「毎日を楽しく、ハッピーな気持ちで暮らしたい」と頭ではわかっていても、なかなか実際にはうまくいかないもの。体調がすぐれなかったり、仕事が立て込んでいたり、自分の力ではどうにもならない不可抗力に押し流されて思わぬ方向に事態が向かっていたり。それでもずっと思い続けていれば、きっと大丈夫!そう思わせてくれるエッセイに出会いました。
『東京銀座六丁目 僕と母さんの餃子狂詩曲』(かずこ著)がそれです。著者のかずこさんは、銀座で会員制バーのママさんを務める男性。小さなころから女の子と遊ぶのがごく自然だった少年は、成長するにつれ学校でおかまと呼ばれたり、目を覆いたくなるいじめにも遭遇します。そんな中、若かりしころの“かずこ少年”が逆境を生きる力に変えられたのは、決して裕福ではないけれど、どんなことにも前向きなお母さんの存在があったから。ただ、お母さんとずっと仲がよかったというわけではなく、進路のことで衝突もし、自身が“おかまである”ことを打ち明けられないまま時間は過ぎていきます。そして、お母さんの体に病が発覚し……
生きていれば「ああもう!」と言いたくなることもあるけれど、そうやって時には声に出せば、周りの人が手を差し伸べてくれたり、思わぬ道が開けたり。一回きりの人生、自分が楽しいと思わなきゃ誰が思うの?とパワーをもらえる一冊です。そして読後には、タイトルにもあるとおり、(もともと好物でもあるのですが)確実に餃子が食べたくなります。夜中にありえない失態ではありますが、今の自分にはこれが一番ハッピーなの!と言い聞かせ、禁断のメニューに手を染めるのです。(エディターMT)
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