2018.05.10

5月初めの月曜日 #深夜のこっそり話 #994

毎年5月第1週の月曜に開催される、ファッション界のオスカーこと「メット・ガラ」。もはや説明不要のファッションの祭典ですが、意外とその全容は知られていないのではないでしょうか。

「メット・ガラ」の歴史は古く、初年度のレッドカーペットは1948年に開催されているようです。イベントの目的は、毎年趣向を変えて開催される展覧会のオープニング記念、そしてその会場であるNYのメトロポリタン美術館に併設されたファッションインスティテュート、すなわちファッションにまつわる研究機関へのファンドレイジング。ファッションのチャリティイベントとはいえ、その規模はすさまじく、昨年度には1200万ドル、日本円にして約13億円もの募金が集まりました。

最近ではもっぱら、セレブリティたちの仮装パーティー、もといレッドカーペットファッションの頂上対決の場となっていますが、ファッションという文化を未来へと継承するという意味では十二分に理にかなっています。

本年度の展覧会のテーマは「Heavenly Bodies:Fashion and the Catholic Imagination(天国のボディ:ファッションとカトリックのイマジネーション)」。カトリックというテーマを扱うにあたり、バチカン市国のシスティーナ礼拝堂に収蔵されている祭服が、歴史上初めて海外で展示されるとのこと。気合い入ってますね。

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展覧会のテーマは、そのまま「メット・ガラ」のドレスコードになります。つまり、今年のドレスコードはカトリック。宗教という難しいテーマに、セレブリティスタイリストたちも頭を抱えたことでしょう。その甲斐あってか、ここ数年の「メット・ガラ」と比べても、ひときわ奇抜な衣装に身を包んだセレブリティたちがレッドカーペットに集いました。

個人的に特に印象に残っているのは、ブラックセレブリティたちのドレスアップ。名実ともに「メット・ガラ」に君臨するリアーナは、本年度ホストとして参加。そして話題作『ブラック・パンサー』で主演を務めたチャドウィック・ボーズマン、若手ディーバ界の注目株SZA、次世代のアメリカン・ドリームを体現するカーディ・Bをはじめ、ブラックアーティストたちのユニークかつパワフルなレッドカーペットでの出で立ちは、まさに今のファッション業界が求めている多様性、大胆さ、そしてクリエイティビティを象徴しているように見えました。ということで、今夜は見目麗しきブラックビューティーの「メット・ガラ」ファッションをディグりながら眠りにつきたいと思います。(エディターSO)

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