人種差別反対を訴えるため、試合をボイコットした大坂なおみ選手(22)。この行動は、全米テニス協会を始め、世間に大きな影響を与えた。
2020年8月23日(現地時間)、米ウィスコンシン州で、黒人男性が警官に銃撃される事件が発生。人種差別反対を訴えるスポーツ選手が次々と試合をボイコットする中、大坂なおみ選手(22)も試合に出ないことを表明した。
Photo:Getty Images
現在、ニューヨークで開催中のテニストーナメント「ウエスタン・アンド・サザン・オープン」に出場している大坂選手。見送ることにしたのは、27日(現地時間)に行われる予定だった準決勝の試合。
この発表と同時にSNSで抗議文も発信しており、その中で「黒人に対する差別や虐待は、私を不快な気分にさせる。数日おきにこうしたニュースが報じられるのは、もううんざり」とコメント。
この投稿をInstagramで見る
「私は、アスリートである前にひとりの黒人女性。試合を見てもらうより、もっと大切なことがあると感じた」「白人が大多数を占めるこのスポーツで声をあげることは、大きな一歩になると思う」と、出場しない理由を述べた。
こうした選手たちの勇気ある行動は、現地でも大きな話題に。その後、全米テニス協会、男子プロテニス協会、女子テニス協会が「人種差別と社会的な不平等に抗議する」とボイコットに賛同。27日(現地時間)の試合を延期するに至った。
Photo:Getty Images
そんな協会の対応に感謝を述べた大坂選手は、28日(現地時間)に再開された試合にカムバック! BLM(黒人差別反対運動のスローガン)のTシャツで確固たる意志を示しながら、コートに入る姿がキャッチされた。
現在まで大坂選手のSNSのアカウントには、多くの応援コメントが寄せられており、人種差別に対する関心はさらに高まったよう。先日は、ビキニ写真に寄せられた批判に対する抗議メッセージが大きく取り上げられたばかり。アンチに臆せず、自身の考えをしっかりと発信する大坂選手に、さらなる注目が寄せられそう。
text:Kyoko Kawaguchi