2020-21年秋冬ファッションウィークが先週、幕を閉じました。時節柄、考えさせられることもいろいろありましたが、素直に「あら、かわいい」と思えたコレクションのひとつがラコステ。DNAでもあるスポーツ(今回はゴルフにフォーカス)のエッセンスを、インナーや小物、色で味付けし、クリーンでモダンなルックに落とし込んでいるのがツボでした。このプレゼンテーション、クリエイティブ・ディレクターのルイーズ・トロッターの手腕もさることながら、スタイリストがいい仕事をしていると思いませんか?
そのスタイリストとは、パリを拠点に活動するスザンヌ・コラー。1990年代にパートナーとファッション&カルチャー誌『self service』を立ち上げ、現在は『M』誌のファッションディレクターとして活躍しながら、スタイリストとしてジバンシィ(2020年プレフォールのルックブックがとてもよかった!)、ヌメロヴェントゥーノ、アー・ペー・セーなどのランウェイやキャンペーンの仕事も手がけていて、前述のラコステしかり、特にクラシックなアイテムで作る“アンクラシック”なスタイルが彼女の魅力だと思っています。
スザンヌのスタイリングが大大大好きなものの、実はひとつ悩みが。手元にあるのは、昨年発売された「A.P.C.×Suzanne Koller」カプセルコレクションで一目惚れしたポンチョドレス。アー・ペー・セーは私にとって20年以上の付き合いのスタメン・ブランドでもあり、この究極にシンプルでシックなドレスはいわば、好きの二乗。なのに、袖を通してみるとどうにも難しいのです。普段、買った服はすぐにでも着たいほうなのですが、これに関してはハンガーにかけたまま(いつも視界には入る位置♡)、積読ならぬ積服状態……。
ハンサムなものが好き、という自覚はあるものの、いい歳して私はまだこのドレスを着こなせる自分なりのスタイルを見つけられていないのか? 「あなたは誰?」とスザンヌに問われているようなプレッシャーをさっきまで感じていたのですが(!)、持ち前のポジティブ・シンキングでふと、ミニマル&タイムレスなデザインだし、つまりは長〜く対話ができる服なのではないかと思い直し、深夜のひとりファッションショーにも俄然気合いが入りそうです。みなさんのお気に入りの服は何ですか?
この記事↑のスタイリングもスザンヌの仕事です
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モードとカルチャーの狭間で15年。音楽と鉱石とフレンチフライから逃れられません。