J.K.ローリングがトランスジェンダーをめぐるツイートで炎上! エマ・ワトソンら『ハリー・ポッター』出演者もコメント

小説家のJ.K.ローリング(54)がツイッターで発言した内容が物議をかもし、その影響は『ハリー・ポッター』俳優はじめセレブたちにも! 後日J.K.ローリングはトランスジェンダー問題をめぐる主張をブログで発表し、性自認で悩んだり、性暴力を受けていたという衝撃の過去も明かした。

『ハリー・ポッター』シリーズで知られるイギリスの作家J.K.ローリング(54)が発信した、ジェンダーをめぐるツイートが大炎上。それを受けて、エマ・ワトソン(30)やダニエル・ラドクリフ(30)ら『ハリー・ポッター』の出演者たちもコメントをし、大きな注目を集めている。

Photo:Getty Images
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事の発端は2020年6月6日(現地時間)の、J.K.ローリングのツイッターでの発言! 『コロナ後の社会を、生理がある人々にとってより平等なものにするために』という記事をシェアしたJ.K.ローリングは、「“生理のある人”。これらの人たちを表す言葉があったはずよね。誰か思い出させて! ウンベン? ウィンプン? ウームド?」とコメントし、生理がある人を「ウィメン(女性)」と表現しないことに苦言を呈していた。

この記事で言う「生理がある人」とは、体も心も女性である人のほかに、体が女性で心が男性であるトランスジェンダーの人も含めた表現。これに対するJ.K.ローリングの発言は、「生理がある女性の体」で男性の心をもつトランスジェンダーの人の存在を否定するものと受け取られて大炎上してしまったのだ。

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J.K.ローリングは過去にも反トランスジェンダー的な意見を擁護する発言でバッシングを受けており、このツイートに対してもまた、批判が殺到!

その後、批判に対して「性別という概念が存在しなければ、同性愛も生まれません。性別がなければ、(女性として生きてきた)世界中の女性たちの現実は消滅してしまいます。私はトランスジェンダーの人々を知っていて、彼らを愛していますが、性別という概念を排除してしまったら、多くの人がトランスジェンダーの人生について議論する機会も失われます。私は真実を語ることを忌み嫌うことはしません」とツイッターで反論した。

それでも止まらないバッシングに対して、6月10日(現地時間)、彼女はブログに長文エッセイを投稿。自身が反トランスジェンダーではないことを示した上で、トランスジェンダー問題そのものについてではなく、昨今のトランスジェンダーを容認する活動の方向性に懸念を持っていることを説明した。

「女性がトランスジェンダーの人々の味方をするだけでは十分ではありません。女性は、トランス女性と自分自身の間に大きな違いがないことを受け入れ、認めなければなりません」と主張。さらに自身が過去に暴力被害にあった経験を公表し、10代の頃からトランスジェンダーについて考えていたことを明かした。

「私がこれまでに読んだ性同一性障害についての著述は、不安や解離、摂食障害、自傷行為、自己嫌悪についての鋭い洞察が含まれたものが多く、そういったものを読めば読むほど、もし自分が30年遅くに生まれていたら私も性転換しようと考えたかもしれないと思います。“女性性”から逃れることは大きな魅力でした」と、J.K.ローリングも自身の性自認について悩みを抱えていたことが判明。

「私は10代のころからひどいOCD(強迫性障害)に悩まされていました。もし現在のように、ネットの中にOCDのコミュニティを見つけ、それに共感していたら、性転換していたでしょう。男児を望んでいた、と堂々と公言する父親の心を満たすためにね」と告白した。

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さらに自身を「家庭内暴力と性暴力からの生還者」と表現。J.K.ローリングは1992年に結婚したものの3年後に離婚しており、結婚生活のなかで暴力被害を受けていたことを明かした。

「私は今、これらのことを、共感を得るためではなく、世の中の多くの女性たちと団結するために発言しています。私のような過去をもち、一方の性だけが存在する環境に疑問を持つことで頑固者呼ばわりされる女性たちとです」「私はなんとか、暴力に脅かされた結婚生活から抜け出すことができました。でも、暴力や性的暴行によって残された傷跡は、その後どれほど愛されても、いくらお金を稼いでも、消えることはありません」と主張。

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そして「私は自分のエッセイによって、誰もが自分のバイオリン(=人生の困難を乗り越えさせてくれるもの)を手に入れられるとは思っていません。私は幸運です。私は(家庭内暴力・性暴力からの)生還者であり、被害者ではありません。この世界のすべての人と同じように、私にも複雑な背景があり、それらが私の恐怖や興味、意見を形作っているのです」と述べたうえで、「私が唯一望むことは、脅迫や虐待を受けることなく懸念を表明したいと願う何百万もの女性たちに、同様の共感、同様の理解を広めることです」と結んだ。

Photo:Grant Pollard/Invision/AP/アフロ
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先のJ.K.ローリングのツイートについては多くのセレブたちも反応しており、『ハリー・ポッター』で主演を務めたダニエル・ラドクリフは「トランスジェンダーの女性は、女性だ」とトランスジェンダーへの支持を表明。

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さらに、ハーマイオニー役を演じたエマ・ワトソンも、「自分が何者であるかということは、周囲に疑問を投げかけられたり決めつけられることなく、トランスジェンダーの人たち自身が決めること」「私のトランスジェンダーのフォロワーに知って欲しいのは、私をはじめ多くの人たちは、ありのままのあなたたちに敬意を払い、愛しているということ」とエール!

『ハリー・ポッター』の作者で子どもたちにも大きな影響力がある存在だけに、その発言に注目が集まるJ.K.ローリング。彼女のジェンダー観が今後の作品でも表現されるのかどうかも気になるところ! 

>>『ハリー・ポッター』ファミリーの近況はこちらをチェック!

text:Saki Wakamiya

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ツイッターでの発言で大炎上中の小説家J.K.ローリング。
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世界中で大流行した『ハリー・ポッター』の作者としても知られている。左はエマ・ワトソン。
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映画『ハリー・ポッター』に出演したエマ・ワトソンとのツーショット。
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左から2番目がJ.K.ローリング。左がダニエル・ラドクリフ、右がルパート・グリント、右から2番目がエマ・ワトソン。
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ダニエルも今回の騒動にブログで言及!
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トランスジェンダーを擁護するツイートをしたエマ・ワトソン。
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