トランスジェンダーモデルとして活躍するヴァレンティーナ・サンパイオ(23)が、一流モデルへの登竜門とも言われるスポーツ誌『スポーツ・イラストレイテッド』の水着特集のモデルに起用されたことが判明! トランスジェンダーモデルとしては初めての快挙となる。
ブラジル出身のモデル、ヴァレンティーナ・サンパイオ(23)が、2020年7月10日(現地時間)にアメリカの情報番組『グッド・モーニング・アメリカ』に出演。米スポーツ誌『スポーツ・イラストレイテッド』の水着特集号に登場することを明らかにした。
日本では通称“スポイラ”とも呼ばれる『スポーツ・イラストレイテッド』は、アメリカのスポーツ週刊誌。毎年発行される水着特集号では、悩殺ボディのモデルが登場し話題になる。表紙を飾ったことをきっかけに有名になったモデルも少なくなく、一流モデルへの登竜門的な存在としても知られている。
過去には元祖スーパーモデルのハイディ・クルム(47)、ビヨンセ(38)、ケイト・アプトン(28)などがカバーガールを務めたこともあり、毎年、誰が特集されるかで注目を集めている。
2020年版は8人のモデルが起用される予定で、ヴァレンティーナはトランスジェンダーモデルとして初めて、同誌のモデルに選ばれたという。番組内でヴァレンティーナは、カリブ海に浮かぶスクラブ島で撮影を行ったことを明かし、喜びを語った。
「とても驚いたわ。夢みたい。私にとってだけじゃなく、すべてのLGBTQ+コミュニティにとって多くの意味があることだわ」とコメントした。
2016年の国際女性デーに、自身がトランスジェンダーであることを 公表し、瞬く間に世界中の話題を集めたヴァレンティーナ。
その後はディオールやマークジェイコブスなどのハイメゾンのモデルに起用され、多くのファッション誌の表紙を飾るなど、一躍トップモデルに。2019年には、トランスジェンダーモデルとして初めてヴィクトリアズ・シークレットのキャンペーンモデルにも選ばれた。
しかしその道のりは順風満帆ではなかったようで、過去には「ブラジルは美しい国だけど、トランスジェンダージェンダーコミュニティに対する暴力犯罪や殺人の数が最も多い国」「私がトランスジェンダーだと分かると、突然モデルを解雇されたこともある」と語ったことも。
そんな経験を持つヴァレンティーナの「私たちは皆同じ人間であり、人々やブランド、企業がトランスジェンダーコミュニティに対して思いやりと尊敬をもって積極的に受け入れることを望んでいます」というメッセージは、たくさんの人の心に響いたはず。
text:Saki Wakamiya