寝る前に無性にお腹がすくときがあります。また歯を磨き直すのは面倒だし、こんな時間に食べて太るのも嫌だし、とベッドの中で必死にこらえるのですが、空腹のときほど食べ物のことばかり考えちゃって、結果ぜんぜん寝つけない。明日の朝は何食べようかな、このコラムの次の担当回で紹介するおやつ何にしようかな、と思いを巡らせているうちに脳内フルコースが完成。いかんいかん、なんとか気持ちを落ち着かせたところで、今度は「人生最後に食べたいものって何だろう」とかぼんやり考えてしまうんです。ただ、これに関しては自慢じゃないけどブレたことが一度もありません。わたしの答えは絶対「TKG」。卵かけご飯一択なのです。
なんてったって日本のソウルフードですから、死ぬ前に食べたいと思う人は少なくないはず。世界2位の卵消費大国といわれる日本で生まれ育った者なら、おなじみの答えなのかもしれません。毎日でも食べたいからこそ、最後の晩餐もやっぱり。そんな愛すべきTKGを、さらに100倍美味しく食べられる魅惑のふりかけに出合ってしまいました。京都の老舗、下鴨茶寮から販売されている「料亭の卵かけ昆布」です。北海道産の天然の真昆布を醤油で炊き上げ、乾燥させたものが粒状になっています。熱々の白ご飯にふりかけて少し蒸らし、その上に卵黄をおとすだけ。たった3分でご馳走のできあがりです。箸で黄身をつぶしながら思いっきり頬張ると、ご飯の甘みと昆布の旨み、黄身のコクがぶわぁっと混じり合って、とてつもない口福がおとずれます。はぁ~、昨晩の空腹を我慢した甲斐があった! 最近の我が家の朝ごはんは、週3ペースでこの贅沢バージョンのTKGです。いつもなら「ごはんいらない!」とグズる息子も、これがあると集中して食べてくれるので、朝を平和に乗り切れます(笑)。
生粋の丸顔。あだ名は餅。長いイヤリングと丈の長いスカートが好き。長いものに巻かれるタイプなのかもしれません。