友人との電話中、ふと、先月から付き合い始めたという彼との状況を尋ねてみたときのこと。なんと、「じつは、音信不通で…」という回答が。「まあ、順調かな?」なんてラブラブアピールに悪態をつく気まんまんだったこちらは、まさかの回答にドギマギ。いつから連絡が途絶えているのか、メッセージの既読はついているのか、など、パニック状態で質問攻め。いろいろ話を聞いていくと、最後に会ったときに「具合が悪い」と言っていたとか。
そして私たちの妄想はどんどんエスカレート。部屋で倒れているのではないか、孤独死していたらどうしよう、家族への連絡は…。とりあえず今日いっぱい鬼電してみて、出なかった場合は家へ行くべし!と電話を終わらせたところ、その2時間後には「忙しくて、返信忘れてたみたい」と、無事、連絡を取れたという報告が。
ほっとすると同時に、ふと気づいたこと。連絡が途絶えた、と聞いて相手の気持ちよりも先に、安否の心配をしていたのです。若い頃は「何か気に触ることを言ったのでは」「浮気しているのでは」という感情面にフォーカスしていたはずが、いつの間にやら、体調のことを気にするようになっている。これぞまさに、精神の老い。仕事柄、若い世代と接することも多く、まだまだ若いつもりだったものの、カラダとともにしっかりと歳を重ねていたよう。なんだかホッとしたような、悲しいような…。
若い時は音信不通からの自然消滅、なんていう恋愛パターン、よくありましたよね。歳をとるにつれ自然消滅が減るのは、責任感を持つようになるからだとばかり思っていましたが、そこにはもっと重いテーマが隠れていたよう。いくつになっても恋愛に学ぶことはまだまだ多いなあ、と認識すると同時に、孤独死対策について真剣に考える今宵です。(ライターA)