『レ・ミゼラブル』で受賞したアカデミー賞の受賞式がきっかけで、世間からの大バッシングを受けることになってしまったアン・ハサウェイ(38)。最新インタビューで、当時の心境を振り返った。
2012年公開の映画『レ・ミゼラブル』で、アカデミー賞助演女優賞を受賞し栄光を手に入れたアン・ハサウェイ(38)。一方で、これをきっかけに世間から大バッシングを受けることに!
現在は「自身にとっていいことだった」とポジティブに受け止めているというアン。米メディア『SUN』の最新インタビューで当時の心境を語った。
アンは2001年に、『プリティ・プリンセス』で映画デビュー。代表作の『プラダを着た悪魔』をはじめ、幅広い役柄をこなす演技派女優として、華々しいキャリアを築いてきた。
そして2012年、ミュージカル映画『レ・ミゼラブル』に出演。約11キロ減量し、トレードマークのロングヘアをばっさり切るなど壮絶な役作りをして臨み、翌年2013年に第85回アカデミー賞助演女優賞を受賞。
演技派女優の証を手にし、受賞スピーチでは声を震わせながら感謝と喜びを語ったアン。しかし、その姿に「わざとらしい」「嘘くさい」と批判の声が集中!
さらに授賞式でのドレス姿にまで、「胸が透けているみたいだ」と悪意のあるコメントが。当時SNSでは「#Hathahate(ハサウェイ嫌い)」というハッシュタグが蔓延するほど、アンチが大量発生する事態に。
アカデミー賞受賞から約8年経った現在、当時について「過去のことを掘り返すことはしたくないけど、私はそのとき自分の中にモンスターを飼っていたの」と振り返ったアン。「私はインターネットを見て、自分を憎み、それが重大なことだと思っていた」と語り、ネット上のバッシングで自分自身を愛せなくなっていたことを告白した。
また、以前、アカデミー賞を受賞したことについて「本当はあまり嬉しくなかった」「嬉しいふりをしなければならなかった」と語ったことも。「ふつうは幸せになるはずだけど、私はそのように感じなかった」「人々が一生かけて目にするお金より高額のドレスを着て、全ての人間の経験の一部としてまだ残っている苦悩を描いたこの作品で、授賞式に立ったことは間違っていた」と当時の心境を明かした。
フランス革命時代、貧困に苦しむ娼婦という役柄に感情移入したままだったアンは、アカデミー賞というきらびやかな場に立つことがふさわしくないと感じていたよう。
受賞をきっかけに激しい批判が向けられたが、現在はそれを乗り越えたアン。「人は恥ずかしさで死ぬことができるように感じるだけで、実際には死なない」と語り、バッシングを乗り越えたことで精神的に強くなったことを明かした。
昨年公開された映画『魔女がいっぱい』では、口の裂けた恐ろしい魔女を熱演。さらに今月からはアメリカで、新型コロナウイルスのパンデミック下でカップルが宝石強盗を企てるという映画『ロックド・ダウン』が公開に。
批判にも負けず、第一線で活躍し続けるアン。今後、どのような女優へと進化してゆくのか楽しみでならない。
text:Saki Wakamiya