ちまたで評判の化粧品の背景には、必ず研究開発者による苦難の物語がある。なぜすごいのか、どうすごいのか? それをいちばんよく知る開発者に迫るインタビュー連載。第3弾は、心と身体に“効く香り”を追求した「uka オーガニックボディケアシリーズ」
7:15、13:00など、時間ごとに違う香りとテクスチャーが楽しめるネイルオイルとともに、トータルビューティサロンの「uka」がスタートして今年で10年。ネイルケアやヘアケアなど、つねに私たち女性が“こんなの欲しかった!”と思うようなプロダクトとサービスを提案し続けてきた。
そして、この3月に発売された最新作は、オーガニックのボディケアシリーズ。ボディウォッシュ、全身に使えるミスト状のローション、そしてボディオイルが、それぞれ3種の香りでそろった贅沢なラインナップだ。代表の渡邉季穂さんに、その誕生までの物語を聞いた。
「きっかけは3年前、ジルからの“いいオイルができた”という知らせでした」。ジルことジル・バートゥミュウ氏は、世界中のエッセンシャルオイルを扱うフランスのシリウス社の代表で、ukaのネイルオイルもシリウス社が手がけている。「近年、オーガニック市場が飛躍的に拡大する中で、高品質のオイルをいつまで安定供給できるか、ジルは大きな危機感を持っていました。実際にアルガンオイルは、ここ10年で価格が高騰しています。だからこそ彼は、アルガンに代わる新たなオイルを探すことにしたのです」
長い年月をかけて彼が発見したそのオイルとは、ピレネー地方に自生する西洋アザミの古代種、カルドンの種子から採れるシナラオイルだ。「不飽和脂肪酸を豊富に含み、美容に有効と言われるリノール酸はアルガンオイルの約2倍という、エイジングケアにぴったりのオイルです。原料となるカルドンは、ジルが所有する南フランスの15世紀からあるお城周辺の畑で栽培され、自社工場でコールドプレス製法によって抽出されています。きちんと愛情をかけてつくられているところも、私たちにとって魅力的でした」
そこで渡邉さんはシナラオイルをベースに、エッセンシャルオイルを配合したボディケア製品を作ることを決めた。現在、ジルの畑からとれるシナラオイルを供給されているのは世界でもukaだけだという。「ストレスや不規則な生活で、私たちの体内時計は乱れがちです。やる気が出なかったり、眠れなかったり――そういった悩みに香りでアプローチすることで、よりすこやかに、心地よく日々を過ごすお手伝いができるのではと考えました」(ボディケアのコンセプトとは?)
SOURCE:「The Developer Talks ー uka organic body care series」By T JAPAN New York Times Style Magazine BY MIYUKI NAGATA, PHOTOGRAPHS BY SHINSUKE SATO APRIL 08, 2019
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