服を立てる引き算の美学 “アンダン・メイクアップ”

目指すのはエレガントだけど、どこか隙と余裕があるスタイル。そんなムードをまとうメイクアップと服とのバランスを二人のクリエイターが提案。

2025年秋冬の最旬メイクアップ&おすすのタイトルイメージ

2025年秋冬の最旬メイクアップ&おすすめアイテムをプロが伝授!

服を立てる引き算の美学 “アンダン・メイクアップ”

目指すのはエレガントだけど、どこか隙と余裕があるスタイル。そんなムードをまとうメイクアップと服とのバランスを二人のクリエイターが提案。

Rie Shiraishiプロフィール画像
メイクアップアーティストRie Shiraishi

建築デザインを学んだ後、2011年からヘア&メイクアップとしてのキャリアをスタートし、国内外の雑誌や広告を手がける。服に似合うメイクアップの提案に定評がある。

吉田佳世プロフィール画像
スタイリスト吉田佳世

イギリスで8年間生活した経験を生かして、モードからヴィンテージミックスまで幅広い引き出しを持つ。インテリアなどライフスタイルの提案も得意とする。 

ブルジョアスタイル×ミニマルメイクアップ

アウター¥1,925,000・ニット¥247,500・中に着たブラ¥152,900・帽子¥92,400・ブローチ各¥107,800(すべて予定価格)/ミュウミュウ クライアントサービス(ミュウミュウ)

アウター¥1,925,000・ニット¥247,500・中に着たブラ¥152,900・帽子¥92,400・ブローチ各¥107,800(すべて予定価格)/ミュウミュウ クライアントサービス(ミュウミュウ)

今季ミュウミュウなどで登場したブルジョア風のスタイルは、いかに抜け感を演出するかが重要。主張のある顔だと、クラシカルなマダム感が強くなってしまう。メイクアップ全体をミニマルにして、潔くどこにもアクセントをつくらないのがポイントです。眉やまつ毛も素のままで、肌をアイシーなベージュトーンで整えると洗練された印象に。

——— Rie Shiraishi

ファーやレザーといったハイエンドな素材を用いた淑女スタイルは最注目のトレンド。シアーなカットソーや、タイトなニットなど都会的な要素と掛け合わせるのが今年らしいですね。ラグジュアリーなテンションに引っ張られるのではなく、核となるのはあくまでもモダンなムード。メイクアップもエフォートレスに仕上げるとバランスがいいと思います。

——— 吉田佳世

MUST HAVE ITEMS

ADDICTION ルナソル RMK イヴ・サンローラン

a シェーディング、ハイライト、コンシーラー、マルチカラーが一つのパレットにイン。
コンプリートパレット"ソフト ヒュー" 102 ¥4,950〈9月5日限定発売〉/ADDICTION BEAUTY

b 高いカバー力ながら自然に肌になじむコンシーラー。
ルナソル シームレスコレクティングリクイド 01 ¥4,400〈9月5日発売〉/カネボウ化粧品

c 眉の印象を和らげる、赤みと彩度を抑えた極薄トープニュアンスの2色をセット。
アイブロウ パウダー デュオ 02 ¥4,180〈9月5日発売〉/RMK Division

d 肌に溶け込むようなニュートラルブラウン。ナチュラルな血色感をプラス。
ブラッシュ N 957 ¥5,060/NARS JAPAN

e 上質なツヤをもたらすカプチーノブラウン。
YSL ザ インクス ヴィニルクリーム 442 ¥6,490〈限定色〉/イヴ・サンローラン・ボーテ

MAKE-UP TUTORIAL

2025年秋冬の最旬メイクアップ&おすすの画像_3

STEP 1
目もとを自然なツヤのあるヌードカラーで整える。aのパレットの右下のコンシーラーをアイホール全体に薄く塗布。素肌の質感を生かすため、顔全体はノーファンデーションで。

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STEP 2
アイブロウブラシにbのリキッドコンシーラーを取り、軽くブラッシングして自眉の色を薄く、均一に。眉の存在感をなるべくミニマルにすることで、今年らしい抜け感がかなう。

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STEP 3
コンシーラーで色を消した眉に、cのアイブロウパウダー2色をブレンドしてブラシでのせる。眉を描くというよりは、自前の眉の形に合わせて薄く影色をのせるような感覚で。

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STEP 4
dのブラッシュを頰骨の下からフェイスラインに向かって、大きめのブラシで軽くぼかす。ほのかな血色とコントゥア効果を狙って。リップはなじみがよく上品なツヤ感のeを、ラフに直塗り。

オフィスコア×ステートメントリップ

ドレス¥339,900/ステラ マッカートニー カスタマーサービス(ステラ マッカートニー)

ドレス¥339,900/ステラ マッカートニー カスタマーサービス(ステラ マッカートニー)

ルックの主役はもちろん深みのあるレッドリップ。マニッシュなジャケットやスーツスタイルには、抜け感のあるヌーディなメイクアップを合わせると全体のバランスが取りやすいのですが、そこにあえてクラシカルな要素をプラス。その分、ほかはカラーレスに。ほぼ素顔にポンと赤リップだけを入れることで、今っぽい洗練された印象になるのでおすすめです。

——— Rie Shiraishi

引き続きトレンドのオフィスコアは、センシュアルな要素をうまくミックスさせてアップデートしたい。肩のラインを強調した構築的でパワフルな印象のジャケットには、クリーンなシャツではなく胸もとのあいた薄手のトップスを合わせたり、素肌に羽織ったりと、インナーで着崩すのがポイント。肌をのぞかせた胸もとと、インテンスなリップは相性抜群です。

——— 吉田佳世

MUST HAVE ITEMS

M・A・C NARS ジバンシイ SUQQU

a 柔らかな芯でスルスルと描けるリップライナー。自然なボリュームとサテンのようなツヤを唇に演出。
リップグレイザー ワーリン¥3,960/M・A・C

b リュクスな質感のサテンフィニッシュ。発色はいいのに軽やかで、唇をケアする保湿力も。
エクスプリシット リップスティック 887 ¥5,280 〈9月12日発売〉/NARS JAPAN

c マットな仕上がりと潤いを両立。まるで肌に何ものせていないかのようにエアリーな感触。
プリズム・リーブル・プレストパウダー 00 ¥7,480/パルファム ジバンシイ[LVMHフレグランスブランズ]

d ハイカバレッジでありながら、自然なツヤを宿すコンシーラー。隠蔽感がないのに肌悩みは瞬時にカバーし、乾燥や粉っぽさを感じさせない!
クリーミィ カバー コンシーラー 全10色¥5,500〈9月5日発売〉/SUQQU

MAKE-UP TUTORIAL

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STEP 1
aのリップライナーで唇の輪郭を縁取り、唇全体を塗りつぶす。先にペンシルでしっかり色づけしておくことでリップカラーの深みが出て、より印象的な仕上がりに。

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STEP 2
1で、リップライナーで塗りつぶした上から、bの口紅を唇全体に重ねる。セミマットな質感のリップをスティックのままラフに直塗りし、しっかり発色させて。

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STEP 3
アイブロウバームをブラシに取り、眉を立ち上げる。透明のアイブロウマスカラでも代用可。ベースメイクアップはcのパウダーで整える程度に。気になるアラはdのコンシーラーでカバーして。

アーバンスポーティ×スモーキーアイ

ジャケット¥360,800・トップス¥326,700・パンツ¥223,300(すべて予定価格)/ロエベ ジャパン クライアントサービス(ロエベ)

ジャケット¥360,800・トップス¥326,700・パンツ¥223,300(すべて予定価格)/ロエベ ジャパン クライアントサービス(ロエベ)

スタイリッシュなスポーティスタイルは、実はメイクアップとのバランスが一番難しいかもしれません。ヌーディすぎるとただのカジュアルに、リップが強いと全体の印象がチグハグに。確実におしゃれに見えるのが、スモーキーなアイメイク。コレクションでは黒々と縁取られた目もとも多く見られましたが、目尻だけダークカラーをスマッジすればリアルに取り入れやすいですね。

——— Rie Shiraishi

春夏に続きITアイテムのブルゾンは、グッドガール風に着こなしたい。鮮やかなスカーフ柄のトップスやシアーなスカートなど、スポーティなイメージとは対極のアイテムを組み合わせるのが旬。メイクアップもカジュアルにしすぎず、スモーキーな目もとでハズすほうが洗練されて見える。今回のすべてのメイクアップのキーでもあった、眉毛をレスにする提案は個人的にも気になります。

——— 吉田佳世

MUST HAVE ITEMS

セルヴォーク ADDICTION ディオール シャネル

a 使いやすいベーシックカラーとシマーなカラーのセット。透明度の高い発色だから、テクニックいらずで洗練された印象に。
ヴァティック アイパレット EX17 ¥6,820〈限定発売中〉/セルヴォーク

b 肌が透けるほどにシアーな新感覚アイシャドウ。ダークカラーも使いやすい。
ザ シングル アイシャドウ ネイキッドシアー 004N ¥2,530/ADDICTION BEAUTY

c 肌の凹凸をぼかし過剰な皮脂をコントロールするプレストパウダー。ヒアルロン酸配合で、毛穴の目立たないしっとり潤うセミマット肌へ。
ディオールスキン フォーエヴァー ヌード マット フィルター 01 ¥7,810/パルファン・クリスチャン・ディオール

d ヴェルヴェットのような上質のツヤが長時間持続。シックな印象のローズウッドカラー。
ルージュ アリュール ヴェルヴェット 77 ¥6,270/シャネル

MAKE-UP TUTORIAL

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STEP 1
ヌードカラーのアイシャドウをアイホール全体に塗り、まぶたの色ムラを整える。aの左下を使用。

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STEP 2
bのアイシャドウをチップに取り、黒目の外側〜目尻のやや外側まで入れる。正面を見て水平に少し太めに入れるのがコツ。強くなりすぎないよう、シアーなダークカラーを選ぶのが正解。

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STEP 3
目尻のアイシャドウを際立たせるため、アイブロウ、マスカラは潔く省く。強さと抜け感の絶妙なバランスがきいた、洗練された目もとに。

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STEP 4
cのナチュラルトーンのプレストパウダーをブラシでふわりとのせて質感を整える。リップは肌なじみのいいdを直塗りして自然な血色感をオン。

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