思春期にベルばらこと「ベルサイユのばら」に影響を受けた自分にとって、マリー・アントワネットの故郷であるオーストリア、そしてウィーンは特別な場所。「シェーンブルン宮殿」をこの目で拝みたくて、初めて訪れたウィーン。そのとき目にしたクラシックな街並は今でも感動とともに記憶に残ります。最近、その憧れのウィーンと香りを通して再会することができました! 表参道のドワネルで出合った、ウィーン発ユニセックスフレグランスブランド「WienerBlut(ウィーナーブルート)」です。
19世紀末のウィーン(オーストリア=ハンガリー帝国)の街と当時の文化をインスピレーション源とするこちらの香水。女性と男性、両方の側面もたせたという構築的なボトルのフォルムがクラシックな香りとあいまってとってもおしゃれ。パリのコレット、ロンドンのリバティやトランク、ウィーンのロブマイヤーの本店などで取り扱われているのもうなずけます。
4種のラインナップのなかで個人的にお気に入りなのが、写真3枚目の「EX VOTO(エクス ヴォート)」。これ、“お城の香り”がするのです。目を瞑ってかぐと、瞼の裏に大理石の間、高い天井、豪華絢爛な装飾などが蘇り、宮殿を感じることができます。聞けば、3種類のフランキンセンス(乳香)、カモミールとナツメグという未精製の原料を使用することで、燃えた蝋燭の芯や大理石の床の上を流れる煙など“石の大聖堂”を表現したのだとか。ミドルノートになる頃には、19世紀のヨーロッパへとタイムトラベルしていました。
“雨上がりのロンドンの庭園”をイメージしたバーバリーのフレグランス「マイ・バーバリー」を纏ったとき、「あ、ここはロンドン!」と感じたように、街や文化、時代や芸術など無形なもにも香りが宿るのですね。となれば香りは纏うだけでなく、なりたい自分やファッションのテーマに合わせて、舞台選びとして活用すると楽しいかも。
折りしも装飾主義がウェルカムムードな今季、年末年始の舞踏会、いや、パーティーではこの香水の力を借りて19世紀の貴婦人を気取ってみたいと思います。(エディターR)
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