新型コロナウイルスと闘う国民に対し、メッセージを発信したエリザベス女王(93)。つけていたブローチは、確固たる意志のあらわれだった!
2020年4月5日(現地時間)、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、異例のテレビ演説を行ったエリザベス女王(93)。このとき胸元にはターコイズのブローチがつけられていたのだが、これには女王のある思いが込められていたよう。
Photo:ROTA/Camera Press/アフロ
もともとこのブローチを所有していたのは、エリザベス女王の祖母メアリー(享年85)。1893年に国王ジョージ5世(享年70)と結婚したときにもらったものだという。
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メアリーは、第一次世界大戦中にジョージ5世を献身的に支えたことで有名な人物。ラジオ演説を行うなどして国民を励まし、支持を集めたジョージ5世だが、その背景には軍人や負傷者たちへの思いやりを欠かさなかったメアリーの存在があったからだと言われている。
そんなメアリーから譲り受けたブローチを、あえて選んだエリザベス女王。国民とともに戦争を乗り越えた祖母のように、「今回の危機も乗り越えてみせる」という意志のあらわれだったのかもしれない。
ちなみにターコイズには、「愛」「守護」「生命力」「リーダーシップ」という意味が。演説にふさわしいアイテムだったのは、間違いなさそう。
Photo:PA Images/アフロ
現在は感染リスクの高いロンドンを離れ、ウィンザー城で隔離生活を送っているエリザベス女王。この演説はあらかじめ収録されたもので、防護服を着たカメラマンが1名だけ部屋に入り、撮影を行ったという。
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そして演説では、医療従事者をはじめとするエッセンシャルワーカーたちに感謝を述べた上で、「私たちはともにこのウイルスと闘っている。団結すれば、必ず危機を克服できる」とコメント。およそ4分間にわたり、メッセージを発信し続けた。
陽性が報じられたチャールズ皇太子(71)が回復する一方で、ジョンソン首相(55)が入院するなど、緊張状態が続くイギリス。エリザベス女王の力強い言葉は、多くの国民を勇気づけたはず。
text:Kyoko Kawaguchi