「出身は京都です」と言うと「いいですねぇ、京都には美味しいお店がたくさんあるでしょう?」と聞かれることが多いのですが、残念ながらここ最近の京都事情はほとんどわかりません。気づけば東京暮らしもずいぶん長くなってきたし、その間に新しいお店が続々とオープンしていてすっかり浦島太郎状態。逆に他府県出身の方に教えてもらうことも多く、京都に帰ってくるたび観光客気分で人気店に足を運んでおります。今回の帰省でも例のごとく話題のお店に行ってきました。
実家から徒歩圏内にありながら、これまでまったくその存在を知らなかった、和菓子の朧八瑞雲堂(おぼろやずいうんどう)。子どもを寝かしつけて夜な夜なテレビを見ていた時に偶然紹介されていたのですが、めちゃめちゃ見覚えのある街並みでビックリ! せめて近所ぐらいはおさえているつもりだったのに。くぅ〜っ、灯台下暗し……。半ば焦って調べてみたら、創業2009年と京都の和菓子屋さんにしては新しいお店でした。
数々のメディアでとりあげられるほど大人気なのが、名物の生銅鑼焼(なまどらやき)です。ここでもう一度上の写真を見てください。これぞクリームの漫画盛り! 泣く子も黙るインパクトですね。見た目だけじゃなく胃にもパンチがありそうですが、これが全然ヘビーじゃないんですわ。分厚いクリームには寒天が使われていて、脂肪分も甘さもぐっと控えめ。ひんやりムースのような舌触りでとても優しいんです。私はこれを食べながら、そういえば見た目は肉食だけど中身は草食系男子のことをアスパラベーコン男子っていうんだっけ……とぼんやり思い出しました。
ちなみに私が食べたのは黒ごま味。なめらかな甘さと香ばしさが口内に広がり、中に隠されたあんこがキリリとアクセントをきかせてくれて、最後の一口まで飽きがこない。そして予想より遥かに食べやすい! いい意味での裏切りに胃袋が膨らんだのか、いともサラリと完食しました。「絶対一人じゃ食べきれな〜い」と弱ぶっていた自分が恥ずかしい……。
絶品の生銅羅焼は1個340円と少々お高め。黒ごまのほかに小倉や抹茶、苺と種類が豊富です。ひと通り買ってみたくなりますが、人気商品ゆえ購入個数は1人3個まででした(時間帯によっては1人1個の場合も)。中でも一番人気の抹茶は、朝9時の開店から1時間足らずで完売することもあるようです。事実、私もその日は張り切ったつもりで11時前にお店に行ったのですが、すでに抹茶と苺が売り切れていました。どうしても抹茶が食べたいなら、オープン時刻に合わせて行くべきです。お取り寄せも予約もできない、現地でしか味わえない逸品。近くには金閣寺や大徳寺など寺社仏閣がひしめくエリアでもあるので、散策ついでにぜひ立ち寄ってみてください! byしがない(元)地元民
生粋の丸顔。あだ名は餅。長いイヤリングと丈の長いスカートが好き。長いものに巻かれるタイプなのかもしれません。