ともに夏を駆け抜ける
〈フレデリック マル〉4つの香り
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FREDERIC MALLE
ともに夏を駆け抜ける
〈フレデリック マル〉4つの香り
世界屈指の調香師たちをあらゆる制約から解放し、創造の自由を約束する〈フレデリック マル〉。ブランド創設者のフレデリック・マルは、そこに「編集者」として寄り添いながら、「明日のクラシック」となる、芸術作品としてのフレグランスを生み出してきた。数ある魅惑的な香りのラインナップから、暑い夏も爽やかな気分へ誘う4つの香りを厳選。それぞれを手がけた調香師のストーリーとともに、その魅力をお届けする。
オー ドゥ マグノリア
byカルロス・べナイム
シンプルにしてタイムレスな魅力を秘めたマグノリア
カルロス・べナイムはモロッコのタンジールで生まれた。その研ぎ澄まされた美への感性は、天然香料に囲まれて過ごした幼少期に育まれたもの。伝説的な調香師、アーネスト・シフタンのもとでのトレーニングを経て、大胆に力強く表現するスキルにも磨きをかける。さらに化学の力も積極的に取り入れ、天然の成分と合成香料の絶妙な組み合わせにより、嗅覚の新領域を探求してきた。“オー ドゥ マグノリア”では、リアルな香りの再現は難しいとされるマグノリアの花が持つユニークなフレッシュさを、見事にオードトワレに。フローラルというよりシトラスを感じるその爽やかな香りを、ベルガモットやグレープフルーツ、レモンで印象的に表現。ほのかなアプリコットのニュアンスとともにセンシュアルに移ろい、パチョリやオークモスの落ち着いたノートが、肌の一部になりながら深い余韻を残す。青い空とコントラストを描く白い花を思わせる、透明感があるのにまろやかなその芳香は、香水に生命を吹き込む匠の技を感じさせる。
オー ドゥ マグノリア(オードトワレ) 30ml ¥21,560、50ml ¥29,040、100ml ¥42,460/ブルーベル・ジャパン
アン パッサン
byオリヴィア・ジャコベッティ
一瞬の情景を描き出し、印象主義的な静けさと輝きを
歴史ある香料メーカーで研鑽を積んだ後、1990年、24歳にして自らの調香ラボ「イスキア」を創設したオリヴィア・ジャコベッティ。彼女を調香に駆り立てるのはありふれた日常と、自然の中にふと見出す「エコー」だと語り、ありきたりとも思える一瞬の真実が、新しいイメージをもたらすのだという。形容詞で簡単には表現しきれない自然の恵みの神秘的な美しさを、シンプルなノートで見事に描き出す技は唯一無二。〈フレデリック マル〉を立ち上げるとき、「最初の香りの調香は彼女に」とフレデリックがオファーし、誕生したのが“アン パッサン”だ。“通りすがりに”という名をもつこの香りは、まさにそよ風に運ばれてきたライラックの香りを思わせる。みずみずしいキューカンバーが、少しグリーンなホワイトライラックと出合い、ウィート(小麦)やホワイトムスクの、温もりがありながらもピュアなノートへ。静けさの中に輝きを感じる軽やかなアコードは、彼女の世界観をそのまま反映している。
アン パッサン(オードパルファム) 10ml ¥8,250、50ml ¥29,040、100ml ¥42,460/ブルーベル・ジャパン
ビガラード コンサントレ
byジャン=クロード・エレナ
澄み渡っているのに奥深く、ミニマルなのに雄弁に
世界的に最も著名な調香師のうちの一人であり、多くの尊敬を集めるジャン=クロード・エレナ。調香師の家系に生まれ、子供時代から香りに親しみ、10代の頃からその才能を開花させた。彼は自らのクリエーションを「記憶の詩」と定義し、自然や文学、あるいは生活の中に当たり前にあるものすらインスピレーション源として、物語を感じさせる香りを紡ぎ出す。最小限の香料だけで、モダンで奥行きのある香りに仕立てるミニマリストとしても知られ、それは彼の好きな俳句にたとえられることも。マーケティングに左右されることを嫌い、フレグランスを芸術として捉える姿勢はフレデリック・マルとも一致する。“ビガラード コンサントレ”は、分子蒸留で抽出した高純度のビターオレンジの、苦みが利いたフレッシュさが際立つ香り。そしてかすかなローズと干し草、シダーのウッディなベースノートが、気取らないコンポジションのユニークな側面を引き出す。透明感にあふれながらも力強く、長く続くその余韻。ピュアでクリスピー、まるで地中海のように洗練されたフレッシュネスをもたらす。
ビガラード コンサントレ(オードトワレ)10ml ¥8,250、50ml ¥29,040、100ml ¥42,460/ブルーベル・ジャパン
アクネ ストゥディオズ パー フレデリック マル
byスージー・ルー=エレー
クラシカルでアヴァンギャルド。心地いい、精巧な香り
スージー・ルー=エレーは、フランスの著名な調香スクール「ISIPCA」と、ドイツの「シムライズ パフューマリー スクール」で修練を積み、彼女を指導していたマスター調香師たちにより、その天賦の才を見出された。「フレグランスは、常に美的感覚と感情に訴えかける卓越した技術を用いて、メッセージ性のあるものに仕上げなくては」というのが彼女のポリシー。〈フレデリック マル〉と〈アクネ ストゥディオズ〉という、ともに独創的、かつネオクラシックな2ブランドがタッグを組み、生まれたのが “アクネ ストゥディオズ パー フレデリック マル”。その調香に新人である彼女が抜擢されたのは衝撃的であり、必然。始まりからアルデヒドがピュアで澄んだ香りを解き放ち、やがて柔らかなフローラルノートと溶け合って、バニラやサンダルウッド、ホワイトムスクの、肌を愛撫するような心地いい余韻へ。印象的なコントラストを奏でる唯一無二の香りは、クラシカルにしてモダン、かつ大胆不敵で、どこまでも心地よくありながら、心を揺さぶるように。
アクネ ストゥディオズ パー フレデリック マル(オードパルファム)50ml ¥38,500、100ml ¥54,780/ブルーベル・ジャパン