2022.03.08

【インタビュー】八代目 市川染五郎が、シュウ ウエムラの日本ブランドアンバサダーに就任

『シュウ ウエムラ』が、歌舞伎役者の八代目 市川染五郎さんを日本ブランドアンバサダーに起用した。シュウ ウエムラが創業以来大切にしてきた『伝統と革新』という考え方と、400年以上続く歌舞伎の伝統を守りながら、現代の人が楽しめるようにとモダニティを探求する市川染五郎さん。

とてもナチュラルに美しく呼応しあうコラボレーションの誕生は、歌舞伎界や美容業界に留まらず、全世界が注目すること間違いなし! そこでSPUR.JPでは、八代目 市川染五郎さんにインタビューを敢行。シュウ ウエムラとの出会いや、歌舞伎との間に感じる共感、そしてご自身の歌舞伎に対する想いなどについて聞いた。

歌舞伎界の諸先輩方から受け継がれてきたクレンジング オイル

シュウ ウエムラ アルティム8 スブリム ビューティ クレンジング オイル 150ml ¥5,280、45ml¥13,200

——シュウ ウエムラの日本ブランドアンバサダーに就任されましたが、まずそのことについての想いを聞かせてください。

2021年に「ルージュ アンリミテッド キヌ サテン」のメイクアップショーでコラボレーションをさせていただき、反響をいただきました。ブランドの代表的製品であるクレンジング オイルも普段から歌舞伎の化粧を落とすときに愛用させていただいていたので、日本ブランドアンバサダー就任をとても嬉しく思っています。


——シュウ ウエムラのクレンジング オイルとの出会いを教えてください。
実は父を含め、歌舞伎界の諸先輩方がずっと使われてきたアイテムなんです。なので、私も子どもの頃から歌舞伎の化粧を落とすときに使用しています。

——クレンジング オイルの使い心地について教えてください。歌舞伎役者の方は日々ハードなお化粧をオン/オフされていると思いますが、シュウ ウエムラのクレンジング オイルを使うことで、肌にはどんなメリットがあると思われますか?

鬢付け脂の上に白粉を重ねるという、重い歌舞伎の化粧でも少ない摩擦で落とせるので、肌への刺激が少なく、洗い上がりの肌がイキイキしている気がします。「ボタニック クレンジング オイル」は敏感な肌にも使える処方とシトラスの香りに癒されるので、肌が荒れてしまったときや、特に疲れを感じるときなどに使用。いろいろ使い分けています。


——シュウ ウエムラというブランドにはどんなイメージを持っていますか?

プロフェッショナルであること、そして日本のブランドであること。今回ご一緒させていただくなかで、改めて製品についてご紹介いただいたのですが、それらの魅力はもちろん、シュウ ウエムラが『伝統と革新と未来への取り組み』をとても大切にされている、たくさんの想いが込められたブランドなのだと感じました。

——歌舞伎も伝統を継承しながら、同時に新しいことに挑戦することで革新を重ね、長く愛されていた芸です。シュウ ウエムラと歌舞伎がリンクすると感じるところは?

自己表現、自己追求、伝統を大切にする、伝統と現代をより合わせて、さらにいいものに昇華していく——。これらのキーワードは歌舞伎にリンクすると思っています。たくさんの先代が演じてきた役を自分なりに、どう自己追求して、自己表現していくか。その中でも伝統を大切にしながら現代性を取り入れて楽しんでもらうことができるかが、大切だと思うんです。伝統を繋ぎながら、それを現代に合った形へと進化させているところは、歌舞伎とシュウ ウエムラの共通点だと感じますね。


——歌舞伎の伝統を継承していくために必要な【革新】はどんなものでしょうか? また、染五郎さんご自身が【伝統を継承するため】と【革新を続けるため】に挑戦していることを、それぞれ教えてください。

先代の方たちから受け継いできたこと、そして他の役者さんから教わったことを、まずはきちんと自分の中で昇華していくということを意識しています。同じ演目、同じ役でもその人なりの演じ方や個性が出ます。伝統的な部分や受け継がれてきた技術を繋いでもらっているので、繋いでもらったことは大切に守りながらまた次の世代へと繋いで伝えていくのが使命です。でもその中で、“今の市川染五郎”として表現できることを常に模索している状態です。また、変化し続けている世の中で、どんなことに興味や関心が高まっているのか、歌舞伎と融合できることはないか、面白いことはないかと俯瞰して常にアンテナを張ることは楽しくもあります。

歌舞伎の文化を身につけたうえで、それを破ることができれば

——歌舞伎という伝統芸能を未来に繋げていくため、ご自身が大切にされている志や、信念について教えてください。

今の時代に合う歌舞伎の形を模索していきたいという気持ちは常にありますが、やはり先人がつくり上げてこられた歌舞伎の文化を受け継ぎ、それを守ることが大前提だと思っています。まずは基本的な型をしっかりと体に身につけたうえで、それを破るようなことをしてきたいです。

——最後にこの記事を読んでいるSPUR.JPの読者にメッセージを

コロナ禍で歌舞伎公演は客席の収容人数を減らすなどの対応をしながら、一方では動画配信をスタートしたりと、今の状況に合わせた形で公演をお届けしております。内容も、基本の型は守りつつも時代に合わせて演出や表現も変化させて、歌舞伎をご覧になったことのない方でも楽しめるようにアップデートを重ねています。様々な制約の中、時に我慢を強いられながら、お仕事や学業に励む日々を送っている方も多いのではないでしょうか? ぜひ、ご自身の環境に合わせた観劇のスタイルで歌舞伎をご覧いただき、日々の疲れを忘れて、楽しんでいただけたらと思っております!

プロフィール
八代目 市川染五郎●2007年6月歌舞伎座『侠客春雨傘』高麗屋齋吉役で本名の藤間齋として初お目見得。2009年6月歌舞伎座『門出祝寿連獅子』童のちに孫獅子の精役で四代目松本金太郎を名乗り初舞台を踏む。2018年1月歌舞伎座『勧進帳』源義経役他で八代目 市川染五郎を襲名。近年の出演作は、『仮名手本忠臣蔵七段目』大星力弥、『連獅子』狂言師左近のちに仔獅子の精、『龍虎』虎、『東海道中膝栗毛』伊月梵太郎、三谷歌舞伎『月光露針路日本』磯吉、『雪の石橋』獅子の精、『菅原伝授手習鑑車引』桜丸、『京人形』京人形の精など。2021年7月公開のアニメーション映画『サイダーのように言葉が湧き上がる』では映画初主演、声優に初挑戦した。2022年NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』に木曽義高役で出演。

シュウ ウエムラ
https://www.shuuemura.jp/
0120-694-666

text: Miho Maeda edit: Naoko Yokomizo

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