先週、イッセイ ミヤケとAppleの協業による「iPhone Pocket」発売のニュースがファッション&ガジェット界隈を賑わせました。私がまず気になったのは、「すでにAppleから純正ストラップも発売されているけど、なぜこの形状で?」ということ。両社は異業種ながら洗練された機能美など共通したデザイン哲学もあり、きっと利便性の追求だけではなく何かあるはず、と思い。
そんな中、11/14の発売前日にApple Ginzaで開催されたプレビューに伺い、両社のプレゼンテーションを聞いてきました。

初めて実物を見た印象は……ねじりこんにゃく(をねじる前の形状)!? ねじりこんにゃくの切れ込みは真ん中ですが。食感も作る過程も面白くて好きなので、かなり親しみがあるんです
今回のプロジェクトは「アウトフィット(衣服)にもう一つのポケットを加える」というコンセプトでデザインされたとのこと。Appleはテクノロジーやデザインで私たちの生活を便利で豊かにしてくれ、一方のイッセイ ミヤケは、デザインの力で衣服をまとう行為を自由にしてきたブランドです。迂闊なことに第一報のタイミングでは思い出さなかったのですが、言わずと知れた「スティーブ・ジョブズが生前愛用していたハイネックトップスはイッセイ ミヤケによるデザイン」というエピソードもあり、必然的なコラボレーションだったと思わずにいられません。
用途は名前の通り、“拡張ポケット”であるとは思いながら、服にポケットがついていたとしても何でも入るわけでもないし。私は、やはりいつでも心地よく、そして楽しく身につけていられるための提案という感じがして、ポケットとは競合しないのではないかな、と思いました。
パッケージから裏側まで、iPhone Pocketを観察してみた
とワクワクしたところで、さっそく実物をレビューしたいと思います。今回ご紹介するのは、「iPhone Pocket by ISSEY MIYAKE - ショート」のレモンカラー。ちなみに市川渚さんの連載でもiPhone Pocketを素敵に紹介してくれているので、ぜひご一読を。

千歳飴をイメージしたパッケージ iPhone Pocket by ISSEY MIYAKE - ショート(レモン)¥25,800
かなり細長い紙のパッケージは千歳飴をイメージしたのだそうです。発売のタイミングも七五三の前日だったので、日本で大切にされてきた伝統行事のエッセンスがスタイリッシュなデザインに昇華されていて、まずは心を掴まれます。

パッケージ中央には控えめにissey miyakeのロゴデザインが
ただ、パッケージの状態ではおそらく大抵のバッグからけっこうはみ出すと思うので、サプライズのプレゼントとして考える場合には持ち運びに注意が必要です(笑)。
手の込んだパッケージなのでなるべく丁寧に開封してみると、鮮やかなレモンイエローが目に飛び込んできます。「初めて手に入れたパソコンはiMac」世代の私にとって、Appleプロダクトの色遊びは自然と気分が上がります。
ショートタイプは長さが40cm、幅が6.3cm、厚みが1cm(Appleの正式表記とは異なるのですが、手に提げた状態を想定)となっているものの、プリーツを思わせるリブ編みがほどこされた3Dニット構造なので、かなり伸縮性があります。
収納部分のサイズは全てのiPhoneに対応しているとのことで、機種変更時にも安心。後述しますが、私がiPhoneと一緒に入れたものの中でいちばん幅があった財布は8.2cmなので、アウターのポケットに入るものならけっこういろいろ入るのではないかと!

iPhone Pocketと書かれた面

issey miyakeと書かれた面
サイド部分には本体と同系色のブランドタグがついており、片面がiPhone Pocket、もう片面がissey miyakeとなっています。

裏返してみてもきれいな編み地!
勝手に裏返してみました。3Dニットなので、縫い目がありません!

日によってポケットのない服を着ることもありますよね。ちなみにたまたま、この日着ていたベージュのフーディにもついていませんでした
iPhone Pocketを手首に通すとこんな感じ。私は会社内を移動することも多いので、PCやiPhoneも一緒に持ち歩いています。

しゅぷるんチャームのほうが目立ってしまっていますが、バッグ含め、好きな色の組み合わせ!
そしてバッグにつけるとこんな感じ。まだ使いこなせていないものの、iPhoneを入れる以外にも移動時に便利な使い方がありそうですね。
写真にも撮りましたが、ショートタイプの基本的な使い方はやはりバッグにつけるか、手首に通すか、でしょうか。手に入れて日が浅いので、中に何を入れるかのアイデアを試しにAIに相談してみたものの、なんだか無理やり感のある回答でいまいちピンとこず(笑)。せっかくなのでiPhoneを入れることを前提に、私のライフスタイルに合うのはこの使い方かな、というのをご紹介します。ちなみにiPhoneは13 Plusで、撮影のために外しましたがふだんは透明のケースを装着しています(ケース付きでも問題ありません)。
iPhone+財布
試してみるまでは難しいかな、と思っていた財布との組み合わせ。ですがニットの伸縮性恐るべし!で、大きめの三つ折り財布もすっぽり収まりました。これで身軽に動けます。
iPhone+名刺入れ+メモ帳&ペン
取材の時は、バッグを預かっていただき細々したものだけを持って移動することもしばしば。すぐ手に取るものを携帯するのにいいかも。
iPhone+しゅぷるんマイク
こちらは簡易的なSNS取材を想定。ニット素材がしゅぷるんのシルエットを拾っています(笑)。
iPhone+モバイルバッテリー
私の日常にもっとも助かると思ったのは、このコンビネーション! 出先や会社のデスク以外でiPhoneを持ち歩いている時、バッテリーが心許なくなり充電していると、バッテリーがけっこう重い&コードが短く、iPhoneをよく落とすんです……。iPhone Pocketに入れて手首にかけておけば、ストレスフリー!
iPhone+AirPods
いちばんミニマムなバージョン。私はしゅぷるんマスコットチャームをAirPods入れとしているのでAirPodsの定位置はほぼ決まっているけれど、大きさの違うものを入れた時のフィット感がわかるかな、と思い撮影。
こうして改めて見ると、持ち物は持ち主の暮らしや生き方を反映する気がする! 実はMIYAKE DESIGN STUDIOのデザインディレクター・宮前さんの言葉に「iPhone Pocketのデザインは、iPhoneとそのユーザーの間の結びつきを物語る」とあったのですが、まさにその通り。私の日用品とは次元が違いますが、ランドマークや風景を「包んで」しまうクリストの作品を思い出したりもして、いろんな人のiPhone Pocketのシルエットをぜひ見てみたい。
iPhoneは美しいプロダクトとしてすでに完成されているけれど、Appleがそこに飽き足らず、同じ価値観を持つ“同志”とプレイフルに軽やかに新たなチャレンジに取り組む姿勢にも刺激を受けました。そして刺激を受け取る私も、プロダクトの背後にあるストーリーや遊び心も楽しめる大人でありたいな、と。
残念ながら現時点ではオンラインストアで品切れ状態ではありますが、チャンスがあればぜひチェックしてみてください!
今回紹介した商品はこちら!
商品名
:
iPhone Pocket by ISSEY MIYAKE - ショート
素材
:
ナイロン(14%)、ポリエステル(85%)、ポリウレタン(1%)