
田無市で過ごした子供時代、駅前ポポロの田無書店は特別な「止まり木」でした。雑誌の発売日には許される限りの立ち読みをして内容を吟味。小遣い事情で購入できるのは一冊だったから、それはもう真剣でした。好きだった動物ものの書籍や女性作家の小説も、図書館にまだ入っていない新刊を探すのは田無書店一択。時は流れ田無書店は姿を消し、そもそも田無市という自治体も消滅した今、現在の生活圏を見回しても消えゆくばかりの書店にため息が漏れるのです。
ページを初めてめくったときの匂い、未知へのドアが開いた瞬間の香り。懐かしい。あの高揚感はいったい、何だったのか。色褪せた中年の「もやもや」はこういうことだったのか、と教えてくれたのが、新書「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」です。
おしゃれスナップ、モデル連載コラム、美容専門誌などを経て現職。
趣味は相撲観戦、SPURおやつ部員。











