2017.01.24

「良き妻」って? #深夜のこっそり話 #564

以前からハマっていた海外ドラマシリーズ『グッド・ワイフ』の最終シーズンが、アマゾンプライムで公開されているのを発見。観始めたら最後、毎夜「もう1話だけ!」という欲望との戦いの連続。そしてついに昨夜、最終話を見終わりました。

タイトルにある通り、ドラマの主人公は良き妻。州検事の夫が逮捕されたことを受け、専業主婦だった妻が弁護士に復帰。さまざまな訴訟に挑み、弁護士事務所の人間関係に悩まされながら、新しい人生を切り開いていく様が絶妙にリアル。訴訟に勝つための巧妙な切り口も新鮮で、ドラマが始まった当時は久々に面白い作品に出会えた!と感動したものでした。

この作品を観ていて度々考えたのが、「良き妻」って、なんだろう?ということ(もちろんその問いかけが、シリーズのコンセプトなのですが)。かつては家庭に入り、子育てに専念し、夫と子どもたちを見守る優しい母親がその象徴であった時代がありましたが、仕事を続け、子どもを持たない夫婦が増えた今、良き妻を一言で語るのは不可能。男性に比べて、時代の流れとともに圧倒的な変化を遂げてきた女性の遍歴、そして自分がどのような女性になりたいか…。ドラマのおかげで、改めて考え直すいい機会に。

そんな私の心に響いたのが、先週末開催された「ウーマンズ・マーチ」。トランプ大統領の就任への抗議を意図して開催された大規模デモには、世界中で100万人以上が参加。多くのセレブたちもマーチに参列し、女性の権利や安全、経済的安定を訴えました。なかでも目を引かれたのが、エミリー・ラタコウスキーが掲げるプラカードに書かれた言葉。リベラル・フェミニストでライターとして活躍するナオミ・ウルフによる名言の引用で、「敵は口紅ではなく、罪悪感そのもの。我々は自由に口紅を使い、言いたいことを言い、性的になることも、真面目になることも、自分たちが望むことをする権利がある」というもの(一部意訳)

多様性を持った現代を「女性にとって生き辛い時代」、という意見もありますが、選択肢はいつだって多い方が楽しい、というのが個人的に出た結論。マーチに参加する女性たちの凛とした表情に、パワーをもらった夜でした。(ライターA)