遅ればせながら、映画『青の帰り道』を、現在、唯一上映している愛知県の刈谷日劇まで観に行ってきました。いやぁ、久しぶりに劇場で嗚咽してしまった。ハンカチ必須でした。
この作品は群馬県・前橋の高校の同級生男女7人の卒業後10年を描いた青春群像劇です。青春と言っても、キラキラしているのは冒頭の高校時代だけ。ストーリーは彼らが社会に出て理想と現実のギャップに苦しみ、夢破れ、どん底の毎日の中でもがきながら再生していく、というしんどい内容です。
正直、観ながら「しまった! 苦手なタイプの映画だった…」と心の中で呟きました。青春の終わりを切り取った物語は大好物なのですが、中でもダントツで好きなのはウィノナ・ライダーが圧倒的におしゃれで可愛い『リアリティ・バイツ』です。そんな嗜好の私には、前橋出身の若者たちに憚る苦悩や葛藤や絶望、息苦しい閉塞感は、あまりに泥臭くヘビー過ぎた……。もー、ホントしんどい。
そんなわけで苦手感は拭えなかったのですが、敢えてここでご紹介する理由は、そうは言っても泣き疲れるほど心に響くものがあったから。刺さる人にはめちゃめちゃ刺さると思うんです。出演者の不祥事により、一度はお蔵入りしかけたこの作品ですが、スタッフ・キャスト陣の「なんとか、世に出したい! 届けたい!」という熱量も、ものすごく伝わってきました。役者はみなさん存在感があって素晴らしく、特に清水くるみさんが良かったな。
私は7人の誰にも共感できなかったけど、希望の光が見える終わり方には救われたし、彼らを明るい方へ連れて行けるような大人になりたいなぁ、などとしみじみ思いながら、レトロな映画館を後にしたのでした。
すいません。結局、苦手なのか、推しているのか、どっちなのよ?という感じですが、両方です。新幹線で行った甲斐はありました。ちなみに刈谷日劇では5月9日まで延長上映が決まっています。劇場の公式ツイッターには、
「GW期間中を横浜流星くん人気にあやからせていただきます、よろしくお願いします…」
とあります(笑)。横浜くんは仲間思いの熱いヤンキー・リョウ役を熱演されています。同じ不良でも、『はじこい』で演じた無敵ピンクのユリユリとは全くの別人でした。さすが! そして美しい。他の映画館もあやかってくれればいいのにね。
流星沼にハマっている人も、そうでない人も、人生の壁にぶち当たっている人も、とっくの昔に乗り越えた人も。ゴールデン・ウィークに予定のない方は、刈谷日劇まで足を運ばれてみてはいかがでしょうか。
追記:5月に渋谷で再上映されると噂があったのですが、映画館に問い合わせたところ、決定はしていないそうです(4月24日現在)。再上映してくれたら、苦手と言いつつまた観に行くのに〜。
追記2(4月27日):5月11日(土)~24日(金)アップリンク渋谷 で『青の帰り道』再上映決定しました。 レイトショーですって。仕事の後に行ける、わーい。
ビューティ担当。バレエとサーフィンと南国が好きです。紫外線と上手に付き合うことが永遠の課題。メイクでひとの表情が、ぱっ!と明るく、笑顔になる瞬間が大好物です。