先週夏休みで訪れていた、ベトナムでの体験について。1週間もの滞在中に知り合った現地の方たちから、ほぼ100%の確率で聞かれた質問がありました。それは、「結婚してる?」。それは、ホテルのスタッフから、タクシーの運転手、レストランの店員、土産屋の店員、ボートの操縦士、スパのスタッフまで。「どこから来たの?」「何歳?」という定例文のあと、みな呪文のようにこのフレーズを発したのです。
今回は、大学時代からの女友達とのふたり旅。“アラサー女ふたりの旅という文化がベトナムにはないのか?”と思っていましたが、個人行動しているときも同じ現象が起きたので、どうやら違うもよう。そんななか、仲良くなった洋服店の女性が「私のお兄ちゃん、2個上なのに結婚もしていないし、子どももいないのよ! もう心配で、心配で…」とぼやいていたので、お兄ちゃんの年齢を尋ねてみたところ、なんと私と同い年ということが発覚。「私も同い年だけど、結婚していないし、子どももいないよ」と言うと、真顔で「どうして?」と返され、回答に困窮。そういえば、なんで結婚しないか、なんて考えたことなかったかも。
「結婚してる?」「どうして結婚しないの?」どちらも、結婚をすることが大前提の社会ならではの問いなのかも。それを証明するかのように、今回出会った20代後半〜30代の現地の方はウワサのお兄ちゃん以外、全員結婚し、さらに子持ちという事実。確かにそんな環境にいたら、結婚しないという選択はありえないのかも。日本でも「結婚したい」と囁くアラサー女性は数多くいますが、それはあくまでも選択肢のひとつであるような気がしていました。でも結婚しない理由を考えているうちに、はて私が結婚していないのはそれを選択しているからなのか? いや、“結婚しない”のではなくて“できない”のではないか?という恐ろしい事実が明らかに…。美しいベトナムの街にすっかり魅せられ、次はいつ行こうかと目論む今宵。次の旅では「結婚できない」ベトナム人の“同志”との出会いがあることを祈って…。(ライターA)