ブレない大人のスリーステップ、あとちょっとだけ裏技

全日本人が涙する時期がやってきました。花粉症、辛いですね。今年はついに鼻炎のレーザー治療にも踏み切ったのですが、相変わらず目は痒いわ、肌荒れはするわ。さて、季節感満載のイントロから、お待ちかねのメンズビューティのお話をしましょう。

これまでこのコラムでは、定点観測的にメンズビューティのトピックをご紹介してきました。赤いリップを愛用する男子。シャネルによる待望のメンズ向けファンデーション。メンズコスメ界に突如彗星の如く現れた新ブランド、ファイブイズム。そして今回、待望のトム フォード ビューティによるメンズ向けグルーミング シリーズが日本に上陸しました。

実は2013年からアメリカで発表されていたシリーズ。当時からずっと気になっていたのですが、残念ながら日本ではこれまで未発売。恐らく日本のマーケットでは当時まだグルーミングという概念が根付いていなかったのでしょう。6年越し、悲願のデビューとなりました。

気になるラインナップは、スキンケアをメインにした全7アイテム。要となるのは、洗顔、シェービング、保湿という、シンプルこの上ないスリーステップ。何かしらの美容効果に特化しているというより、とにかく全体のバランスが良く、顔全体のスキンテクスチャを均一に、ピシッと精悍に整えてくれる印象。個性的な香りのフレグランスで人気のブランドだけに香りも秀逸で、所謂メンズ向けのスキンケアにありがちなメンソールの香りとは一線を画す、柔らかなグリーンノートがほのかに鼻を抜けます。

クレンザー、シェービングフォーム、モイスチャライザーのスリーステップに加え、クレイパックやコンシーラーをはじめ12アイテムが展開。いずれもトム フォード ビューティのコスメと同じく、アール・デコを彷彿とさせる直線的なデザインとメタリックのアクセントが効いたパッケージで統一されています。

昨今のメンズコスメといえば、ファンデーションは当然のこと、アイブローペンシルやネイルポリッシュ、はたまたアイメイクに至るまで実に豊富なビューティープロダクトが登場し、もっぱらミレニアル世代、もといジェネレーションZに向けたジェンダーレスな提案が注目されてきました。そんな中、トム フォード ビューティから連想されるのは、ストイック、都会的、セクシー、知的といったキーワード。要するに、トム フォードのファッションキャンペーンに出てくるモデルや、トム・フォード氏自身が監督する映画に出てくる主役の俳優と寸分違わぬ人物像が鮮明に浮かび上がってくるのです。

足るを知る者は富む、とでも言いましょうか。ビューティプロダクトひとつでもこれだけ無限の選択肢がある現代において、自分が必要なものを理解し、トレンドに左右されない美学を持った大人ってめちゃくちゃカッコ良い。ブレない大人、にはまだ程遠いですが、まず手始めにグルーミングから始めてみるのもアリかもしれません。気になる人は伊勢丹メンズ館 1F=コスメティクス(トム フォード ビューティ 0570-003-770)へ。