ブルガリ「オ パフメ」といえば、「お茶」という新概念を創出した香水として、あまりにも有名。もともとは一般に流通していた香水ではなく、ローマに構えるブルガリ本店に、ハイジュエリーとの邂逅を求めて来店する上顧客のためのクローズドな、特別な香りでした。評判が評判を呼び、商品化され、33年にもわたり時代の試練に華麗に打ち勝ってきた名香が、今年リニューアルして私たちの前に現れます!

【ブルガリ】透明感が命! 5月の私たちをのタイトルイメージ

【ブルガリ】透明感が命! 5月の私たちを救う涼やか香水、3選【エルメス】【メゾン キツネ】

ブルガリ「オ パフメ」といえば、「お茶」という新概念を創出した香水として、あまりにも有名。もともとは一般に流通していた香水ではなく、ローマに構えるブルガリ本店に、ハイジュエリーとの邂逅を求めて来店する上顧客のためのクローズドな、特別な香りでした。評判が評判を呼び、商品化され、33年にもわたり時代の試練に華麗に打ち勝ってきた名香が、今年リニューアルして私たちの前に現れます!

オーデコロンからオーデトワレへ。そこにあるのは、雑味のない透明感

ブルガリ オ パフメ テ ヴェール オードトワレ
ブルガリ オ パフメ テ ヴェール オードトワレ 75ml ¥21,340

香水界のレジェンド、ジャン=クロード・エレナが1992年に創り出したのが、オ・パフメ オーテヴェール オーデコロン。物語は、パリの紅茶専門店「マリアージュ フレール」で得た直感から始まりました。テ ヴェール、すなわち「緑茶」という名前を冠しながらも、茶葉成分はフォーミュラには含まれていないというギミック。その革新的かつ確信犯的なアプローチに加えて、お茶に着想源を見出したそれまでにはない視座、いわゆる「香水嫌い」派にも難なく受け入れられる透明感とで、ジャン=クロード・エレナの名前は一世を風靡。性別や嗜好、あらゆる垣根を自由に飛び越える透明感あふれる香水は、同時代の「ロー ド イッセイ」同様に、新しい時代の扉を開いたのでした。

2025年、「緑茶」の新作がかなえる進化ポイントは大きくふたつ。第一に、誕生当初のフォーミュラを出発点に、天然由来成分を94%配合したオードトワレに刷新する点。第二に、1992年当時は配合されていなかったグリーンティーエキスを新たにブレンドしたこと。オリジナル処方の主役でもあったベルガモットに、活き活きとした緑茶の若葉が新たに出合うことで快活さにより光が当たっています。ワンプッシュで脳裏に浮かんだのは、この季節ならではの、みずみずしい新緑を思わせる生命力。健やかなエネルギーがスッと注入される実感は、連休明けの心身の強い味方になってくれますよ! 

ブルガリ オ パフメ テ ヴェール オードトワレ、ブルガリ オ パフメ テ ブラン オードトワレ
新作のキャップのトップには、ひび割れ風の象嵌モチーフが施されて。東洋への憧れのかけらが、ここに投影されています。(右)ブルガリ オ パフメ テ ヴェール オードトワレ、(左)ブルガリ オ パフメ テ ブラン オードトワレ 各75ml 各¥21,340
ブルガリ オ パフメ テ ブラン オードトワレ
ブルガリ オ パフメ テ ブラン オードトワレ 75ml ¥21,340

2003年、今度はジャック・キャヴァリエが世に放ったオ・パフメ オーデブランは、中国産の白茶にインスピレーションを見出した、より静謐なオーデコロン。今回の刷新により、天然由来成分を89%配合したオードトワレとして生まれ変わりました。超臨界流体抽出法により抽出した新成分「チャイナホワイトティーエキス」のせいか、より包容力や奥行きが加わった印象。何も言わずとも、静かに隣で寄り添ってくれる親友……そんなイメージです。ピンチにこそ無言で力になってくれる、「透明なハグ」に香りがあるのなら―それはきっとブルガリの白茶の香水のかたちをしているはずです!

ブルガリ オ パフメ テ ヴェール オードトワレ、ブルガリ オ パフメ テ ブラン オードトワレ
ラベルに躍る植物のイラストは、エンボス加工の凹凸がアートな印象。「緑茶」には茶葉が、「白茶」には綿のつぼみが描かれています
ブルガリ オ パフメ
現在は、シャワージェル、ボディローションは展開中

余談。こちら、何だか分かりますか? 印刷に、Oshibori‥…。そう、こちらリフレッシングタオル=おしぼりなんですよ。かつて展開していた日本発想の便利グッズ、手もとを「緑茶」で気分一新できるとあってそれはもう、愛用していました。大切に、大切に使っていた最後のひとつを引き出しに保管していたのですが、すっかりベテランなルックスに……。商品復活を願います。

パリ経由の日本文化を匂いにしたら? この透明感もクセになる

キツネ ビアンエートル ノートドゥヒノキ オードパルファム
キツネ ビアンエートル ノートドゥヒノキ オードパルファム 100mL ¥24,200/メゾン キツネ

メゾン キツネ初のフレグランスライン「キツネ ビアンエートル」の新作も話題。日本製にこだわりつつ、ブランドの美学を香りとしてモードに昇華しました。名前は、「ノートドゥヒノキ」。ノート、つまり「ヒノキの音符」とネーミングするあたりが、音楽にルーツをもつキツネらしい!

キツネ ビアンエートル ノートドゥヒノキ オードパルファム
古めかしい薬剤瓶を感じさせるボディに、スーパーモダンなグリーンのキャップをマッチングさせた折衷主義も見事

インスピレーションの源は、パレ・ロワイヤルのオスマン建築様式、5月のバラ、白檀、神社など。西と東を縦横無尽に駆け巡りながら、ヒノキをリズミカルに、軽やかなチューンで歌わせています。こんなに都会的で未来的で、スパイシーなヒノキ、初めて。パリの中心で出合う不思議な拝殿を思わせます。 「ん? なんの香り?」と会話を生むこと間違いなしのモダンウッディ、要注目です。

エルメス初のシプレが、軽やかなヘアミストになりました

エルメス バレニア ヘアミスト
エルメス バレニア ヘアミスト 30mL ¥10,670

たった一人で、秘密裡に。エルメスの香水クリエーション・ディレクター、クリスティーヌ・ナジェルが10年のも時を費やして創り上げた「バレニア」は、メゾン初のシプレ、それも概念を打ち破る革新的なシプレとして、去年の香水界の話題を独り占めにしましたよね。特別な素材を厳選して生まれた「バレニア」はキラキラした唯一無二の魅力を放ちながら、嫌味のない、無邪気な官能性もあわせもった不思議な香りなんです。

エルメス バレニア ヘアミスト

トップにはカラブリア地方のベルガモットがイノセントに弾けます。「青春!」って、香水が語り掛けてくるんですよ。まだ青みや透明感があって、まったく白けてない。老成してない感じが、すごくいい。理由は、クリスティーヌがグリーンなベルガモットを特別に探したからなのです。シプレならではのお決まりのローズやジャスミンは、あえて未使用に。代わりに、マダガスカル産の、小さな花弁をもつジンジャーリリーを採用しました。女性用の香水で、ジンジャーリリーが使われるのはとても珍しいことなんです。そして注目すべきなのが、オークモスも使っていないこと! シプレなのに、オークモスがないなんて。代替としてクリスティーヌが選んだのが、炙ったオークウッドの皮なんです。結果、落ち着いた官能的なムードが下支えになって、シックでおしゃれな輪郭を香りに与えている。この絶妙なレシピが、このたびスモークガラスのボトルに包まれて、控え目なヘアミストになりました。

エルメス バレニア ヘアミスト

すれ違ったあとの、余韻と高揚感。初夏の風に髪が揺れるたびに、背後からふと届く唯一無二のシプレ。ドラマを予感させる、素敵な香りです。

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次の休日は7月か……と思うと途方に暮れてしまいますよね。ひそやかなパワーを運ぶ涼しげな香水と一緒なら、少し憂鬱な5月も前向きに駆け抜けられるはずです、そうきっと!

今回紹介したしたアイテムはこちら!

商品名:ブルガリ オ パフメ テ ヴェール オードトワレ

価格:¥21,340(75ml)

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価格:¥21,340(75ml)

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商品名:エルメス バレニア ヘアミスト

価格:¥10,670(30ml)

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商品名:キツネ ビアンエートル ノートドゥヒノキ オードパルファム

価格:¥24,200(100ml)

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エディターIGARASHI

おしゃれスナップ、モデル連載コラム、美容専門誌などを経て現職。
趣味は相撲観戦、SPURおやつ部員。

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