2026.09.28

最後の巡回地、滋賀・佐川美術館の藤田嗣治展に、ぜひ足を運んでほしい

琵琶湖の畔にある佐川美術館で、藤田嗣治の生誕140年を記念した特別展が開催されています。昨年から全国を巡回してきた本展ですが、同館が最終会場。これは観ておかねばと思い、連休中に行ってきました。

琵琶湖の畔にある佐川美術館で、藤田嗣治の生誕140年を記念した特別展が開催されています。昨年から全国を巡回してきた本展ですが、同館が最終会場。これは観ておかねばと思い、連休中に行ってきました。

INDEX

初期から晩年までの約140点を展示。日本初公開の貴重な作品も

佐川美術館「生誕140周年 藤田嗣治 7つの情熱」の展示エントランス

藤田嗣治研究の第一人者であるシルヴィー・ビュイッソンさんの監修のもと、7つの情熱(自己表現/風景/前衛/東方と西方/女性/子ども/天国と天使)という切り口で彼の作品の魅力を紐解く展覧会です。

年代順に作風の変化をたどるのではなく、上記7つのテーマに分類して作品が展示されています。渡仏初期から晩年に至るまでの油彩、版画、資料など、作品数は約140点。しかもそのほとんどが、これまであまり紹介されなかったフランス各地の個人蔵の作品です。日本初公開のものも含まれており、かなりの充実度でした。

戦後の急激な価値転換に翻弄された画家の生き様

フランスのアトリエで子どもの絵画の制作に取り組む藤田嗣治

フランスのアトリエで子どもの絵画の制作に取り組む藤田嗣治。Photo by Paul Almasy/Corbis/VCG via Getty Images

藤田嗣治は、1886年に裕福な軍医の家庭に生まれました。父親から医者になることを求められるも、画家への道を強く希望し、1913年に26歳で渡仏。「乳白色の肌」という独自のスタイルを築き、一躍フランス美術界の寵児となりました。エコール・ド・パリ(1920年代のパリで制作活動をしたアーティストたちの総称)を代表する画家として、パブロ・ピカソやアメデオ・モディリアーニらと親交を深めたことでも知られています。

第二次世界大戦が始まると帰国し、従軍画家としてプロパガンダを目的に戦争画を制作しました。戦後に戦争協力責任を問われ、批判を受けながら再び渡仏。5人のパートナーとの交際と別離、晩年に受けたキリスト教の洗礼、そして「レオナール・フジタ」への改名など、波乱に満ちた人生を送りました。そんな彼の生き様が、一つひとつの作品を通じて伝わってきます。卓越した技法や画力もさることながら、歴史的な大家が生涯を通して何に情熱を注いできたのかがわかる、とても興味深い展示でした。

ちなみに藤田嗣治といえば、思い浮かべるのはマッシュルームヘア。最初の渡仏後に日本からの送金が止まり貧乏生活が続いたため、セルフカットにより確立されたスタイルだと、遅まきながら知れたこともよかったです。

展示風景は撮影できなかったので、ぜひ現地で実物を観てほしいです。佐川美術館の美しい建築も相まって、きっとぜいたくな鑑賞体験になりますよ。

「生誕140周年 藤田嗣治 7つの情熱」

会期:~ 2026年11月23日(月・祝)
会場:佐川美術館(滋賀県守山市水保町北川2891)
開館時間:9:30~17:00(最終入館 16:30)
休館日:月曜日(祝日の場合は翌日)
入館料:
WEB予約 一般 1,500円/高大生 700円/中学生以下 無料
窓口販売 一般 1,600円/高大生 800円/中学生以下 無料

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エディターHAYASHI

生粋の丸顔。あだ名は餅。長いイヤリングと丈の長いスカートが好き。長いものに巻かれるタイプなのかもしれません。

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