大本命といわれたケンドリック・ラマーを制し、ブルーノ・マーズが主要部門を独占するという大波乱の結果が世間を賑わせた第60回グラミー賞から一夜。豪華メンバーが君臨したレッドカーペットも例年に引けを取らない見応え抜群でしたが、ここに登場しなかったのがビヨンセ。その理由は明らかになっていないものの、のちに自身のインスタグラムで公開したドレスアップ姿に目を奪われました。黒のベルベットドレスで堂々と立つ彼女の、圧倒的な存在感。全身からみなぎるオーラは、まさにトップスター、いや、女神と言っても過言ではないほど。ビヨンセのデビュー当時から彼女の活躍を追っている私としては、まるで別人を見ているような気分でした。
あくまで個人的な意見ですが、モデルのようなスタイルでもなく、デビュー時は“ちゃきちゃき娘”というイメージが強かったビヨンセ。そんな彼女がここまで進化した理由とは? ハードなワークアウトなどの努力を行っているのはもちろんですが、その大部分は、音楽界の女帝へと上り詰めたことによる“自信”なのではないかと思うのです。
ビヨンセに限らず、特段美人やイケメンというわけではないのに魅力的な人、いますよね? 反対に、顔立ちは美しいのに、どこか魅力を感じない人もいる。私が出会った魅力的な人の多くに共通しているのが、確固たる自信を持っているという点だったのです。
ヒット曲『Most Girls』で“自分の体を変えたいなら、変えてもいい。だって女性は「自分は最高」だと思えたときに一番、輝けるから”というメッセージを発信したヘイリー・スタインフェルドや、娘に“私たちは変わらない。ありのままの姿が美しい”という言葉を贈るピンクなど、自信のあり方は十人十色。だからこそドレスやメイクでは表現できない、独自の美しさが生まれるのではないでしょうか。グラミー賞にも色濃く影響した「タイムズ・アップ」運動を考えながら、自分はどんな女性へと成長したいのか、想いを巡らせる夜です。(ライターA)