2020.10.08

大人の魅力は控えめなチェーンネックレスにあり? #深夜のこっそり話 #1328

以前、某・国民的漫画ネタが上の世代との世代間ギャップを生んでいる、といった人気芸人の発言にショックを受けたロスジェネ世代です。ファッションの世界にもそういうのってあるのかしら、と少し不安になりつつ、先週公開されたイチ押し映画を紹介したいと思います。

タイトルは『オン・ザ・ロック』、監督・脚本を手がけたのは我らがヒーロー、ソフィア・コッポラです。こちらの記事ではさっそく石川三千花さんが主演のビル・マーレイについて熱く語ってくださっていますが、それなら私はもうひとりの主役を演じたラシダ・ジョーンズを! 音楽界の巨匠クインシー・ジョーンズと女優のペギー・リプトンの間に生まれたラシダは(口元がママそっくり!)、現在44歳。映画やドラマで才色兼備のコメディエンヌとして活躍するのみならず、脚本家や監督としても活動しています。

本作で彼女が演じるのは、ニューヨークで夫とふたりの娘と暮らすローラ。物書きの仕事も手につかず明らかにミッドエイジ・クライシスに陥っているローラは多忙な夫の浮気を疑い、プレイボーイの実父にそそのかされ彼の尾行を開始。行動を共にする中で、父娘の関係やジェネレーションギャップが浮き彫りになっていきます。不穏なテーマながら物語は軽快に進み、「自称“退屈な妻”」とはいえ聡明でチャーミング、前を向いていようとする彼女の姿に共感を覚える人は多いはず。ソフィア作品だからなのか、劇中での着こなしも洗練されていて、ふさぎがちなローラの装いはカジュアルだけどどこかシック。特にトレードマーク(?)のシンプルなゴールドチェーンネックレスは、太過ぎないのに絶妙な存在感があり、くたびれたニット(演出だと思いますが)も華やかに。時には落ち込むことがあってもアクセサリーに手を伸ばす余裕は欲しい、と痛感しました(笑)。

ちなみに、ラシダつながりでイッキ観したNetflixのファミリー・シットコム『#blackAF』もかなり面白い! 気軽には笑えないジョークや風刺もたくさん出てくるものの、人種や文化を超えて楽しめるドラマです。主演にして仕掛け人の脚本家ケニア・バリスの妻を演じるラシダの姿は『オン・ザ・ロック』とも重なるところがありつつ、こちらはもう少しアッパーな役柄。ちなみにこのドラマでは華やかな衣装が多いものの、似たようなチェーンネックレスを着用しているのも見逃せません!

どうにか彼女にあやかりたい私は、しっくりくる長さ、太さのネックレスを夜な夜なリサーチ中です。

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エディターMATSUE

モードとカルチャーの狭間で15年。音楽と鉱石とフレンチフライから逃れられません。

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