嵐の前の静けさ、はじまりの予感
Maison Matine オードパルファム アバン ロラージュ(50ml)¥13,200/NOSE SHOP
【Maison Matine】 「高いだけの古い香りにはもう飽き飽き!」――そんな反骨心を抱いた若手クリエイター2 人によるフレグランスメゾンは、パリでひそやかに、でも瞬く間に熱いムーブメントとなった。ブランド名の「Matine 」は、反抗と朝を組み合わせた造語。挑戦的なラインナップの中でもひときわ不思議な浮遊体験をくれるのが、この“嵐の前”と名付けられた調べだ。ピンクペッパーからジャスミン、バニラへとふわりふわりとうつろい、何かがはじまる期待で胸を満たしてゆく。
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トルコに献上された烏龍茶の艶を纏う
Nishane エキストレド パルファム ウーロンチャ(50ml)¥23,100/NOSE SHOP
【Nishane】 東洋と西洋の文明の十字路・トルコ共和国発祥のブランド。「ニシャネ」とはトルコ語で記号の意味を持ち、このフレグランスがユーザーの人生のシンボルになるようにとの想いが込められている。シルクロードを通って献上された烏龍茶の調べ、まず鼻に抜けるのはベルガモットやオレンジ、マンダリンのいきいきとした戯れ。それがほっと心を和ませるお茶とナツメグの香りに移りゆき、ラストはムスクとフィグへ。温かいものを飲んだ後のようなじんわりと深い余韻を残す。
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“沈香”へのあくなき探求をかたちに
The House of Oud オードパルファム ザタイム(75ml)¥30,250/NOSE SHOP
【The House of Oud】 水に沈む、素晴らしい香気を放つ幻の木。その“沈香”を求めるハンターと香料会社の社長との友情。インドやインドネシア、ミャンマーへの旅で出合った大自然の秘宝が、このフレグランスメゾンの礎に。ニガヨモギやブルーカモミール、ブラックティーのどこか荘厳で包容力に満ちた調べは、「人生を自分の足で歩んでいる」という実感を呼び覚ます。一瞬のときに全神経で敬意を払う茶道のように、吹きつける行為そのものが特別なリチュアルになる。
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インド・ムンバイの地に想いを馳せて
BYREDO オードパルファン ムンバイ ノイズ(100ml)¥32,560/エドストローム オフィス
【BYREDO】 この香りから想像してみてほしい。飛行機でインドに降り立った瞬間の空気を――。お香や焚き木、路上のコーヒーカートの煙に不協和音のサウンドスケープが入り混じる、ムンバイの喧騒にインスピレーションを得た一本。ダバナ(ヨモギの近縁種)から始まってコーヒーや甘美なトンカビーン、ウッディへと移りゆく調べは、何度も嗅ぎたくなるスパイスのように不思議とクセになる。遠い空の下への旅情を掻き立てる、洗練されたカオスを感じて。
エドストローム オフィス 03-6427-5901
“中毒”の名を持つ、魅惑のカンナビス
19-69 CHRONIC オードパルファン(100ml)¥25,300/TOMORROWLAND SHIBUYA
【19-69】 1990年代に南カリファルニアで栽培されていたカンナビスをモチーフにした香り。文字にすると怪しく危険な感じがするけれど、鮮やかなグリーンの葉にモスとグレープフルーツをしゃっきりとブレンドしたそれは実に爽やか。心の澱みをふっと晴らしてくれるようで、アディクティヴであることは間違いない。ブランド名の「19-69 」は60 〜70 年代に発展したカウンターカルチャーへのオマージュ。この香りが世代や性別、国境を超えて人を結びつけることを願って。
TOMORROWLAND SHIBUYA https://store.tomorrowland.co.jp 03-5774-1711
世にも芳しい、肌と服のサニタイザー
Skin & Textile Chamber(100ml)¥15,400/FUEGUIA 1833 Roppongi
【FUEGUIA 1833】 手肌を清潔に保つスプレーで、こんなにも素敵なものがあっただろうか? 70%のオーガニックエタノールと45 種類の薬用植物成分のブレンドは、肌だけでなく服やカーテンなど生地にも使える処方。その実用的なイメージとは裏腹に、フエギアならではの繊細な物語が香り立つ。こちらは湖の底をたゆたっている気分へと誘う、深くアーシィな水を思わせる調べ。NYのギャラリーの依頼を受け、ルイ・カーン氏の建築とイサム・ノグチ氏の手がけた庭に着想を得た。全62 種類もの豊富なラインナップなので、日々のスプレーにも自分のスタイルを。
FUEGUIA 1833 Roppongi https://fueguia.jp/ 03-3402-1833
脳で味わう、チョコレートの多幸感
SCENT OF YORK. S’MORE(37.5ml)¥34,650<限定品>/YORK.
【SCENT OF YORK.】 パフューマー・山藤陽子氏による、2021年に誕生したボタニカルパフュームブランド。1 度のエディションでつくり出せるのはわずか数十本。純度の高い澄みきった香りで、生活そのものまでを豊かに彩る。年4回ほどのリリースを予定しており、2022年の第一弾はチョコレートと焼いたマシュマロをグラハムクラッカーで挟んだデザート・スモアがモチーフ。カカオとバニラの甘美なハーモニーにマンダリンがほのかに香る、その幸せな味わいを胸の奥で噛み締めて。
YORK. https://york.theshop.jp
香水マニアの貴族のエスプリを現代に
EIGHT&BOB オードパルファム ジ・オリジナル(100ml)¥25,300/NOSE SHOP
【EIGHT&BOB】 「8 つの香水を私に、そしてもうひとつを弟のボブに」。ネーミングの由来は、ジョン・F ・ケネディが、あるフランス貴族に送った手紙の一文。フレグランスを自作していたその人、アルバート・フーケの香りとレシピがくり抜いた本の中から見つかり、数十年越しに鮮やかに蘇った。レモンやカルダモンで幕を開け、バイオレットリーフのエレガンスにしゃんと背筋がのびる「ジ・オリジナル」。高貴な中にも思わず話しかけたくなるユーモアを秘めた、社交界のカンバセーションツールだ。
NOSE SHOP https://noseshop.jp/ 050-2018-6146
すべてを浄化するラベンダーのきらめき
Heretic Parfum オードパルファム ダーティ ラベンダー(50ml)¥27,500<店頭限定発売>/NOSE SHOP
【Heretic Parfum】 「ダーティ」の名前から想像するのとは真逆のイノセントな調べは、胸の中をまっさらにすすいでくれる。100 %ナチュラルな香料やヘンプ由来のCBD オイル、オーガニックのサトウキビ由来のアルコールなど、植物に徹底的にこだわった原料を使用。こちらはリラクシーなラベンダーをネロリとオレンジオイルが抱擁し、そこにパロサントやベチバー、サンダルウッドの光が零れる。混じりっけのないどこまでもピュアな香りは、心を強くするLA の自由で先進的な空気のよう。
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胸に広がる、雨上がりの森の清々しさ
Officine Universelle Buly オー・トリプル フォレ・ドゥ・コミ(75ml)¥19,250/Buly Japan
【 Officine Universelle Buly】 雨の後、湿った松の森から一面に立ち込めるミネラルでウッディなノート。思わず息を深く吸い込みたくなるその調べは、セージとバジル、カルダモンにロマンティックなラベンダーとスミレの花を添えて。苔むした大地のニュアンスも加わり、いつでもどこでも、ひと吹きで心の森林浴が叶う。アルコールやエタノールを含まない水性の香水は肌に刺激が少なく、髪に直接スプレーできるのも嬉しい。
Buly Japan https://www.buly1803.com/ 0120-09-1803
photography:Yuki Saito<LATERNE> text&edit:Yukiko Ogawa edit:Naoko Yokomizo