2019.07.30

ガールズスケーターへの道 #深夜のこっそり話 #1128

運動会の徒競走はいつもビリ。通学中の自転車の漕ぎ方が変、と近所のおばさんたちに笑われた中学時代。もちろん部活なんて入っていません。それは大人になっても変わらず。身体を動かすことに対してセンス0の私が、なぜか目指そうと思ってしまいました。

ガールズスケーターを。

きっかけは、先日観た映画『スケート・キッチン』。MIU MIUがはじめたショートフィルムプロジェクト『MIU MIU WOMEN’S TALES』のなかで、クリスタル・モーゼルが発表した短編『That One Day』をもとにつくられた映画です。ニューヨークを舞台に、内気な17歳のカミーユとスケートシーンに生きるガールズの友情と絆を描いた青春ムービー。この映画には、実在するガールズボーディングチームであるスケート・キッチンのメンバーが出演しています。儚くて、脆くて、思春期特有の危うさがあって……。なのに、パワフルでハッピー。青春が詰まったこのキラキラ映画にもう、私の心は一瞬で奪われてしまいました。と同時に、私だってガールズスケーターになりたい! と、本当に思ってしまったんです。 

その日の夜、ネットで水色のPennyを買いました。なぜPennyかというと、昔、憧れていた先輩が休日は駒沢公園でPennyを乗り回しているという話を思い出したから。いきなり本格的なスケボーは無理かもしれないけれど、ミニクルーザーならいけるかも、という変な自信もありました。

翌日には私のもとへやってきたPennyを近くの公園に持っていき、いざ試乗。けれど、思ったよりも小さくてグラグラする板の上に両足を乗せることすらできませんでした。とことん運動音痴な自分に、本当に、絶望しました。実は、映画の冒頭に、カミーユが技に失敗し転んでしまい、女性の大切な部分から大量に出血してしまうシーンがあるんです。想像しただけで、か・な・り 痛い! あんなに心躍るトキメキ映画だったのに、Pennyを目の前にするとそんなシーンばかりが蘇る。自分は、絶対にそうはなるまいとへっぴり腰です。乗れなさすぎて、周りの目線も気になるし、恥ずかしい。その日は30分で無念の帰宅となりました。今は深夜、家の前限定でこっそりと練習しています。

2020年のオリンピック正式競技種目にもなっているスケートボード。1年後にはもしかしたら私もスケーターになれているかも。ガールズスケーターを夢見て、今は誰にも見られないように自主練を続けたいと思います。(エディターYONEKURA)