うだるような暑さが続く東京。羽田空港に着いた瞬間、湿度の高い熱気に迎えられ、そのまま出発ゲートへUターンしたくなりました。
私ごとですが、1ヶ月半ほどヨーロッパ周辺を旅行してきました。ファッションウィーク取材のパリを皮切りに、姉の住むスウェーデンのマルメ、コペンハーゲン、アテネ、スペインのマヨルカ島…そして何と言っても印象的だったのが、ジョージアです。
先月(2019年8月号)の『SPUR』でも、特集で大々的に取り上げられたジョージア。すでに感度の高い人たちの間ではその名前が定着しているかと思うので、「アメリカの州ではなく…」といったお決まりの枕詞は省略します。ちなみにこの特集、本当に完成度が高くて、現地の人に見せても「こんなマニアックな特集見たことない…」と驚かれるほど。永久保存版なので『SPUR.JP』内記事をタブで保存しておくのがオススメです。
今回ジョージアでの滞在期間は1週間。首都、トビリシを拠点に古都ムツヘタも訪れました。自称ジョージア親善大使のジャーナリスト、マスイユウさんには敵いませんが、現地で見たひと、もの、ことをギャラリーにまとめました。
中でも印象深かったのは、2日目に仲良くなった現地の若者たちとのナイトドライブ、そして最終日に連れて行ってもらったクラ川沿いの水上バー、ティビ。人気レストラン、ブラック・ライオンで食べた伝統料理 “ハルチョー”…そして、初日の夜に出会ったあるカップルも忘れられません。
今年の6月に、約1万人が参加し話題を呼んだデモの渦中、ジョージア議会の前で佇む2人と話をしていたときのこと。ひとしきり政治思想を熱弁したのち、ふとこう言うのです。「ジョージアは新しい国。無限の可能性がある」。考えても見れば当然のこと。1991年のソ連崩壊、そして翌年の国連加盟からわずか30年弱。意気揚々と将来のことを語る彼らを見て、急に目の前のピントが合ったような感情に陥りました。何故ファッション業界の人がジョージアに惹かれるのか。その答えは、この国が持つ若さとエネルギー、もとい “青春感” に共感し、憧れ、期待を抱くからでしょう。
インフラ面や現地の生活レベルなど、これからさらに発展する余地は見られます。舗装されていない道も多く、市街地でも高低差が激しいのでハイヒールは厳禁。トビリシでも、少し中心地から外れると英語が通じません(ムツヘタ行きのバスチケットを買うのにどれだけ骨を折ったか…)。しかし、それらを補ってなお余りある魅力がジョージアにはあります。今回はコペンハーゲンからイスタンブール経由で飛びましたが、調べてみるとパリ、ロンドン、アムステルダム、ベルリンなどからは直行便も出ているようです。ヨーロッパ出張が多い人は、是非有給を使ってでも足を伸ばしてみて下さい。