倉敷市発、会話の生まれる【ko-u-ki-shi-n】の一点ものトートバッグ #深夜のこっそり話 #2187

触って楽しめる、ハンドメイドのバッグ

先日、とある取材で全盲の文化人類学者の方にお目にかかったのですが、その先生が持っていらっしゃったショルダーバッグがとても素敵だったんです。フラップの中央に、コウモリの形をしたモチーフと点字が付いていて、ステッチやリベットでプレイフルに装飾されていました。

koukishinの触って楽しめるバッグ

「そのバッグ、どこのですか?」と前のめりな私に、「ああ、これね。よく聞かれるんですよ」と照れる先生。岡山県倉敷市が拠点の「ko-u-ki-shi-n」というバッグブランドで、フラップの点字は「コウキシン」と読むと教えていただきました。「ブランドを手がける滝口西夏さんは、目の見えない・見えにくい人も柄がわかるように、触って楽しめるバッグを手作りされている」とのこと。そう聞いて、私の中の“コウキシン”はいっそう掻き立てられたのでした。

一点一点がアートピースのよう

取材後、さっそくインスタグラムのアカウント(@koukishin_bag)を覗いてみると、個性あふれる作品の数々に一瞬で心を奪われました。先生が持っていた「触って楽しむバッグ」シリーズ以外にも、小ぶりのサコッシュから大きめのトートバッグまで、種類はじつに豊富。しかも、どの作品もテキスタイルがめちゃめちゃかっこいいんですよ。一点一点がアートピースのようで、独特の強さを感じるんです。

興奮しながら投稿をさかのぼって見ていくと、なんとなんと、かねてよりファンだった現代美術家の川埜龍三さんの原画がプリントされているではありませんか! かなり一方的にご縁を感じて、「オンラインショップに掲載されていないものもオーダーできますか?」と図々しくDMを送ってみたところ、西夏さんからお返事をいただきました。「しばらく別の仕事が立て込んでいるので、1ヵ月ほどお日にちをいただきますが、それでもよろしいですか?」とのこと。もちろん、待ちますとも!

現代美術家、川埜龍三さんの原画をプリントしたトートバッグ

ko-u-ki-shi-nのrevistaトートバッグ
オーダーした「レビスタ(revista)」トートバッグ¥11,000

そんなこんなで約1ヵ月後、ついに私のもとに届いたのが、こちらの「レビスタ(revista)」トートバッグ。川埜龍三さんの原画『花摘みⅡ』(2019) をプリントしたテキスタイルに、金と銀の糸でグラフィカルなステッチが施されています。

ko-u-ki-shi-nのrevistaトートバッグ

「世界は、目に見えるものと見えないものの絶妙なバランスの上に成り立っていることを表現しました」と西夏さん。写実的なテキスタイルと抽象的なステッチが見事に融合し、唯一無二の世界観を作り出しています。やっぱり抜群にかっこいい。実物を目にして、感動もひとしおです。

雑誌やA4資料がすっぽり入る大きさ

ko-u-ki-shi-nのrevistaトートバッグ

携えると、“歩くアート”になった気分。雑誌やA4資料、13インチのラップトップがすっぽり入る大きさで、実用性も申し分なし。バッグの中にはポケットやキーフックが付いていて、丁寧に作られています。レザーのハンドルは、ソファを作っている工房で出た端材をアップサイクルしたもの。廃材がさりげなく使われているところにも、ものづくりへのこだわりを感じます。

「ko-u-ki-shi-nのバッグを通じて、思わぬコミュニケーションが生まれたら」。そんな思いでバッグを作り続けていると西夏さんはおっしゃいました。「そのバッグ、どこのですか?」と私が先生に聞いたように、今度は私がこのバッグを通じて、素敵な出合いをつなげていけたらいいなと思っています。

ko-u-ki-shi-nのバッグはオンラインショップで購入できるほか、倉敷市にあるギャラリー、ラガルトプラスでも販売されています。岡山方面へお出かけの際は、ぜひ立ち寄ってみてください。

今回紹介した商品はこちら!
revistaトートバッグ

商品名

revistaトートバッグ

ブランド

ko-u-ki-shi-n

価格

¥11,000

エディターHAYASHIプロフィール画像
エディターHAYASHI

生粋の丸顔。あだ名は餅。長いイヤリングと丈の長いスカートが好き。長いものに巻かれるタイプなのかもしれません。

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