2022.05.26

よーく見ると「ふふふ♪」なシルバージュエリー #深夜のこっそり話 #1552

知的で上品な女になりたい。そう思いながら、毎日それなりにがんばって生きています。たとえば、仕立てのいい真っ白なシャツをパリッと着こなしたり、ブラックドレスを日常にさらりとまとったり。シンプルなんだけど、一見なんてことないんだけど、でもめっちゃオシャレ! みたいな空気感を醸し出せる人に、ものすごく憧れを抱いております。それでですね、これは私の持論なのですが、そういうシンプルなのにハイセンスな人って、ジュエリー使いも上手だと思うんです。決してトゥーマッチにならず、バランスがいいうえに、遊び心のさじ加減が絶妙だったりするんですよね。そういう人に出会うと、嫉妬ではないけど純粋にうらやましいし、「そんなあなたに、わたしもなりたい」と思っちゃいます。

さりげなく遊び心を効かせたジュエリーが、そういうわけで大好物です。パッと見ではわからないけど、よく見るとクスッとなるような、いい意味でヘンテコなデザインに惹かれます。つい最近も衝動的にポチッてしまいました。それがアントワープを拠点とするデザイナーデュオ、ウッターズ&ヘンドリックスのこちら。

ムール貝をかたどったピアスと唇モチーフのリング。どちらもウッター&ヘンドリックスより。
ムール貝をかたどったピアスと唇モチーフのリング(どちらも€175)。ウッターズ&ヘンドリックスより。

「ん? 羽なのかな?」と思いきや、よーく見るとピアスのモチーフはムール貝。ムール貝をかたどったシルバーピアスって、なんそれ! 小ぶりだけど、見れば見るほどすごくリアルでじわじわくる。この意表をつく発想にやられました。ちなみにインスピレーション源は、ベルギー人のコンセプチュアルアーティスト、マルセル・ブロータスの代表作でもある「マッセルポット」。大鍋にムール貝をてんこ盛りにした、けっこうインパクトのある作品です。気になった方はぜひググッてみてください。

愛嬌のあるデザインに口角が上がります。
愛嬌のあるデザインにキュン❤︎ 主張し過ぎないのでレイヤードも楽しめます。

唇モチーフのリングは、あのサルバドール・ダリによる「メイ・ウエストの唇ソファ」に着想を得たもの。こちらも華奢なデザインですが、デスクワークの合間や移動中など、目に留まるたびにちょっとだけ口角が上がるんですよね。せっかくだから目と鼻も描き足してみたいわ……とイマジネーションが膨らみます。

ウッターズ&ヘンドリックスは、こういったシュルレアリスムを引用したクリエーションが得意なブランドです。しかも何がいいって、独特のユーモアがありながらもひねりが効き過ぎているわけではなく、リアルクローズにすんなりとなじむアイテムが多いんです。それとなくアートを身にまとえて、ちょっとファニーで、なおかつスタイリングのアクセントにもなってくれる。その塩梅が本当にちょうどよくて、「やっぱりこのブランド好きだなあ」と、今回のお買い物で再認識しました。

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エディターHAYASHI

生粋の丸顔。あだ名は餅。長いイヤリングと丈の長いスカートが好き。長いものに巻かれるタイプなのかもしれません。

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