でコーティングされた半透明の板状パウダーが、美素肌に「なりすます」。 半透明と聞いて、心の底から納得。だって、SPF22なのに、しっかりアラやくすみは飛ばすのに、ホント? と詰問するほどの透明感がそこに爆誕してしまうから。
YUKIさんが就任してから、初めて監修したプライマーです。フォーミュラ設計は土台からこしらえました。既存のリクイドファンデーション フローレスカバレッジとの相性にも、とことんこだわりました。粉感知らずだけれどカバー力も充分、素肌のようなツヤをかなえる水系成分たっぷりのリクイドファンデーションが、このたび最高のパートナーを得てますます実力を発揮できるチャンスが到来しました。
ひとつ残念な点があるとすれば。ルミナス メイクアップベースの発売は、来年の3月なんですよ! 年齢問わず、乳液感覚でブライトアップツールとして大活躍するこのプライマー、クリスマスギフトにも最適だわとニヤニヤしていたので、それだけが私の不満です。
2023年下期のベストコスメ特集を進行中だというのに、2024年上期のベスコス王手が颯爽と現れて、ちょっと困っています。素肌に自信をくれる最強下地、来春3月1日の発売日が待ち遠しい!