マライアの姉が売春容疑で逮捕。断固として助けないマライアとの、深い確執とは?

ディーヴァとして世界的人気を誇る歌手のマライア・キャリー(46)の姉が8月26日、売春の容疑で逮捕されたことが報じられた。姉のアリソンは現在55歳で、客を装った覆面捜査官の相手をした容疑で逮捕。

10代から売春で生活費を稼ぐようになっていたアリソンが、逮捕されたことは初めてではない。今回の逮捕時も、アリソンは自分がマライアの肉親であることをアピールしたという。一方マライアはこの件に関して一切のコメントを出さず、兄弟間の深い溝が、またもや露呈することとなった。


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黒人の父親と白人の母親、そして兄と姉のふたりの兄弟を持つ、マライア。しかし両親は、マライアが3歳のときに離婚。姉のアリソンは父親、兄のモーガンとマライアは母親とともに新しい生活がスタートしたそう。

別の生活を歩みながらも、父や姉とも頻繁に顔を合わせていたという一家。そんなとき、アリソンは15歳という若さで妊娠が発覚。高校を中退し、海軍に入隊した夫とともに、フィリピンの米軍基地で暮らし始めた。だが幸せは続かず、間もなくして離婚をしたアリソンは、息子をつれて帰国。なかなか仕事にありつくことができず、ニューヨークで売春婦をしながら、生活費を稼ぐように。

売春婦としての生活を続けているうちに、麻薬へと手を出すようになってしまったアリソン。依存は深まるばかりだったが、26歳のときに再婚が決まる。次男を出産し新たな人生を歩みはじめようとするものの、翌年、HIV陽性であることが発覚。さらに結婚生活も、わずか4年で破綻。悲しみに明け暮れたアリソンは、それまで以上に薬物を乱用するように。

姉がどんどん転落していく反面、マライアは1990年にファーストアルバム『Maria Carey』でメジャーデビュー。類まれなる美声は世界中をアッと驚かせ、ランキングチャートに11週連続でランクインするという快挙を達成。瞬く間に大スターの座へと上り詰めた。当時のインタビューでは「姉の転落人生を知り、辛かった」と、姉のことで心を痛めている心境を語ったマライア。ファーストアルバムでは「姉のアリソンに捧げます。これからもずっと、輝いていて」と記している。


デビュー当時、兄のモーガンとのツーショット。Photo: Getty Image

成功したマライアは姉を薬物依存から救うため、自ら費用を出してリハビリ施設に入所させたそう。何度も入所を繰り返すも、結局薬物を手放すことができなかったアリソンに、家族も徐々に愛想を尽かすことに。

そんな娘を見かねた母親は、1994年末にアリソンの自宅から、まだ幼い次男を保護。すると翌年、母親とマライアを相手取り、次男を誘拐されたとして、裁判を起こすと言う暴挙に出たアリソン。インタビューでは「マライアがブレイクするまで、自分が体を売ったお金で支援した」、さらに「HIV陽性だと知っても、弟もマライアも私を見舞いに来なかった」というエピソードを暴露。

アリソンから起こした裁判だったが、裁判所は薬物依存のアリソンが子育てすることが無理だと判断。アリソンと母のふたりで親権を持つべき、という判決が下された。怒りが収まらないアリソンは、マライアの暴露本を執筆。デビュー前にマライアがドラッグの売人と交際していた過去などを赤裸々に書き綴った(結局、本が出版されることはなかった)。


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アリソンのそういった行動に、ついに堪忍袋の緒が切れたマライア。姉との絶縁を決意し、その後アリソンに関する一切のコメントを避けるようになってしまった。

しかし今月になって、今度は兄モーガンが「(HIVの症状が悪化している)アリソンの人工呼吸が外され、医師からは“このままだと死んでしまう”と告げられた。それでもマライアは、病院に来なかった」と告白。「治療に必要な費用は、マライアや彼女の大富豪の婚約者にとっては、大した額ではないだろう。それなのに、なぜ助けようとしないのか。話したくないのはわかるが、病院の手配ぐらいはできるはずだ」と、怒りをぶちまけた。

じつはこの兄モーガンとも、前夫ニック・キャノンとの結婚を反対されたことや、アルコール依存症であるかのような陳述をされたことから、現在は不仲だと囁かれているマライア。以前は仲の良かった一家も、今では修復不可能なほど、バラバラとなってしまったようだ。


フィアンセのジェームズ・パッカーは、世界指折りの億万長者! Photo: Getty Images

富と名声を持ち、新たなパートナーとの結婚目前と、幸せの絶頂にいるマライア。そんなときに舞い込んできたニュースに、心中は穏やかではないはず。

貧しい家庭で育ちながらも、自ら努力を重ねて成功をつかんできたマライアだからこそ、ドラッグに溺れてしまう姉の心の弱さが許せなかったのかもしれない。しかし自らが母となった今、家族の大切さは身にしみて感じているはず。いつか彼ら一家が、以前のような仲の良さを取り戻すことはできるのだろうか。

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