2025.12.18

私の【2025年ベストアルバム】は『caroline 2』。 UK発caroline待望の2nd アルバムと初来日ライブの話。

音楽メディアやレコードショップ等から2025年のベストアルバムが発表されましたね。毎年、そのリストを見ながら自分の好きな音楽を振り返ったり、まだ聴いたことがなかったアルバムを急いでチェックし始めたり。1年の締めくくりの楽しみのひとつです。

私の唯一の趣味と言えるのがレコード収集だったのですが、今年購入したレコードをチェックしながら枚数を数えてみると、過去最低数を記録......(その代わりに例年よりたくさんライブには行けたのですが!)。リリース情報から完全に乗り遅れている怠惰な自分を反省しつつも、間違いなく今年の音楽にまつわる思い出のハイライトとなった1枚をご紹介させてください。

2025年、超私的ベストアルバム『caroline 2』

caroline 2 Japan edition レコード LP 限定版

大好きなレコードショップ、BIG LOVE RECORSの帯付き限定版です。全8曲収録。

ロンドンを拠点に活動する8人組バンド、caroline(キャロライン)。出会いは、Apple Musicのおすすめの曲を再生する機能で、1st アルバム『caroline』(2022)が流れてきたことでした。誰かにおすすめしてもらったり、フェスで偶然見かけて、というわけでもないのに、聴いた瞬間心をつかまれ、かえって印象に残ったことをよく覚えています。そんなcarolineが、イギリスの老舗のレコードレーベル、Rough Trade Recordsからリリースした2枚目のアルバムが『caroline 2』(2025)です。

carolineのデビューアルバムから約2年

caroline 2 Japan edition レコード LP 限定版 clear blue vinyl

限定のクリア ブルー盤。車での移動中、ふと外の景色を見たら美しい高山が目に入った(?)。そんな日常の一瞬を切り取ったジャケットにもcarolineらしさが詰まっている気がします。

もともと、2017年にジャスパー・ルウェリン、マイク・オマリー、キャスパー・ヒューズの3人からバンドがスタート。現在はマグダレーナ・マクリーン、フレディ・ワーズワース、アレックス・マッケンジー、ヒュー・エインスリー、オリヴァー・ハミルトンの5人が加わり、総勢8人のメンバーで活動しています。調べてみると、ポストロック・オルタナティブという表現が多く見られますが、フォークやアンビエントなどさまざまな要素を含んでいて、まさにジャンルレス。メンバーそれぞれのルーツや多彩な音楽経験が投影された、豊かな音楽性が魅力です。


『caroline』から約2年を経て、リリースされた『caroline 2』はギターやヴァイオリンの美しい生音やミニマルなサウンドはそのままに、さらに実験的な音や即興的な広がりが加わって、とにかく最高で間違いなく今年のベストアルバムな仕上がりなんです。心穏やかに静かな音に陶酔していると、徐々に激しく弦楽器やドラムの音が重なって盛り上がったり。複雑な構成ながらも耳心地がよく、ずーっと聴いていられます。

2025年9月に初来日ツアーも

caroline JAPAN TOUR 2025 リーフレット 東京渋谷 WWW Xにて開催

ライブで配布されていたリーフレット。ジャケットに写っている「手」とメンバーの写真がコラージュされています。この日のために作っているところにも、ぐっときますよね。

好きになったバンドはたいてい、すでに来日していて直近はライブの予定なし......というのが私のあるあるですが、今回は運よく来日情報をキャッチし、今年の9月、東京・渋谷のWWW Xで行われたライブにも行ってきました。チケットは完売で会場も超満員。印象的だったのが、ステージの中心を向いて、8人で円を組んで演奏するスタイル。音の動きや流れがステージ上に浮かび上がって見えてくるような、まるでオーケストラやミュージカルを見ているような繊細で力強い生音が響き渡る圧巻のパフォーマンスでした。

caroline JAPAN TOUR 2025 リーフレット 東京渋谷 WWW Xにて開催 メンバー紹介

中には、メンバー全員の「自分たちのアルバムで一番好きな曲」「好きなアルバム」「好きな映画」が書かれていました。

『caroline 2』のLPは、実はライブ前に購入して、何度も聴いていたのですが、あの熱気を体験したあとに聴き返すと、不思議と音の輪郭が変わって聞こえるから面白い。 年々、1年が過ぎ去るスピードが速まっているように感じますが、音楽と思い出をこうして形に残しておけるのは、レコードならではの魅力ですよね。今年もたくさんの素晴らしい音楽やライブに出合えた1年だったことに、感謝したいです。

エディターABEプロフィール画像
エディターABE

ジュエリーとファッション担当。ミニマリストを目指すも、新譜のレコードを収集しがち。

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