タイ料理の鬼才タムさんの店で #深夜のこっそり話 #474

編集部のある神保町は名店が多いことからカレータウンとして有名ですが、老舗があるためかタイ料理も評判が高く人気です。タイ好きが高じて学生時代のバイト先はタイ料理店を渡ってきたという、ライターAから紹介してもらった都内のタイ料理店はどれも本場の味わいで美味しいお店ばかり。そんな後押しもあって、日々タイ料理の欲求頻度が高まり、気づけば週3以上は食べているかもしれません。

 ある時、友人より鬼才のタイ料理家、タムさんという人がいると紹介され、新大久保のお店「Baan Tum(バーン タム)」へ行ってきました。タレがスパイシーで香草使いが独創的、内臓ものの扱いも得意でそれでいてタイ料理の定番品が美味しいという。そんな噂を聞いていましたが、結果、裏切ることなく大満足。そこでは料理の感動もさることながら、オドロキの連続でした。まずは店内看板に、「メニューブックに入れるのを忘れました」という堂々の宣言。続いて、「他にも忘れております…」と自信たっぷりと。味わう前に先制パンチをうけました。書き忘れられた中の大好物、ヤム・マクワ・パオ(ナスのサラダ)などを楽しんでいると、向いの離れた席から「萬波さんの顔になりたい」「どうしたら、萬波さんになれる?」などと、何度も「萬波さん」という名前が漏れ聞こえてきます。その真剣ぶりにどんな人が叫んでいるのか見てみたい、という欲望から、ちら見を試みてみました。なんと同じビルの通販セクションの同僚で、オドロキました。その日はこちらにも思いが飛び火して、「萬波さんになるには何をしたらよいか」というトークを展開。かわいいの天才と忘れん坊料理人に魅せられ、どうにもこうにも結論が出ない話を続けたグダグダの夜でした。身近でなくても憧れたり、目指す人がいるって、悩んで考えて凹んだりして、それでもいい感じに幸せになれますね。(エディターT)

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