
年に一度集まる、
世界の都市の香りと過ごす晩夏
ル ラボが世界中から厳選した都市に敬意を表し、捧げた香りのコレクション「シティ エクスクルーシブ」。通常はそのフレグランスが属する都市でしか、香ることも、手に入れることもできない香りが、年に一度だけ世界中の店舗に集まり、手に入れられるチャンスが今年もやって来る。50mlと100mlのボトルを持っていれば、ラボ併設の店舗でリフィルの購入が通年可能になるので、この機会は見逃せない。今回、新たにコレクションに加わった注目の京都、根強い人気の東京と、アメリカ3都市の香りをセレクト。年々残暑が厳しくなるこの時期の重々しさを忘れるような、それぞれの地の特徴を反映した香りから“涼やかさ”を感じたい。販売期間は9月1日から30日の1ヵ月。今年はどの香りを手に入れる?
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ル ラボ
年に一度集まる、
世界の都市の香りと過ごす晩夏
ル ラボが世界中から厳選した都市に敬意を表し、捧げた香りのコレクション「シティ エクスクルーシブ」。通常はそのフレグランスが属する都市でしか、香ることも、手に入れることもできない香りが、年に一度だけ世界中の店舗に集まり、手に入れられるチャンスが今年もやって来る。50mlと100mlのボトルを持っていれば、ラボ併設の店舗でリフィルの購入が通年可能になるので、この機会は見逃せない。今回、新たにコレクションに加わった注目の京都、根強い人気の東京と、アメリカ3都市の香りをセレクト。年々残暑が厳しくなるこの時期の重々しさを忘れるような、それぞれの地の特徴を反映した香りから“涼やかさ”を感じたい。販売期間は9月1日から30日の1ヵ月。今年はどの香りを手に入れる?

GAIAC 10
City:Tokyo
2007年、ル ラボ誕生の地であるアメリカ国外に初めて店舗をオープンしたのが、東京・代官山。ブランドの理念を、自然に浸透させることができる場所としての選択だった。ガイアック 10は、その翌年の2008年に誕生。瞑想的な香りを漂わせるガイアック ウッドを核に、4種のムスク、シダー、オリバナムなど、10種の香料から成る、ミニマムでいて緊張感のあるフォーミュラ。スモーキーなニュアンスと、ほのかな甘みを感じるその香りは、現れたり目を眩ませたりとつかみどころがない。東京といえば洗練された、おしゃれなエリアも伝統的な場所もあり、サブカルチャーの聖地を思い浮かべる人もいるかもしれない。絶対的、象徴的なものはないのに、また来たいと思わせる。その魅力はほのかな香り立ちでいて、それぞれの人の中にすっと入り込み、気づいたら虜にしてしまうこの香りと、どこか重なるところ。奥深く静かな強さを秘めた究極のスキンパフュームである。ガイアック 10が、シティ エクスクルーシブの中でも格別の人気を誇る理由は、そんなところにあるのではないだろうか。
ガイアック 10 オードパルファム 100ml ¥73,700 ※2025年8月時点価格

OSMANTHUS 19
City:Kyoto
昨年10月にローンチされたふたつ目の日本の都市の香りが、京都に捧げられた「俳句のような」オスマンサス 19。それは築150年の町家を再生した、京都町家店を満たす空気のよう。厳かで少し湿度を帯び、悠久の時を経た空間の中、余韻を感じさせる香り。金木犀といえば、日本で育った人ならば誰もが、ふわりと漂うその香りに季節の移ろいを感じ、懐かしい記憶を呼び覚まされたことがあるはず。オスマンサス 19はその花の香りを再現するのではなく、そうした金木犀ならではの気配を感じさせるフレグランスだ。インセンスとラベンダーのノートで幕を開け、ふっとフローラルのほの甘さを感じさせて。クリーミーで高揚感がありながら、背後では樹脂のようなウッディトーンが響く。その香りは常に新しいものが生まれ、同時に古いものも大切にされている京都と、そこに住む人々の気風を映し出すかのよう。ただ香りの趣を楽しむだけでなく、もっと理解したいと思わずにはいられない、奥の深い魅力を秘めているのだ。
オスマンサス 19 オードパルファム 100ml ¥73,700 ※2025年8月時点価格

MUSC 25
City:Los Angeles
“天使”という名前をもつロサンゼルスには、青空が広がり、アメリカ西海岸の明るく解放的なイメージを抱く人も多いかもしれない。でも「純白の天使のようなムスクが強く、アルデヒドも感じられる」この香りは、「天国のような光とは裏腹に、中心は陰鬱で、悪魔のように暗く、官能的、性的、退廃的なノート」とも表現される。ベチバーとアニマリックなアンバーグリス、ビーガンのムスクとシベット(ジャコウネコ)から成るノートで、ムスクのピュアな甘さや清潔感が香り立つのは最初のひととき。光に満ちた平和なムードから、次第にワイルドでダークな表情が垣間見えてくる。それはまさに、さまざまなカルチャーが複雑に混ざり合うLAのダウンタウンのよう。だからこそ、ムスク 25にはファンも多い。一筋縄ではいかない、どこか冷たさのあるムスクのフレグランスを探しているなら、きっと素通りはできないはずだ。
ムスク 25 オードパルファム 100ml ¥73,700 ※2025年8月時点価格

LIMETTE 37
City:San Francisco
スプレーした瞬間、シトラスの爽やかなノートが弾けるリメット 37は、いくつかあるル ラボの柑橘の香りの中でも、とりわけ軽やかで清涼感いっぱい。その爽快感は、夏でも少し冷たいサンフランシスコの空気を切って、ビクトリア調の家々が立ち並ぶ急な坂道を自転車で一気に下っていく――そんなシーンを想起させる。ベルガモットの清々しくも洗練された香りからスタートして、ジャスミンやほんのり甘くビターなプチグレイン、温かでスパイシーなクローブがその後を追いかけ、ベチバー、トンカビーン、ムスクのうっとりするような柔らかな香りへ。それはまさに、「何か特別な香りを嗅いでいるという感覚と、清潔感のある、フレッシュで幸福な印象を混ぜ合わせた香りのローラーコースター」。リフレッシュしたいなら、この香りから一服の清涼感をぜひ感じてみて。
リメット 37 オードパルファム 100ml ¥73,700 ※2025年8月時点価格

ALDEHYDE 44
City:Dallas
ダラスと聞いて、まず何を思い浮かべるだろうか。経済やビジネスの中心地、あるいは航空宇宙産業の新しい拠点? それとも古き良きアメリカのイメージ? それとも――ケネディ大統領にまつわる悲劇的なストーリー? もともと政治的にもダークな、深い闇を抱えた地でもあったというダラスの印象とは対照的に、このフレグランスは始まりから直球でアルデヒドが押し寄せるような香調だ。アルデヒドは、今でこそさまざまなフレグランスに使われているけれど、この香りが誕生した2006年当時は、ヨーロッパを除いてそこまで馴染みがなかった合成香料。少し金属的かつ透明感のあるトーンに加え、次第にフローラルのニュアンスも出てくるクリーンで甘やかな香りで、創り手としてはダラスに秘められた「闇」を払拭したかったのかもしれない。あるいは「パラドックス」を表現したかったのか。香りの解釈が知的好奇心をくすぐるという点でも、もともとル ラボのコアなファンの間では人気が高かったという。この唯一無二のアルデヒドのノートを、今こそクールにまとってみたい。
アルデヒド 44 オードパルファム 100ml ¥73,700 ※2025年8月時点価格