気分はペインター。まっさらなキャンバスに絵を描くような感覚で、メイクアップしてみたら――ルールなんて考えず、気の向くまま自由に、大胆にカラーをのせていく。メイクアップはいわば、ひとつのポップアートなのだから。
ポップな透明感を目もとにドローイング
絵の具を顔にのせてしまう。そんな気持ちでスカイブルーのアイカラーをワンストロークでざっとまぶたに。上に重ねるブルーのメタリックラインも、あえて適当にオン。この力の抜けたランダムさがセンスのよさを匂わせ、明るいブルーのレイヤードが清涼感あるまなざしを連れてくる。
MAKE-UP TIPS
スカイブルーのクリームカラー(3・下段右から3番目)を平筆ブラシに取り、アイホールのくぼみあたりにブラシの質感を残しながらざっくりとラインを描く。中央あたりにポイントでフローズンブルー(1)のラインを重ねて奥行きをプラス。
鮮やかなグラフィックラインに着想を得て
ブラックドレスにアーティな引っかかりを添えるのは、ライラックとライムグリーンのみずみずしくエネルギッシュなカラーアイライン。曲線と直線をミックスさせた動きのあるアシンメトリーなラインは、それだけで主役級の存在感を放ち、シンプルなスタイリングをモードに昇華する。
MAKE-UP TIPS
ライラック色のライナー(7)で左の上まぶたに波線を描き、反対側の下まぶたにはライムグリーンのライナー(6)で目尻側に3本線を描く。アイシャドウは使わず、左右異なるカラーのアイラインのみでシンプルに目もとを主張して。
パレットをまぶたにそのままうつしてみたら
色とりどりの絵の具をチューブから出して白磁のパレットに置いていく。そのカラフルな世界観を目もとに再現したのがこちら。左右非対称に5色のアイシャドウをのせ、きれいになじませようとせずほどよい雑味も意識。そうすることで多色使いでもトゥーマッチにならず、軽やかさが生まれる。
MAKE-UP TIPS
12のパレットから好みのカラー(赤、オレンジ、青、緑、黄など)を選び、カラーパズルを完成させるようにブラシで少しずつ目まわりにオン。色をポンと置くような感覚でぼかさずのせるのがコツ。下まぶたの目頭側はカラーレスで抜け感を。
甘く見せない、バイカラーリップ
ガーリーに転びがちなピンクモヘアのローゲージニット。何かエッジが足りないと思ったら、パープルとピンクのリップを左右に塗り分けて唇にひと工夫。全体のトーンは統一感があるのに口もとがキュッと引き締まる。単色リップだとマンネリになりがちなところに、グッと鮮度が加わる。
MAKE-UP TIPS
唇の2/3くらいに青みピンクのリップ(20)をなじませ、1/3はラベンダーパープル(23)を。くっきりとした発色のマットリップを使用し、ピンクと紫のように比較的トーンの近い色を組み合わせると、ちぐはぐ感が出ずうまくまとまる。
SOURCE:SPUR 2020年1月号「PAINT ME COLORFUL」
photography: Osamu Yokonami (model), Kenichi Yoshida 〈No.2〉(products) make-up: Nao Yoshida hair: Takayuki Shibata 〈SIGNO〉 styling: Tomoko Kojima model: Jessika edit: Chie Yasu