ときめきの最前線、くらもちふさこ先生#深夜のこっそり話 #663

GWの連休後半は4月末に発売された『くらもちふさこ デビュー45周年記念 ときめきの最前線』をゆっくりと読むのを楽しみにしていました。理由は2つあって、ひとつはデビュー45周年という壮大な年月を最前線で描き続けている先生の作品や背景をたどれること。1972年デビューという数字に本当に驚きました。45年!錚々たる漫画家さんやアーティスト、編集者のコメントや、先生へのインタビューなど、くらもち先生と作品への愛溢れる特別な特集となっているのです。

 もうひとつはときめきの最前線というタイトルにもなっている、ときめき。『いつもポケットにショパン』を初めて読んだ日からン十年たった今、当時と同じようにときめくことができるのか。ときめきく心が錆びているのではないかという不安。その一方で大丈夫という期待もあり…。そう、ときめくって、どんな感じだったっけ?というご無沙汰感を払拭したかったのです。コレクションやジュエリーなど物や食、アートや旅へのときめきではなく、人間関係のときめき。

 『天コケ』こと『天然コケッコー』にものめり込みました。自然豊かな中での学生生活、田舎ののどかな暮らしへの憧れもあり、登場人物にどんどん惹かれていきました。この本では台詞なしの回のことも触れてあって、ときめきが次々にフラッシュバック。ときめきとは、期待や喜びで胸躍る状態のこと。くらもち先生の場合は胸キュンラブストーリーとはまたちょっと違う、人間関係の特別な反応が感じられる世界。名シーン&台詞も、沁みます。くらもち作品のファンの方も初めての方も、この特別編集本で胸もとがざわざわする、人間関係のときめきを感じてみてください。今夜のベッドサイドストーリーは手塚治虫文化賞マンガ大賞受賞作品『花に染む』に決まり。くらもち先生、おめでとうございます。更新続けるときめきをありがとうございます。追いかけ続けます。(エディターT

エディターRのベッドサイドストーリーは?>

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