2021.07.29

諦めずに向き合うタフな心が、私には必要かもしれない #深夜のこっそり話 #1433

引っ越してからというもの、生活水準が爆上がりしています。(かなり手狭だったので)家の中が広くなっただけでこんなにも心が開放的になるのか!と驚きを隠せずにいる日々。不思議と「本を読みたい!」という意欲が舞い戻ってきて(気持ちに余裕が生まれたからでしょうか……)、忙しさにかまけて本棚の肥やしになっていた本たちにようやく手を伸ばしました。

「それ!それ!!」と共感する箇所も多く、誰かと共有したくなるような内容ばかり。パートナーと一緒に読むのもいいかもしれません。
「それ!それ!!」と共感する箇所も多く、誰かと共有したくなるような内容ばかり。パートナーと一緒に読むのもいいかもしれません。¥1,650

目次ひとつひとつを見ても考えさせられる言葉が多く、あっという間に読み終えてしまったのがこちら『フェミニストってわけじゃないけど、どこか感じる違和感について』(ダイヤモンド社/著者パク・ウンジ氏、訳吉原育子氏)。本書には「ああ、こういった違和感の正体もフェミニズムの問題点なのか」と新たな気づきが多く潜んでいます。著者のウンジ氏は27歳で結婚し、結婚6年目の夫と愛猫3匹、愛犬1匹と暮らすフリーライター。韓国のブログサービス“brunch”(審査に通った書き手のみが投稿可能)に投稿した「猫」「女性の生き方」についてのコラムが人気を博したことで、本格的な執筆活動に至ったそう。本書では妻、嫁、女という与えられた枠組みのなかで生きることへのさまざまな違和感の正体について綴っています。

「男の子なんだから泣かない」「女の子なんだからおしとやかに」といった従来よく耳にする些細な言葉も、誰かの心を苦しめる原因になり得る。言葉の呪縛は自分で思っている以上に怖いものだと改めて感じざるを得ません。男性が家長である必要もなく、女性が家事をしなくてはいけない理由もなく、一人で生きるのも、誰かと共に生きるのも、すべて自分がどうしたいのか。原点はそこだったと、さまざまな場面で感じる違和感に向き合わず、そっと蓋を閉じている自分がいることに気付かされた気がします。

ダミイダミイ
Netflixオリジナルシリーズ『賢い医師生活』。待ちに待ったシーズン2。すでに観終わったあとのロス状態を危惧しています。photo : Instagram(@mido_ring)

いまNetflixでシーズン2が配信されているドラマ『賢い医師生活』に本書の内容がフラッシュバックする箇所がありまして。医師のひとりジュンワンが、「患者の前で涙を見せるのは医者の恥だ」との教えに違和感を覚えたと後輩に話しているシーン。研修医としてはじめて患者の死と向き合い、涙を流したことを謝る後輩に対して「医者だって人間だろ。我慢する必要はない」と淡々と発した言葉に、変化を望むジュンワンの意思が垣間見えて泣ける。

さらに「自分のことは自分で面倒を見る」。本書のこのフレーズでふと思い浮かんだのが、ドラマ『九尾の狐とキケンな同居』。確か1話か2話だったと思うんですが、主人公の母が作った家訓「人生はセルフ」と書かれている文字にフォーカスするシーンがあって、妙に納得したんですよね。助け合いはもちろん必要だけれど、それは根本的に自分のことは自分でという軸の元に成り立っていることなのかなと。「“家事は半々”が難しい」とも書かれていましたが、それにもうんうんと首がもげるくらいの勢いで頷いてしまいました。

映画『野球少女』もフェミニズムに関してのヒントがたくさん描かれています。photo : Instagram(@i_icaruswalks)
映画『野球少女』にもフェミニズムに関してのヒントがたくさん描かれています。photo : Instagram(@i_icaruswalks)

「ぶつかるのは大変ですが言うことにします」と、パートナー、義父、そして両親と真っ向から向き合い、感じる違和感を蔑ろにしないウンジ氏の姿勢と熱量が本を通して伝わってきます。シンプルに、かっこいい。これは映画『野球少女』でイ・ジュヨン演じるスインの姿とも被りました。定められた“当たり前”を変えようと必死にもがき、決して諦めない。そんなエネルギッシュな人はやっぱり魅力的で、パワーをもらえますね。感情をおざなりにせず、向き合うタフな心を育てる。私の今後の目標の一つに加えたいと思った次第です。

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エディターKISHI

ハマり癖のある、いわゆるミーハー。愛犬と過ごす時間と、韓国ドラマ鑑賞が生きがい。主にファッションとセレブを担当していますが、美容ネタも大好物。

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