コメディアン&俳優のケヴィン・ハート(39)が2018年12月6日(現地時間)、2019年度アカデミー賞授賞式のプレゼンターに就任したことが明らかに。しかし数時間後には、公式ツイッターで降板したことを公表。誰もが羨む大役を手放した理由とは……?
2018年12月6日(現地時間)に2019年度アカデミー賞授賞式の司会者に決定したことが報じられた、コメディアン&俳優のケヴィン・ハート(39)。誰もが羨むチャンスを手にしながら、その数時間後にはまさかの辞退を表明! 同授賞式90年の歴史において前例のない出来事が、世間を驚かせている。
ケヴィンを辞退が免れぬ窮地に追い込んだのは、自身が過去に発信したツイート。彼が司会者に抜擢されたニュースが報道されるなり、ケヴィンが2009〜2011年の間にツイッターで発信していた同性愛に対する批判的なコメントが再浮上し、大炎上!
その直後には世界各国から、ケヴィンへの批判や降板を要求する声が寄せられる事態に。するとケヴィンは批判に対する回答として、インスタグラムで動画を配信。「アカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミーから“謝罪しなければ、新しい司会者を探すことになる”と提案されたよ」と明かすも、次の瞬間「謝罪を拒否する」と大胆発言!
続けて、その理由を語ったケヴィン。「僕のツイートが批判されるのは、これが初めてのことじゃない。そしてこれまでも、正々堂々と向き合ってきた。正しいことも間違いも理解し、僕は変わったんだ。今さらまた過去と向き合うのはごめんだ。僕は今、全く新しい人生を歩んでいるからね。過去のツイートを探し出す原動力があるなら、それに対して僕がどうやって対応してきたかも探して、見てみてほしい」
最後に「絶対に謝罪しないよ。僕は、ありのままでいる」と強く念押し、「(司会者に抜擢された)機会にはとても感謝している。もしなくなったとしても、怒りを抱いたりすることはない」と、動画を締めくくった。
大役を失うかもしれないという事態にも臆せず、堂々と自身の思いを発信したケヴィン。しかしインスタグラムでメッセージを発信してから約2時間後、今度はツイッターで、司会者を辞退すると表明。そこには、断固として拒否していた謝罪の言葉も……!
I have made the choice to step down from hosting this year's Oscar's....this is because I do not want to be a distraction on a night that should be celebrated by so many amazing talented artists. I sincerely apologize to the LGBTQ community for my insensitive words from my past.
— Kevin Hart (@KevinHart4real) 2018年12月7日
「司会者を辞退することに決めたよ。才能に溢れた素晴らしい人々によって祝われる夜を、台無しにしたくないからね。そして改めて、LGBTQコミュニティの人々に心から謝罪したい。僕の言葉が人を傷つけたことを、申し訳なく思う」
I'm sorry that I hurt people.. I am evolving and want to continue to do so. My goal is to bring people together not tear us apart. Much love & appreciation to the Academy. I hope we can meet again.
— Kevin Hart (@KevinHart4real) 2018年12月7日
「僕は今も成長しているし、これからもずっと成長し続けるつもりだ。僕の目標は、人と人を引き裂くことではなく、絆を深めること。映画芸術科学アカデミーに愛と感謝を送るとともに、また縁があることを祈っている」
Kevin Hart shouldn’t have stepped down; he should have stepped up. Hart’s apology to LGBTQ people is an important step forward, but he missed a real opportunity to use his platform and the Oscars stage to build unity and awareness.
— Sarah Kate Ellis (@sarahkateellis) 2018年12月7日
ケヴィンの辞退を受けて映画芸術科学アカデミーのCEOを務めるサラ・ケイト・エリスは、声明を発表。
「ケヴィンは辞退するべきではなかった。むしろ、突き進むべきだった。彼のLGBTQコミュニティに向けた謝罪は前進するための大切なステップだった。しかし、アカデミー賞授賞式というステージを使い、人々の一致団結を呼びかける機会を手放してしまった。今後もケヴィンと話し合いを持つ機会を歓迎している」とツイッターに綴り、ケヴィンの辞退を悔やむ姿勢を表した。
ケヴィンの辞退がセレブ界にも激震を与えるなか、彼の友人で同じくコメディアンのニック・キャノンが弁護ともとれるツイートを発信。「なんでこれらは批判されないんだろう。不思議だね」と、過去にエイミー・シューマーやサラ・シルバーマン、チェルシー・ハンドラーが発信した差別的な言葉を取り上げた。
2019年2月25日(現地時間)の開催まで3カ月を切り、司会者やノミネート作品&人物の予想がヒートアップ。果たして、ケヴィンの代わりに大役を務める人物は誰になるのか? 前代未聞の事態を迎えたアカデミー賞授賞式の行方に、さらなる注目が集まりそうだ。
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text : Ayano Nakanishi