2018年９月８日（現地時間）に開催された全米オープンテニス2018で、日本の大坂なおみ選手（20）が見事優勝！ “絶対王者”セリーナ・ウィリアムズ選手（36）との死闘から、涙のスピーチまでを振り返る。さらに優勝後のインタビューで見せた、20歳らしい等身大の姿にクローズアップ。
2018年９月８日（現地時間）に開催された「全米オープンテニス2018」女子シングルス決勝戦で、日本の大坂なおみ選手（20）が見事優勝！ “絶対王者”セリーナ・ウィリアムズ選手（36）との死闘から、涙のスピーチまでを振り返る。さらに優勝後のインタビューで見せた、20歳らしい等身大の姿にクローズアップ。
ニューヨークで開催された女子シングルス決勝戦に出場した大坂選手。相手は、テニスの四大大会で通算23回の優勝歴を誇る、“絶対王者”。セリーナ選手は出産後初の優勝に期待がかかるなか、試合開始前は「すべてのショットが上手！」と大坂選手を讃える一幕も。
しかし大坂選手が第１セットを奪うというまさかの展開に、セリーナ選手の表情が一変。続く第２セットの序盤、客席にいるコーチの動きがコーチングとみなされ警告を受けてからというもの、ラケットをコートに叩きつけて壊す、主審を罵るなど、完全に冷静さを失う事態に。
大荒れとなった試合でも集中力を乱さず、黙々とプレーを続けた大坂選手。女王セリーナ選手に対しストレート勝ちし、初のグランドスラム・タイトルを手に！
ゲームが終了したあとも観客席からは、セリーナ選手に審判が下したジャッジへのブーイングが続出。表彰式の冒頭まで続き、表彰台に立つ大坂選手の目には涙が。
そんな会場の空気を変えたのは、セリーナ選手のスピーチ。「なおみは素晴らしいプレーをした。認めるべき功績を認めて、今をベストな瞬間にしましょう。なおみ、おめでとう。もうブーイングは終わり！」とファンへ呼びかけると、ブーイングは止まり拍手がわき起こった。
Photo : Getty Images
幼い頃からセリーナ選手の大ファンで、いつか戦うことを夢見てきたと言う大坂選手。表彰台でセリーナ選手と対戦したことへの気持ちを聞かれると、「質問への答えではないことを話します。ごめんなさい」と前置き。
そして「みんながセリーナを応援していたことを知っている。こんな終わりかたになってごめんなさい」と謝罪しつつ、「ただ伝えたいのは、試合を見てくれてありがとう」と感謝を述べた。
勝利後のブーイングという悲しい展開ながら感謝を述べた大坂選手のスピーチに、観客席からは大きな拍手が。その後米メディアには、会場の観客への批判や大坂選手の人間性を賞賛するニュースが続出した。
試合後の記者会見では、ようやく笑顔を取り戻した大坂選手。今の気持ちを聞かれると、「今は実感がないけど、数日経てば実感できるんじゃないかな」と回答。試合の直後にセリーナ選手とハグをしたことについて笑いながら「本当に最高だった」と明かし、大きな笑顔を浮かべた。
歴史的勝利を手にし、どのように祝福するかと問われると「寝るわ（笑）。私はあまり社交的な人間じゃないの。多分、ビデオゲームをするかな……わからないわ」と、正直に回答。さらに、食べたい物では「トンカツ、カツ丼、カツカレー、抹茶アイス」を挙げ、日本食への愛をアピール！
また、大のビヨンセファンとして有名な大坂選手。インタビュアーは歌手のアリシア・キーズ（37）が観戦していたことに触れ、ビヨンセ（37）にも試合を見て欲しかったかと質問。
すると大坂選手は「彼女（アリシア）がいることは知らなかったわ。叫び声が聞こえたけど、見ないようにしていたの。だって見てしまったら、“どうしよう、ビヨンセやスターたちが私の試合を見てる……！”って震えちゃうから」と回答。等身大のコメントで、報道陣の心を掴んだ。
翌日のインスタグラムではコム・デ・ギャルソンのワンピースに身を包んだ写真をアップし、グッと大人っぽい姿を披露した大坂選手。180cmのすらりとした長身の持ち主ということから、今後ファッション界での活躍にも期待したい！
女王セリーナ選手を倒し、スター選手の仲間入りを果たした大坂選手。４大大会勝利の次は、グランドスラム制覇となるか!? 今後の試合から、目が離せなくなりそうだ。
text : Ayano Nakanishi
